(直美)旦那が生きてるかぎり暴力におびえ続けるってこと?
(直美)見つけたよ。
あんたの旦那殺しても捕まらない方法。
(直美)林さんを達郎さんの替え玉にするの。
(加奈子)全て予定どおり。
うまくいってる。
(陽子)達郎は失踪なんてしていない。
(直美)あの人何か気付いてるのかもしれない。
(森崎)これだけの証拠がある以上服部君は認知症の顧客の口座から1,000万円を横領し中国へ逃亡したと考えざるを得ません。
(直美)自由だね。
(加奈子)直美とゆっくりするのなんてホントに久しぶりだね。
(山本)銀行員がやった犯罪にしてはあまりに素人っぽいんですよ。
(陽子)弟が横領などするはずがないと?
(直美)これからどうやって生きていくか考えてるの?
(加奈子)働こうと思って。
(聡子)人生は一度っきりでしょ。
だから人生を楽しむことに決めたんよ。
(直美)私も新しい人生を始める。
(陽子)話があるの。
2人に。
(陽子)加奈子さんは土曜の昼に達郎が出ていったと言ったけどここの管理人は達郎が出ていく姿を見ていない。
代わりに加奈子さんと最近よく見る友達を見掛けたそうよ。
ここのマンションにはエントランス。
エレベーター。
そして駐車場にそれぞれに防犯カメラが設置してある。
それら全てを確認すれば真実が分かる。
防犯カメラを見せてもらう。
管理人のとこへ行きましょう。
(坂下)マンション住民全員のプライバシーに関わることなので管理規約上見せられないんです。
(陽子)プライバシーの問題は理解しています。
でも人一人いなくなってるんです。
会社に事情を伝えて問い合わせてもらえますか?
(坂下)はい。
ちょっとお待ちください。
(坂下)あっ。
どうも。
事情は分かるんですがやはり警察の依頼でないと防犯カメラ映像は見せられないということでして。
お役に立てずどうも申し訳ありません。
失礼します。
・
(ドアの閉まる音)何だかほっとしてるみたいね。
防犯カメラが見られなくて。
(直美)そんなことあるはず…。
(加奈子)達郎さんは戻ってくると思います。
(加奈子)銀行は今回の事件を公にしないで穏便に済ませてくれました。
だからお姉さんがこれ以上調べて警察が動きだしてしまったら達郎さんが帰ってきたとき捕まってしまいます。
勝手なこと言ってるのは分かっています。
でも達郎さんにもう一度やり直すチャンスを残しておきたいんです。
加奈子さんは本当に達郎が横領して失踪したと思っているの?私だって信じたくはありません。
でも銀行の調査では達郎さんが横領した証拠が残ってます。
それにパスポートがなくなっていて上海に行ったという出国記録も残ってるんです。
私は達郎が失踪したなんて信じない。
銀行が被害届を出さないって決めた以上警察は動かないし防犯カメラが見られることはない。
(直美)防犯カメラの映像の保存期間は3週間だったよね?じゃああと10日で証拠は消える。
でもこれでお姉さんが引き下がるとは思えない。
やっぱり働くなんて考えちゃ駄目だったね。
(直美)えっ?私が働きだしたらお姉さんがもっと不審に思う。
(直美)駄目だよ。
加奈子。
働きなよ。
だって働きたいって言ってたじゃない。
せっかく自由を手に入れたのに今度は陽子さんの影におびえて生きるの?そうだね。
それじゃ意味がないよね。
もし向こうが何か言ってきたらまだローンがあるし達郎さんを待つためにもこの家を守らなきゃいけない。
だから私は働くってそう言えばいいんだよ。
うん。
陽子さんがいくら達郎さんの失踪を疑っても警察が動かないかぎり独自で調べるのには限界がある。
私たちの計画が崩れることはない。
手に入れた新しい人生。
絶対守りきる。
(男性)小田さん。
こんにちは。
こんにちは。
加奈子。
胸張って働いていいんだからね。
斎藤さまへの返金もあるし。
それが夫の帰りを待つけなげな妻として向こうは受け取るはずだから。
うん。
李社長は加奈子が社員になったらうれしいはず。
中国人ばっかりの会社だからね。
一人でも日本人がいれば商談のときに話が進めやすいって。
ねえ。
李社長には旦那と別居中って言ってあるんだよね?うん。
李社長。
私たちがやったことどこまで気付いてるの?分からない。
よろしくお願いします。
(朱美)小田さんから大体のこと聞いてるのことですね。
旦那さんと別居中?はい。
いずれ別れるつもりです。
だから生活するためにも働く必要があるんです。
(朱美)女。
男より強い。
えっ?白井さん。
そう思いませんか?はい。
うちですぐに働いてください。
ありがとうございます。
李社長。
条件面で合意できたらの話ですよ。
でも採用してくれるなら…。
李社長に譲歩したら駄目。
小田さん。
聞こえてるのことね。
加奈子にも選ぶ権利はあります。
3カ月間契約社員で。
その間月に手取り30万でどうですか?
(朱美)話し合う必要あるのことね。
今日は私がお昼をごちそうします。
食べながら話し合いましょう。
李社長にとって日本人社員は喉から手が出るほど欲しい人材のはずです。
30万は妥当です。
(朱美)私に吹っ掛けるのことですか?じゃあ28。
23。
それでも高いのことね。
間を取って25。
24。
上海の女性は小さいことにはこだわらないと前におっしゃってましたよね?
(朱美)しょうがないね。
分かった。
向こう3カ月手取り25万。
ただしすぐ働く条件ね。
白井さん。
それでどうね?ありがとうございます。
(朱美)フフフ。
ところで小田さん。
いつうち来るのことですか?実は葵百貨店を辞めてキュレーターとして働くために就職活動をしようと思ってるんです。
何度も誘っていただいたのに申し訳ありません。
きっとあなた私の元来ることなるね。
(三枝)顧客の金を横領し上海に失踪した弟さんの行方を捜してほしいと?
(陽子)私は失踪したとは思っていないんです。
誰かにはめられたか事件に巻き込まれたか。
新しい証拠を見つけて警察を動かしたいんです。
(三枝)確かにお話を伺うかぎり弟さんの行動には辻褄が合わない点がありますね。
(陽子)弟は念願だった昇進が決まったばかりなんです。
こんなに仕事がうまくいってるときになぜ失踪なんてするんでしょうか?
(三枝)失踪の理由は仕事だけとは限りません。
(朱美)ハハハ。
いっそ2人私の妹なりなさい。
私家族上海います。
日本の家族欲しいのことです。
あっ。
(朱美)中に昔のお金入っています。
小田さんと白井さんに幸運運んでくれます。
女ですよ。
(陽子)女?
(三枝)弟さんには奥さんの他に女がいたという可能性はありませんか?
(陽子)まさか。
そんなのあり得ません。
(三枝)女がらみの失踪なら弟さんが上海に土地勘がなくても支障はない。
その女が上海に詳しくルートを持ってたんでしょう。
あなたの知らない顔があったのかもしれませんよ?弟さんには。
(三枝)ATMの防犯カメラ映像確認しましたか?ええ。
確かに弟がお金を引き出していました。
そのとき周囲に誰かいませんでしたか?えっ?
(三枝)銀行はATMの入り口の外にも防犯カメラを設置してます。
(三枝)弟さんが女と行動を共にしていたならその女が映ってるかもしれない。
つまり誰が引き出したかではなく弟さんがお金を引き出したときにそばに誰がいたか。
それを調べるんです。
(陽子)はあ…。
(三枝)ATMの別アングル映像手配できますか?
(陽子)何とかなるかもしれません。
(三枝)あとマンションの防犯カメラも確認しておいた方がいいですね。
よし。
(朱美)これ白井さんの名刺ね。
ありがとうございます。
(朱美)大至急日本語の商品カタログ作るのことです。
それダイレクトメールで送って営業するです。
今まで印刷上海の会社に発注してたです。
あなた業者探しからやってください。
中国より安くて質の高い業者見つけるのことです。
はい。
(朱美)昼からホテルの商談会一緒に行くよ。
えっ?あのう。
私まだ何にも分からない…。
(朱美)この商品リスト目通しておくです。
分からないこと現場で覚えます。
はい。
いつもごちそうしていただいてホントにありがとうございます。
(順子)小田さんはおいしそうに食べてくれるから一緒に食べてて楽しいわ。
だってホントにおいしいんです。
(順子)夫と子供たちがいたころの習慣でつい作り過ぎちゃって。
お子さんにはお会いになられてないんですか?
(順子)娘は海外だし息子は電話しても忙しそうだし。
夫は医師会の理事長選で忙しくてめったにうちで食事もしないのよ。
《斎藤さまのご主人って?》
(内藤)《3年前脳梗塞で亡くなられてね》
(順子)どうしたの?あっ。
いえ。
斎藤さまは健康診断とか受けていらっしゃいますか?えっ?私もなんですけどつい自分の健康のこととかって見逃しちゃいがちだなって思って。
そうね。
健康診断なんて何年も受けてないわ。
一度病院で検査してみませんか?私どこも悪いとこないわよ。
今脳ドックというのがあって短時間で色々なことが分かって脳疾患の発症も防げたりするそうなんです。
脳?どうして脳なの?あっ…。
私脳の検査した方がいいの?いいえ。
念のためです。
私が病院も色々調べてみますから。
小田さん。
心配してくだすって本当にありがとう。
いえ。
・
(チャイム)
(順子)はい。
あっ。
今行きます。
お米の人がいらしたわ。
えっ?ほら。
ことぶき銀行の。
(順子)わざわざすいませんね。
お忙しいのに。
どうぞ。
(山本)ああ。
小田さん。
こんにちは。
(山本)服部の後任として私が斎藤さまの担当になったんです。
そうですか。
(順子)あなたはお米の人。
服部さんでしょ?
(山本)あっ。
あのう。
服部は行方が分からなくなって…。
(順子)どうぞ。
お米の人座ってて。
今お紅茶入れますから。
服部さんのこと加奈子から聞きました。
調査は終了したんですよね?
(山本)ええ。
銀行としては一応。
一応?実は私は今回の調査結果に納得がいってなくて。
服部君のお姉さんも同じ考えなんです。
彼女は絶対に服部君を捜し出すつもりです。
でも警察も動いてないのにどうやって…。
興信所を雇ったそうです。
えっ。
はい。
(女性)自由が丘産婦人科クリニックですが今日服部さん。
ご予約されていましたよね?ああ。
(女性)ご主人と一緒にいらっしゃる予定だったと思いますが。
すいません。
もう通う必要がなくなりましたので。
失礼します。
(従業員)白井さん。
はい。
(従業員)今度白井さん行ってる美容院連れてってください。
えっ?
(従業員)私たちだけ日本の店入りづらいです。
分かりました。
じゃあ今度一緒に行きましょう。
(従業員たち)ホント?シェイシェイ。
(中国語の会話)
(従業員)シェイシェイ。
バイバイ。
あのう。
李社長。
(朱美)うん?お店の商品に日本語案内を作成するのはどうですか?彼女たちが日本の美容院に入りづらいのとおんなじです。
まずは表の看板に「日本のお客さま歓迎」の一言を入れてそれから商品の一つ一つに日本語での説明を入れてあげるんです。
そうすれば日本人のお客さまも入りやすくなると思うんですけど。
やってやって。
はい。
(朱美)働いた感想どうね?ビール飲みたいです。
(朱美)えっ?あっ。
いえ。
働いた後に飲むビールっておいしいんだろうなと思って。
乾杯。
(朱美)乾杯。
ああー。
おいしいです。
すいません。
李社長。
雇ってくださってホントにありがとうございます。
(朱美)白井さん。
旦那といつ別れますか?えっ?
(朱美)さっさと別れてしまいなさい。
これからあなた自分の力で働く。
お金稼いで人生切り開く。
過去に縛られていては駄目のことよ。
(朱美)ただし離婚するとき財産ちゃんと分捕るのことです。
いい弁護士さん紹介するですね。
はい。
私あなたにとても期待してる。
ゆくゆくは上海支社つくる予定ね。
信頼できる人に共同経営者になってもらって任せたい。
あなたそうなってくれると助かるね。
いえ。
そんな私なんか。
(朱美)日本人謙遜し過ぎるのことです。
もっと積極的になりなさい。
はい。
小田さん。
とても強い。
あなた小田さんの友達。
きっと強い。
間違いないのことね。
上海支社か。
《加奈子。
見て。
あの人》
(林)《普通は特別》
(林)《私ちゃんとやります。
だからあなたも普通手に入る》
(林)《白井さんと食べる。
とてもおいしいです》《林さん。
おいしい紹興酒造ってくださいね》
(林)《はい》
(坂下)服部さん。
ちょっといいですか?はい。
(坂下)防犯カメラの映像の件ですけどね今日お見せした分だけでは足りないと言われても困るんですよ。
えっ?何の話ですか?ご存じないんですか?服部さんのご主人のお姉さんが興信所の方と一緒にいらっしゃったんですよ。
玉川中央署の警察官を立ち会わせるんで親族として防犯カメラの映像をどうしても見せてほしいとおっしゃって特例として理事の承認を得てここで見たんです。
防犯カメラを…。
(坂下)ええ。
どうして警察が?何でもその興信所に警視庁のOBの方がいるそうでその人が立ち会いを頼んだとか。
奥さんも了承済みだって聞いたんですが。
私は何も聞いてません。
(坂下)そうなんですか。
いや。
それでご主人が失踪なさったという土曜の昼の映像をここで見たんです。
ただご主人らしい人物はどこにも映ってなかったんです。
(坂下)そうしたら今度は前日の金曜の夜の分から見せてほしいって。
うちの会社も理事ももう切りがないって困ってまして。
(坂下)奥さん。
大丈夫ですか?加奈子?どう?管理会社には追加で映像を見せてもらわなくていいって話した。
それから理事長にも話してこれ以上防犯カメラの映像を見せてほしいって言わないって約束した。
どうしてもお姉さんが見たいって言ってきたら私に連絡してもらうことになってる。
陽子さん。
絶対に引かないつもりだね。
達郎さんが土曜の昼にマンションを出ていったっていうことをどうして私が嘘ついたのか必ず追及してくると思う。
(山本)服部君の奥さんが嘘の証言を?はい。
土曜日の午後マンションに設置された防犯カメラには達郎が出ていく姿は映っていなかったんです。
(山本)どういうことでしょうか?
(陽子)加奈子さんは達郎の失踪の原因を知っている。
知った上で口を閉ざしている。
(山本)やはり興信所の方が言う女がらみの失踪なんでしょうか?
(山本)あっ。
どうぞ。
(陽子)すいません。
(山本)これがご依頼の防犯カメラの別アングル映像です。
セキュリティー部門の同期に頼んでプリント画像だけは入手できました。
(陽子)ありがとうございます。
ATMが設置されている場所全体が写っているんですよね?
(山本)はい。
さっき届いて。
私もまだ確認してないんですが。
(山本)もし服部君が誰かと行動を共にしていたならここに写っているかもしれません。
この際嘘をついたことを利用しよう。
えっ?達郎さんと加奈子の夫婦仲はずいぶん前から冷め切っていてまともに会話すらなかった。
だから昇進の話も聞いていなかった。
達郎さんは家に帰ってこない日も多くて外で何をしてるか分からない。
失踪前日の金曜日も実は家に帰ってきていなかった。
でも妻としてそれを言いたくなくて土曜日の昼に達郎さんが出ていったと嘘をついた。
どうして?外に女がいたから。
加奈子は愛人に夫を奪われ揚げ句捨てられた妻。
それを知られたくなかったっていうことにするの。
だからいなくなっても積極的に居場所を捜したいとは思わなかった。
これなら陽子さんも納得する。
(陽子)日比谷支店の方は達郎一人ですね。
(山本)品川支店はこちらになります。
でもお姉さん。
達郎さんに愛人がいたなんて信じるかな?信じさせるしかない。
(山本)あっ…。
もしもし。
(恵津子)陽子?達郎が。
(陽子)えっ?
(恵津子)達郎から電話がかかってきたのよ。
それで達郎は何て?
(恵津子)それが何にも話さないのよ。
ハァ。
お母さん。
それは…。
(恵津子)達郎よ。
私には分かるの。
(恵津子)昨日から何度もかかってきてるのよ。
あの子は私に何かを伝えたいのよ。
(恵津子)《達郎?達郎なんでしょ?》《達郎。
帰ってきて》《大丈夫だから。
何の問題もないのよ》《今どこにいるの?達郎》達郎は日本に戻ってきてるのよ。
・
(従業員)白井さん?あっ。
ごめんなさい。
それで何でしたっけ?
(従業員)蒜蓉豆鼓醤といってトウチとニンニクをごま油で合わせたものです。
こちらがリストと企画書になります。
お薦めのものに付箋をしておきました。
(朱美)すてき。
今度上海の取引先の社長さん家族日本に来るね。
葵百貨店に行きたがってる。
小田さんに商談会やってもらう。
・
(朱美)白井さんも手伝うのことね。
・はい。
・
(朱美)はい。
李商会です。
あっ。
鈴木さん…。
加奈子。
顔色悪いよ。
あっ。
大丈夫。
陽子さんからは?何にも連絡ない。
どうしたんだろう?あの人だったらすぐにでも押し掛けてきて加奈子のこと問い詰めそうなのに。
小田さん。
いますか?
(内藤)あっ。
手塚。
小田は?
(手塚)李商会の李社長に呼び出されてましたよ。
(陽子)李商会?
(内藤)小田の顧客でして池袋のチャイナタウンにある中国食材販売会社です。
中国?
(内藤)あのう。
何か?あっ。
いえ。
ありがとうございます。
ねえ?小田さんって李商会ってとこと親しいの?
(手塚)ええ。
李社長は小田さんがお気に入りなんすよ。
小田さんも慕っててしょっちゅう会ってますよ。
(陽子)李社長ってどういう人?
(手塚)名前は確か李朱美で。
あっ。
上海出身だっつってました。
上海?
(手塚)ええ。
これがめっちゃめっちゃずうずうしくて面の皮が厚いっていうかとにかく強烈な性格してんすよ。
えっ?服部さん?あなた熱ある。
風邪のことですか?
(朱美)今日もういい。
帰るのことです。
すいません。
(手塚)あっ。
小田さん。
さっき服部さんいらっしゃいましたよ。
何の用だったの?
(手塚)さあ?何だったんだろ?李社長のところに行ってるって話ししたらやたら小田さんと李社長のこと知りたがってましたけど。
それで李社長が上海出身だっつったらすげえ勢いで出てって。
(呼び出し音)
(手塚)小田さん?お先に失礼します。
(従業員)お大事に。
ありがとう。
(陽子)李社長。
(陽子)李商会の社長李朱美さんですか?
(朱美)あなた誰?
(陽子)私は葵百貨店の小田さんと仕事をしております服部陽子と申します。
(朱美)あっ。
小田さんの知り合いのことですか?
(陽子)あなたに聞きたいことがあります。
この男性をご存じですか?ずいぶんおしゃれ。
ますます男前。
磨きかかったのことね。
知ってるんですか?
(朱美)もちろん知ってるのことよ。
彼は今どこにいます?
(朱美)上海います。
日本離れて上海行きました。
(朱美)あなたも彼追っ掛けてるのことですか?えっ?
(朱美)三角関係ね。
どういうことですか?
(朱美)小田さんも彼好きのことね。
小田さんとこの男性は付き合っていたんですか?私全部分かるね。
(陽子)はっ。
三角関係つらいのことね。
(朱美)あら小田さん。
また忘れ物?あのう。
加奈子は?
(朱美)熱ある。
帰しました。
あっ。
小田さん。
電話くれてたのことね。
私裏で仕事してたから気付かなかった。
あのう。
李社長。
服部陽子という女性が来ませんでしたか?
(朱美)服部陽子。
ああ。
さっき来た来た。
彼女に何を話しましたか?林さんの写真見せられて「知ってるか?」と聞かれた。
「知ってる」と答えた。
他には何を?今どこにいるか聞かれた。
「上海帰った」言いました。
林さんモテモテね。
あの人上海まで追い掛けていくかもしれないよ。
小田さんも急がないと。
それで服部さんは?あの人話している途中突然走りだしていなくなったのことね。
えっ?
(朱美)上海行きのチケット買いに行ったのかもしれないね。
どうしたのことですか?もしまた彼女が訪ねてきたらこれ以上林さんのことはもう話さないでください。
(朱美)大丈夫。
私あなたの味方ね。
以前旦那から暴力を振るわれている親友がいるということを話しましたよね?実はそれは…。
白井さんのことね。
服部陽子は加奈子のDVの旦那とつながってるんです。
(朱美)どういうことですか?なぜ林さん関係してるですか?加奈子を守るためなんです。
お願いします。
・
(鍵の開く音)
(達郎)《ただいま》《遅くまでお疲れさま》《あっ!?達郎さん!?》
(呼び出し音)もしもし?加奈子。
大変なことになった。
陽子さんが李社長のところに来たの。
えっ!?陽子さんは達郎さんの写真を見せて「この人を知らないか?」って。
李社長は何て答えたの?李社長は達郎さんの写真を見て林さんだと勘違いしたの。
それで彼は上海に行ったと答えた。
じゃあお姉さんは達郎さんは上海にいるって思ったよね。
たぶん。
それで?お姉さんは?それが李社長と話してる途中に突然走りだしていなくなったって。
えっ?どういうこと?
(通話の切れる音)
(不通音)もしもし?直美?あなただったのね?
(陽子)あなたにはすっかりだまされたわ。
(陽子)全てあなたが計画したことね?
(陽子)達郎が横領した金を引き出したときどうしてあなたが一緒にいるの?
(陽子)李社長が達郎の写真を見て教えてくれたわ。
あなたが達郎に好意を抱いていたことを。
親友の夫と不倫をしていたら海外にでも逃げてもらうしかないわよね?不倫?
(陽子)あなたが達郎の愛人だったとはね。
あなたは達郎に斎藤順子の口座から1,000万を横領させ中国に逃亡させた。
そして銀行が事件をもみ消すのを待った。
達郎は今どこにいるの?全て分かってるのよ。
私は…。
何も知りません。
(陽子)達郎。
日本に戻ってきてるんでしょ?えっ?会ったのよ達郎に。
さっき。
この池袋のチャイナタウンで。
(陽子)《達郎!達郎!》
(陽子)《達郎!》
(陽子)見失ったけど間違いない。
あれは達郎だった。
白井さん。
林さん!?どうして日本に?あなたに会いたかった。
だから私日本に来ました。
達郎に会わせて。
2016/02/25(木) 22:00〜22:54
関西テレビ1
<木曜劇場>ナオミとカナコ #07[字][デ]【あの人は殺したはず…まさかの男再登場!】
秘密の共犯関係の直美と加奈子に、義姉の決定的な追及が。朱美の疑念も深まっていき—そこへ、目の前から消したあの男が戻って来る。予想し得ない事態に急展開!
詳細情報
番組内容
小田直美(広末涼子)と服部加奈子(内田有紀)は、マンションの防犯カメラの映像を確認すると言って一歩も譲らない服部陽子(吉田羊)と管理人の坂下(ト字たかお)を訪ねるが、住人のプライバシーにかかわる問題だから見せられない、と言われてしまう。直美と加奈子は密かに安堵するが、陽子はあきらめず、なんとか見られるように調整してくれと坂下に迫る。
防犯カメラの映像の保管期間は3週間。数日経てば
番組内容2
証拠は消えるが、陽子の執拗な追跡に、直美と加奈子は不安が募る。加奈子は、当分、働くことは考えないほうがいいだろうと言うが、直美は加奈子の新たな人生のスタートのためには必要だとし、後日、李朱美(高畑淳子)の面接に一緒に出向く。
同じ頃、陽子は、興信所へ駆け込み所員の三枝(前川泰之)に詳細を説明。三枝は、服部達郎(佐藤隆太)が失踪した理由は、仕事だけとは限らない、との見解を話す。
番組内容3
興信所を出た陽子は、達郎の銀行の同僚の山本芳樹(近藤公園)に電話をかけ、あることを依頼する。
別の日、直美は、顧客の斎藤順子(富司純子)の自宅で昼食をごちそうになった。帰ろうとしたところに、山本がやってくる。達郎の行方が分からなくなったため、自分が順子を担当している、と聞いた直美は、銀行が行っている達郎に関する追加調査について探りを入れる。そこで直美は、山本の口から驚きの事実を聞き…。
出演者
広末涼子
内田有紀
吉田羊
○
宮川一朗太
山路和弘
犬飼貴丈
○
富司純子
○
高畑淳子
佐藤隆太
スタッフ
【原作】
奥田英朗「ナオミとカナコ」(幻冬舎刊)
【脚本】
浜田秀哉
【音楽】
ガブリエル・ロベルト
【主題歌】
EXILE ATSUSHI + AI 「No more」(rhythm zone)
【プロデュース】
長部聡介
大木綾子
【演出】
金井紘
葉山浩樹
品田俊介
【制作】
フジテレビドラマ制作センター
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
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