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 失業者への職業訓練事業で、国の支援金をだまし取ったとして詐欺罪に問われた指定暴力団道仁会系組長の三笠正貴被告(39)に対する控訴審判決が26日、福岡高裁であった。鈴木浩美裁判長は無罪とした一審・福岡地裁判決を支持し、検察側の控訴を棄却した。

 三笠被告は配下の組員らとともに、福岡県久留米市などの職業訓練校で支援金の受給に必要とされる訓練に受講生が出席したとするうその報告書などを関係機関に出し、計約1600万円を詐取したとして起訴された。

 2015年3月の一審判決は、共犯とされた訓練校元講師の男=詐欺罪で有罪確定=が開校前、三笠被告に「受講生の出席を水増しできる」と話したなどとした捜査段階の供述の信用性を否定し、被告の犯意や共謀を認めなかった。控訴審判決も「開校前に詐欺が計画され、被告が水増しを認めていたとみることはできない」とした。