大阪・梅田のJR大阪駅近くの繁華街で乗用車が暴走して歩道に突っ込み、歩行者10人が死傷した事故で、車が現場の約100メートル手前でいったん停止し、約70秒後に急加速する様子が防犯カメラに映っていたことが26日、分かった。運転していた奈良市の会社経営、大橋篤さん(51)=死亡=の体調がこの時に急変した疑いがあり、大阪府警が詳しく調べている。
府警は急性疾患などで大橋さんが意識を失った状態で交差点や歩道に突っ込んだ可能性があるとみている。26日に遺体を司法解剖して詳しい死因を調べるほか、持病の有無など健康状態についても捜査している。
現場近くの店舗に設置された防犯カメラ映像によると、事故発生の数分前とみられる25日午後0時半ごろ、大橋さんの車が交差点の手前約100メートルの直線道路の路肩にハザードランプを点灯した状態で止まった。人の乗り降りはなく、車は約70秒後にハザードランプを点灯したまま急加速。事故現場の交差点の方向へ走り去った。
捜査関係者や目撃者の話によると、急加速した地点の少し先で車が複数回、左側のガードレールに接触した形跡が確認され、周辺には車の部品とみられる金属片が散乱していた。車はそのまま直進して赤信号だった交差点に突っ込み、交差点内と歩道で多数の歩行者をはねたとみられる。周辺に目立ったブレーキ痕は確認されなかった。
事故では、はねられた歩行者10人のうち50代くらいの男性が死亡し、府警が身元を確認中。ほかに28歳とみられる女性が意識不明の重体で、20~70代の男女8人が重軽傷を負った。