編集委員
2016年2月27日05時01分
■EYE西村欣也
まず、今回で「EYE西村欣也」は最終回となることをお伝えしなければなりません。定年です。月日は待ってくれません。20年続いた連載につきあっていただいた読者の皆様に、本当に感謝します。批判も多数いただきました。でも、それが読んでくださっている方との貴重なコミュニケーションでした。
最後にこのコラムの総括をしておきたいと思う。連載開始当初に襲われたのは、恐れだ。それは今でも変わらない。「人が人の内面を書けるのか」。答えは今でもノーです。人は人のことを完全にわかることはできない。
ではどうするか。取材という作業は綿密であらねばならない。そこにウソや不純物が絶対に混じってはならない。しかし、そこで「わかった」という気持ちになってはならない。取材を通して得た材料を絵の具にして、肖像画を描く。それがスポーツライティングの楽しみだと思う。
取材対象がその原稿を読んで「その通り」だと言ってくれることもある。「ああ、そういう風に見えるんだ」と言うこともある。ここまでは許容範囲だと考える。自分のフィルターを通して肖像画を描いているのだから。ただ「これは自分ではない」と言われれば、その原稿は失敗だと思う。
あと二つ書いておきたいことがある。
超一流アスリートを取材していて生き方を教わることがある。例えばイチローと松井秀喜だ。全く違う個性の2人から同じ言葉を聞いたことがある。
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