英RBS:株価大幅安、復配時期先送り-15年は8年連続赤字 (1)
2016/02/26 18:10 JST
(ブルームバーグ):英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットラン ド・グループ(RBS)は26日、8年連続の通期赤字を発表、復配は当初の計画よりも遅れるとの見通しも示した。同行の株価は一時10%を超える下げとなった。
発表資料によると、2015年の通期純損益は19億8000万ポンド(約3120億円)の赤字。過去の不祥事に絡む費用が響いた。前年の34億7000万ポンドから赤字幅は縮小した。不祥事や訴訟に絡む費用を除いたベースの税引き前利益は前年比約28%減の44億1000万ポンドとなり、同行がまとめたアナリスト7人の予想平均の44億5000万ポンドに届かなかった。RBSが黒字を計上したのは07年が最後。
RBSは08年に政府に救済された後、無配に転落。ロス・マキューアン最高経営責任者(CEO)にとって今年は復配に向け重要な年。同行は住宅ローン担保証券(MBS)販売問題での米当局との合意の可能性などをにらみ、17年1-3月(第1四半期)としていた当初の目標よりも「遅れる可能性が高い」と説明した。
同CEOは記者団との電話会議で、「米国での住宅ローン担保証券の問題を中心に、まだ巨額の不祥事絡み費用がかかることは明らかだ」と述べた。
ロンドン時間午前8時8分(日本時間午後5時8分)現在、株価は10%安と、この時点で取引時間中として12年6月以来の大きな下げを記録。一時は12%安まで下げた。
先送り同行は先月、評価損や特別費用、計約36億ポンドを15年10-12月(第4四半期)に計上することを明らかにしていた。支払保障保険(PPI)の不当販売をめぐる5億ポンドも含まれる。PPI問題は英銀行業界に史上最大の費用をもたらした不祥事。住宅ローン担保証券問題で15億ポンドも引き当てた。
RBSは依然、英政府が73%を保有。オズボーン英財務相は再民営化を目指しているが、欧州の銀行株が今年軒並み下げていることを受けてさらに遅れそうだ。英政府は、昨年8月に救済後初めての保有株放出後、第2次放出については同年11月、今年への先送りを決めていた。
原題:RBS Pushes Out Dividend Timing After Eighth Straight Annual Loss(抜粋) RBS Drops Most Since 2012: Shore Flags Capital Return Delay
記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Richard Partington rpartington@bloomberg.net
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更新日時: 2016/02/26 18:10 JST