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資本主義の終焉と歴史の危機

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著者の水野和夫は、早稲田大学政経学部卒業後、三菱UFJモルガン・スタンレーチーフエコノミストを経て、現在は日大国際関係学部教授。

民主党が政権与党だった時の経済政策ブレーンだったとのこと。

「売れてる本みたいだけど、う~ん…国益毀損、円高放置、無為無策民主党のブレーンの書いた本じゃ、いまいち信頼性に欠けるな」と思いながらも、読んでみた。

著者のスタンスは基本的にペシミストであるが、ところどころ「なるほど」と思わせるような記述があったので、抽出する。

・グローバル経済の進展により、国家の枠は取り払われつつある。今まで存在した国家間格差であったが、新興国も「辺境」ではなくなってきたので、国家間格差に代わって、国家の内側に「新たな辺境」を生み出す。それが格差の拡大と、中間層の没落である。

・地球の資源は無限であるという前提で経済を運営させているが、インドや中国等の人口大国まで近代化が進み、資源多消費国になれば、地球システム自体が崩壊へと向かう。

中国共産党は2025年までに崩壊し、未曽有の混乱が起こる可能性が高い。日本もかじ取りを誤れば崩壊する。

以下は楽観的な視点ではあるが、

・科学技術の革新は重要。リッター50キロの車は飛ぶように売れ、資源枯渇スピードを減速させ、日本経済を潤す。藻類による原油生産の技術開発が成功すれば、日本は持続的繁栄を約束される。

ニートは、一般的には社会的不適格者として揶揄される標的となっているが、資本主義の論理によって搾取されることを拒否する者であり、それはそれで素晴らしい(主体的な)生き方の選択たり得る。

 

まぁ、中国に関しては同意だ。今のまま膨張を続ければ、確実に終末点を迎える。

ただ、共産党一党支配が崩壊して、未曽有の混乱が収束して、民主化された中国が成立したなら、それはそれで今よりもずっと手強い相手となるのは確実じゃないかな。

問題はそれがいつなのか…ってことだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前回の続きを書く。

2度目の高校生活は全く味気ない、砂を噛むような日常だった。

浜田省吾の歌ではないが、交わされる話は、単車、喧嘩、タバコ、女の話ばっかり。そこに退屈で死にそうな授業のコンボだ。

どうでもいいことで殴り合いの喧嘩が発生し、瞬時に教室内が格闘場と化す。

クラスの人間は、月を経る毎に1人、また1人と退学していく。

俺はと言えば、「自分の道を進むだけ」と、彼等から距離を置いてたし、彼等も、初日の「番長」事件から、俺と距離を置いてたし、全く会話は無い。

俺の方も「却ってありがたい」と昼休み等はひたすらふて寝したり、一人でタバコを吸いに行ってたりして、過ごしていた。

それでも、会話をしなければならない場合が発生する。周期的に回ってくる週番などの雑務だ。

クラスの人間は俺に「ゆうさん、~~ですか」とか話してきたが、俺は「確かに俺、歳は食ってはいるけど、同学年なんだから、敬語は使わなくていいよ。タメグチでいいから」と応答したりしてたが、そんな会話をすること自体が面倒だった。

「あぁ…一年前の、男女共学のクラスが懐かしい。みんな二年生なんだな。カジくんやマリコちゃん、元気でやっているかな…」

灰色の高校時代だったが、その初期に、彩(いろどり)を加えてくれたヒトがいた。

「さっちゃん」というヒトだ。

姉が購読していた女性雑誌の「文通コーナー」で知り合った1つ年上(学年では2級上)の女性だった。

今、思うと自分の純情さに笑ってしまう位だが、清く正しい手紙のやりとりを月に一回程度、交わしていた。

彼女は高校3年生、言うまでもなく受験生、なりたいのは弁護士、だからできれば法学部に進学したいとのことだった。

「ほうほう、弁護士になるには司法試験という試験に受からなければならないのか。うん?東京大学中央大学が司法試験で拮抗しているじゃん。知らなかったわ~(;゚Д゚)」

彼女との出会いで、「法学部」という選択肢を、おぼろげながらも意識するようになった。

そして、彼女との出会いは、俺の人生を左右する契機となった。

 

それにしても、大学入試はまだまだ先の話だが、少なくともこんな先の見えない勉強で、一体、大学に合格する日が来るのだろうか。

 ただ、救いだったのが、ホームレスの経験だった。

「あんな地獄のような日々に比べれば、例え勉強漬けの生活だとしても、百倍マシ、むしろ天国だ。なんせ、have only to study、つまり、勉強しさえすればいいんだから、こんな楽なことはない」

1年のhandicap、大金のロスト、大切なものもたくさん失ったが、それ以上にホームレス経験は、俺に「前進するための推進力」を与えてくれた。

中学生レベルの基礎、その勉強は客観的には非常に苦痛だったが、そんな、砂を噛むような苦行も、あの経験があればこそ、主観的には楽々と続けることができた。

 

もっとも、このように書くと、さぞや入試の勉強に集中していたような印象を持たれるかも知れないが、決してそうではない。てんでダメダメだった。

日曜日はキャディーのバイトをしてて、早めに終わったら、グラブを持ってラウンドを回ったりしてたし、「公務員もいいかな」と公務員試験用の参考書をつぶしたりしてたし、三島由紀夫筒井康隆、大藪晴彦、太宰治等を読むふけっていたし、「受験生」と称するには余りにもお粗末な生活を送っていた。

2時間以上、机に向かう。そんな勉強以前の行動すら、できずにいて、平均すると、当時の入試の勉強時間は、英文法、数学、英単語等の暗記、トータルで2時間程度だったと思う。

ただ、「最低でも英単語や熟語、相関語句(イディオム)だけは、覚えなくっちゃな」とは思い、ひたすら暗記する作業だけは続けていた。

「こんなぬるい勉強じゃあダメだよな」と思う反面、「今のうちからフルスロットルでやったらオーバーヒートしちゃうだろう」と自分の怠惰を正当化していた。

 

おまけに、高校にはバスで通学していたが、ひょんなことから同じバスに乗り合わせた他校の女子高生と親しくなった。

現在の俺が、当時の俺に会えれば、このように叱り飛ばすだろう。

「物事には優先順位というものがあるんだよ。今、すべきことは、恋ではないだろっ!」

全く以って、ダメダメな人間だった(;´Д`)