兵庫県の建築資材販売会社のインターネットバンキング口座から約9100万円を不正送金したなどとして、警視庁サイバー犯罪対策課は26日までに、いずれも中国籍で無職の邸慶梅容疑者(28)=東京都新宿区新宿1=と劉海成容疑者(37)=江東区亀戸4=を電子計算機使用詐欺などの疑いで逮捕した。警察が摘発した法人口座の不正送金では過去最大の被害。
同課によると、2人は「全く知らない」などと容疑を否認している。
逮捕容疑は昨年9月、同社のネットバンキング口座に不正アクセスし、約9100万円を不正送金。うち2口座から約400万円を引き出した疑い。
同課によると、邸容疑者は中国にいる男から指示を受けていたとみられ、同課は近く国際刑事警察機構(ICPO)を通じて男の所在などを照会する方針。
邸容疑者はSNS(交流サイト)で日本にいる中国人らから不正送金先にする銀行口座を買い取ったり、劉容疑者ら「出し子」にATMから現金を引き出すよう指示したりしていた。
同社のパソコンから、ネットバンキングのIDやパスワードなどを盗み取るウイルスが発見された。約9100万円のうち約8600万円は、不正送金から17分後に6都府県のATMで引き出された。同課は2人以外にも出し子グループが複数あるとみている。