白昼の暴走車で梅田パニック　歩道乗り上げ歩行者次々はね飛ばす

大阪・梅田で歩道に車が乗り上げ騒然とする現場付近 Photo By 共同

　大阪市北区芝田１丁目の繁華街・梅田で２５日午後０時半ごろ、乗用車が暴走して交差点に突っ込み歩道に乗り上げ、次々と歩行者をはねた。運転していた奈良市の会社経営大橋篤さん（５１）と歩行者の５０代ぐらいの男性が死亡。歩行者の２０代ぐらいの女性が重体。目撃された状況などから、大阪府警は大橋さんに運転中に何らかの異変が起きた可能性があるとみて、司法解剖して死因を調べる。

　事故が起きたのはＪＲ大阪駅北側の繁華街の交差点。「ドンドン」という大きな音を立てながら黒い乗用車が通行人に突っ込み、衝撃音と悲鳴が響き渡った。関西を代表する繁華街で、人通りの多い場所。事故当時は昼休みでさらに多くの会社員らが行き交っていた。目撃者によると、車は交差点を西から東へ直進。猛然と人波へ突っ込み、歩行者を次々とはね、ボンネットに人を乗せたまま走り続けた。その後、歩道に乗り上げ約４０メートル先の花壇にぶつかり停車。車の前方には男性が挟まれ倒れていた。

　路上には頭から血を流し、ぐったりする人や、「ううっ」とうめき声を上げる人も。運転していた大橋さんに目立った外傷はなかった。目撃された状況などから、府警は運転中に心臓や脳などの急性疾患で体調に異変が起きた可能性があるとみて司法解剖して死因を調べる。付近に目立ったブレーキ痕は確認されなく、速度を落とさず、赤信号で侵入した可能性があるとみている。大橋さんと歩行者の５０代ぐらいの男性が死亡。東京都や兵庫県、奈良県などの２０〜７０代とみられる歩行者の男性５人と女性１人が重傷。神戸市東灘区の男性（５７）といずれも大阪府枚方市の女性２人が軽傷を負った。

　車はスピードを落とさずに走行。アルバイトの男性（４７）は「バコバコ」という大きな音を聞き「３、４人が人の背丈ほどの高さまではね上げられ、地面に落ちて動かなくなった」と振り返った。横断歩道を渡っていたフラワースクール講師の女性（５６）は「車が目の前を通過した際、男性は運転席にもたれかかっているようで、ハンドルを握っている様子はなかった。腕がだらんとして、意識を失っているように見えた」と話した。府警は事故原因などを捜査している。