国公立大学の二次試験のうち、前期日程の試験がきょうから始まりました。その試験の朝に東北本線で列車の遅れがあり、福島大学は、試験の開始時刻を遅らせました。県内で前期日程の二次試験が行われたのは、福島大学、会津大学、県立医科大学です。そのうち福島大学できょう、試験が行われた学類の前期日程の志願倍率は、人間発達文化学類が４．８倍、共生システム理工学類が３．０倍です。その福島大学の受験生が多く利用するＪＲ東北本線は、けさ６時すぎに郡山市内で車両の不具合が見つかり、最大で２時間の遅れが出ました。このため福島大学は、試験の開始時刻を午前１０時から１時間繰り下げる対応を取り混乱はありませんでした。

　会津美里町では“知恵の神様”として知られる文殊菩薩に合格を願う文殊祭が開かれ、多くの受験生が合格祈願に訪れています。会津美里町の文殊院・清龍寺は“知恵の文殊”として知られています。受験シーズンと重なるこの時期、の御利益にあやかろうと県内外から多くの受験生やその家族が訪れます。きょうも境内にはお参りをする人達の長い列ができ、願いを託していました。また志望校や目標などを書き込んだ絵馬を奉納する人たちの姿が多く見られました。

　県内で行われている試験操業で、今が旬を迎えているシラウオが水揚げされています。シラウオは大きさが７センチほどの透き通った体で、生で食べてもおいしい今が旬の魚です。相馬双葉漁協ではきょうシラウオ漁の引き網船、およそ１３隻が出航し、南相馬市の沖合いで漁を行いました。水揚げされたシラウオはあわせておよそ４００キロで、検査の結果放射性物質は検出されなかったため明日、市場に送られます。福島県沖の試験操業をめぐっては県漁連が操業を自粛する範囲を第一原発の半径２０キロから１０キロに縮小する案を示していて、シラウオなど近海でとれるものの漁場の拡大に向けて検討が進められています。

　東京電力が、福島第一原発の事故でメルトダウンの判断基準があることに５年近く気付かなかった問題で、基準が明記されているマニュアルは、社内のシステムで全ての社員が閲覧できる状態だったことが分かりました。福島第一原発では１号機から３号機で核燃料が解け落ちるメルトダウンが起きましたが、東京電力が正式に認めたのは発生から２か月後でした。東京電力はこれまで「メルトダウンの明確な根拠がなかった」と説明していましたが、きのうになって判定基準があったことを認め、事故の３日後にはメルトダウンの認定ができたことを明らかにしました。東京電力は「基準があったことに５年近く気付かなかった」と説明していますが、この基準が明記されているマニュアルは、社内のウェブシステムで全ての社員が閲覧できる状態だったということです。東京電力では原因について今後、第三者を含めた検証を行うとしています。

　廃炉作業で出た防護服などの廃棄物の容量を減らすため、原発構内に建設された焼却処理施設で今、試験運転が行われています。第一原発では、使用済みの防護服などの廃棄物をコンテナに詰めて敷地の中で保管していてその量は、６万６０００立方メートルにのぼります。東京電力は増え続ける廃棄物の容量を減らす対策として焼却施設を整備し、現在、試験運転を行っています。きのうは専門家や地元の自治体の職員が視察を行い、管理体制などを確認しました。施設では１時間に６００キロの廃棄物を焼却することが可能で、容量は５０分の一にまで減らすことができます。また焼却に伴うガスは冷却してフィルターを通し、放射性物質を１００万分の一まで減らして排出するということです。施設は来月から本格稼働する予定です。

　先月、長野県で１５人が死亡したバス事故を受けて、県内にあるバス会社と警察が対策会議を開き、運転手の健康管理を徹底することなどを申し合わせました。先月、長野県の軽井沢でスキーツアーのバスが横転して乗客と乗員あわせて１５人が死亡しました。この事故を重く見た県内２４のバス会社と県警察本部などがきょう福島市で対策会議を開きました。会議では県内では今年度、バス事故が１６件おきていることが報告されました。そして、運転手の体調管理の徹底や運転技術と経験に合わせた業務の指示を行うことを申し合わせました。またバス会社と警察では乗客にシートベルトの着用徹底を呼びかけることにしています。