安田桂子
2016年2月26日23時52分
初乗り運賃について、国が定めた範囲への変更を九州運輸局が命じないよう、格安タクシー会社の福岡エムケイ(福岡市)が差し止めを求めた訴訟の判決が26日、福岡地裁であった。平田直人裁判長は「運賃幅の設定にあたり格安業者の利益を考慮しなかったのは裁量権を逸脱し違法」として差し止めを命じた。
運輸局は福岡エムケイの初乗り運賃を500円(中型車、1・2キロ)で認可していた。しかし、2014年1月に過当競争を防ぐ目的で改正タクシー適正化・活性化特別措置法が施行され、タクシーが多い地域では業者は運賃を国が定めた範囲(公定幅運賃)とすることが義務づけられた。運輸局は、エムケイが営業する福岡市などの初乗り運賃を670~750円(中型車、1・6キロ)に設定。公定幅内に値上げするようエムケイに勧告した。
判決は、運輸局が公定幅運賃を指定する際、従来の安い運賃で適法に営業する業者の利益を考慮しなかったと指摘した。福岡エムケイの青木義明社長は判決を受けて会見し、「ほっとした」と語った。九州運輸局は「判決内容を精査し、今後の対応を決めたい」とコメントした。(安田桂子)
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朝日新聞社会部
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