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シリア停戦時間 守られるか 予断許さず
2月27日 7時11分

シリア停戦時間 守られるか 予断許さず
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内戦が続くシリアで、アメリカとロシアが呼びかけた停戦に入る時間が過ぎました。アサド政権と反政府勢力の主要なグループは戦闘の停止を表明していましたが、実際に守られるかどうかは予断を許さない状況です。
シリアでは、アメリカとロシアが、アサド政権と反政府勢力の双方に停戦に入るよう呼びかけていた現地時間の27日午前0時(日本時間の午前7時)を過ぎました。
これに先だって、反政府勢力の主要なグループは「2週間にわたる一時的な停戦に同意した」という声明を出し、アサド政権も停戦案を受け入れる用意があることをロシアに伝え、双方は停戦時間に合わせて戦闘を停止することを表明していました。
日本時間の午前3時ごろ、北部の都市アレッポに住む45歳の男性にNHKがインターネットの音声通話で取材したところ、「町の中は静かだが、北部の郊外で政府軍が反政府勢力と激しい衝突を続けている。停戦と言っても、いつでも破られる可能性があり、楽観的にはなれない」と話していました。また、シリア国内にいる反政府勢力の関係者によりますと、停戦時間に入る直前もシリア北部で戦闘が続いていたということです。
こうしたなか、反政府勢力の一部で、停戦の枠組みから除外されている国際テロ組織アルカイダ系の武装組織、ヌスラ戦線が26日の声明で、アサド政権の打倒のための戦闘を継続するよう呼びかけました。これを受けて、ヌスラ戦線と連携する反政府勢力の一部が戦闘をやめない可能性や、アサド政権側がテロ組織との戦いだとして反政府勢力の一部に対して攻撃を続ける可能性もあり、停戦が実際に守られるかどうかは予断を許さない状況です。

ロシア テロ組織には軍事作戦続ける構え

ロシアのプーチン大統領は26日、連邦保安庁の会議で演説し、「シリア内戦のすべての当事者は、停戦の受け入れについてロシアかアメリカに通告することになっていて、ロシアには、そのような連絡がきている」と述べ、アサド政権や反政府勢力の一部から停戦受け入れの表明があったことを明らかにしました。そのうえで、過激派組織IS=イスラミックステートや、アルカイダ系の「ヌスラ戦線」などのテロ組織については、「停戦には関係ない」として、軍事作戦を続ける構えを示しています。

アルカイダ系組織 戦い続けるよう求める

反政府勢力の一部で、アメリカとロシアが過激派組織IS=イスラミックステートとともに停戦の枠組みから除外し、「引き続き攻撃対象だ」とした、国際テロ組織アルカイダ系の武装組織、ヌスラ戦線は26日、指導者の音声の声明を出しました。この中で、「ダマスカスの解放のために戦い続けるよう求める」として、戦闘員たちにアサド政権の打倒のための戦闘の継続を呼びかけました。そのうえで、「アサドの退陣を求める形から、停戦によって、アサドと協力を結ぶ形に変わってしまった」として、停戦に応じた反政府勢力の中のグループを非難しました。

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