今年は作付面積3倍に 高価格で農家もやる気
青森県産米の新品種「青天の霹靂(へきれき)」が25日、日本穀物検定協会(東京都)の2015年産米の食味ランキングで最高評価の「特A」を正式に取得した。「特A」は2年連続だが、14年産米は作付面積などが基準に満たない参考品種としての出品だったため、昨年秋の市場デビュー以来初の「特A」となった。
同協会によると、15年産米は延べ139品種が対象で、炊いた白飯の味や粘り、硬さなど6項目を審査した。複数産地コシヒカリのブレンド米を基準米とし、これより特に良好なものが特Aとなる。15年産米の「特A」は過去最多の延べ46品種に上り、うち5品種が初の特A取得となった。
一方、県産米の約7割を占める「まっしぐら」も「特A」に次ぐ「A」を初めて取得した。主力品種の「つがるロマン」は14年産米に続き「A」だった。三村申吾知事は県庁内で報道陣の取材に応じ、「何よりもホッとした。消費者に自信を持って最高においしいお米を届けたい。ここからが本当の勝負だ」と語った。
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16年産の青天の霹靂は、作付面積が15年産の3倍近い約1560ヘクタールに上る見通しになっている。初年度の販売が好調で、生産を希望する農家が大幅に増えたのが要因という。
県農産園芸課によると、16年産の生産者は、15年産の2倍強の約850個人・団体となり、収穫量も約3倍の約8400トンに拡大する見込みという。
青天の霹靂は厳しい出荷基準が定められているが、初年度は98%の農家がこの基準をクリア。コメの概算金も15年産は県内で主力の「つがるロマン」が9200円だったのに対し、「青天の霹靂」は1万3000円と高かったことも16年の生産を押し上げたとみられる。
同課は「2年目の16年産米こそ真価が問われる勝負の年。生産が増えても品質を保持できるよう栽培指導を徹底したい」としている。【森健太郎】