25日午後5時、シャープの高橋興三社長が東京都港区の同社東京支社の地下ロビーに姿を現した。
報道陣に「納得しているか」と質問されると、「もちろん、決議しています」と無表情のままけむに巻き、社用車で走り去った。
この日、国内電機大手として初めて外資傘下に入る歴史的な決断を下したにもかかわらず、記者会見などは開かなかった。決議事項を公表しただけで、上場企業として説明責任を果たしたとは言い難い。
臨時取締役会は全会一致だったが、直前まで取締役13人の意見は割れていた。
主力取引銀行の“票読み”では、鴻海精密工業派が7人、官民ファンドの産業革新機構派が5人、態度保留が1人だった。3千億円を出資する革新機構に対し全体で約6600億円を投じる鴻海が経済合理性に勝るとした意見が社外取締役を中心に広がっていた。
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