先日Mさんら数人とハングアウトで話す中で、「Webデザイナーって気分でマージンとか決めてるんでしょ、だからいつもバラバラなんでしょう」と指摘されたので、それに対するアンサーを雑ですが書いてみようと思います。
Webデザイナーは気分でマージンを決めている?
いやいやいやいやいや
気分です、はっきり言って。120%気分です。
ただ、Mさんのいうニュアンスと違うところは「自分の気分ではない」ということですね。ページを見る人、クライアントさん、みんなの気分を考えて想像して、作るものです。
そもそもマージンもフォントサイズも、マシンが読む分には必要ないものですよね、セマンティックであれば視覚表現はいらないわけです。ではなぜマージンを開けたりフォントを変えたり、サイズや太さを変えるかというと、人間には視覚的に「気持ち」を伝えるしか術がないんですよね。相対的に大きくすることで強調したり、違うフォントを使って注目させたり。
自分の場合はついつい、「ページという箱に対して」デザインを考えがちになってしまいます。コンテンツが少なくて、下に余白をドーンと開けてしまうくらいなら本文をゆったり見せたいし、反対にコンテンツが多ければコンパクトにまとめたくなっちゃうのです。
印刷慣れしているクライアントさんであれば「余白に挿絵でも入れてください」って言われることもあります。それは「余白が気になる」=「あまり良い状態ではない」わけですから、箱に対して行間やマージンを考えたいというのは、決してデザイナーのエゴとも言い切れないのです。
しかしコード的にフォーマットにして、少ないcssで運用した方がいいのはもちろんわかる!わかるけど、人間には「状況見て決めさせて」という気持ちがあるのもまた事実です。「このフォントサイズで、行間で、マージンにすれば全ての案件で、全ての人に読みやすくて気持ちがいい!」というフォーマットができたらノーベル賞あげてもいい。それができないから、都度都度がんばって作ってるんです。
DTPデザイナーは改行にうるさい?
いやいやいやいやいやいや
DTPデザインやってる方って、こうですから。
そりゃWebみたいに「テキストダミーテキストダミーテキストダミー」でページを100%としてテキストエリア60%にダバダバ流し込み、なんてすげえ文化だなと思われて普通だと思います。向こうから見たら発展途上国ですよ。
DTPデザイナーは紙のやり方をWebに持ち込んで困る、というようなことをたまに耳にしますが、DTPには読みやすさのために、たくさんの文字を正確に組むために蓄積されてきたノウハウがあります。それは決して見た目だけでなく文章としての正しさ、気持ちよさを追求したものなので、Webももっと技術が進めば、そういったノウハウをもっと普通に取りこめる日がくると思います。
これは印刷、Webに限らず、コンテンツというのはいわゆる「5W1H」、なんのために、何を書いて、ということからデザインを考えるのが一番いい流れだと思っています。しかし諸処の事情により「テキストダミー」だけで「入れ物のデザイン」を作らねばならないこともあります。多々。
それが果たして悪かと言われればそうではありません。例えば、テキストを簡単に変更できる、どんどん追加できる、様々な形で取り出せる、というのがWebの一つのいいところだと思います。そういうものに柔軟に対応できる汎用的なテンプレートデザイン、というのも必要なものです。
しかしこの「汎用的なデザイン」というやつは個人的にはとても苦手です・・・デザイナーはオーダーメイドを作りたがるものですが、誰が着るかもわからない服を作るのに似ています。せめて性別だけでも・・・身長だけでも・・・と言いたくなります。
あと、得てしてシンプルなものになりがちですが、シンプルな服って人を選びますよね・・・女優さんの着ているあのシンプルなワンピース、自分が着たらどうでしょうか?
それなりはそれなりの格好せにゃならんのじゃーい!しかしその「それなり」は人によってちがうんじゃーい!(じたばた
なんの話でしたっけ。