G20財務相・中央銀行総裁会議の記念撮影を前に、握手を交わすドイツのショイブレ財務相(前列右から2人目)と中国人民銀行の周小川総裁(同3人目)。後列左から2人目は麻生財務相(27日、中国・上海)=共同
【上海=石川潤】中国・上海で開いた主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は27日夕、市場の安定のために金融政策、財政政策、構造改革の「すべての政策手段を用いる」とする共同声明を採択し、終了した。中国経済の減速や原油安を起点とする市場の動揺に対し、G20が断固とした態度で臨むことを示すことで不安の沈静化を狙う。
声明では、最近の市場の動揺や原油安などを背景に「世界経済の見通しがさらに下方修正されるリスクへの懸念が増大している」と指摘した。ただ、最近の市場の動きは「世界経済の現在のファンダメンタルズ(基礎的条件)を反映したものではない」とし、過度な動きであるとの認識を示した。
課題とされた世界経済の成長底上げには「金融政策のみでは均衡のとれた成長につながらない」と指摘。「機動的に財政政策を実施する」ことで、経済成長や雇用の創出につなげるとともに、構造改革もすすめ、中長期的な潜在成長率を高める。
為替政策では「通貨の競争的な切り下げを回避することや(輸出)競争力のために為替レートを目標とはしない」という合意を改めて明記した。一方で「為替レートの過度の変動や無秩序な動きは経済・金融の安定に悪影響を与えうる」と指摘した。