「地元無視」と募る不信感 国民生活センター相模原移転問題
- 政治・行政|神奈川新聞|
- 公開:2016/02/26 02:00 更新:2016/02/26 02:10
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木々に囲まれたキャンプ淵野辺返還地。左上方が国民生活センター(相模原市提供)
政府が国民生活センター相模原事務所(相模原市中央区、約4.5ヘクタール)の徳島県への移転を検討していることについて、市や地元住民らが不信感を募らせている。約40年前、長年負担を強いられた米軍基地の返還地に、同センターの要望を受けて施設を受け入れた経緯があるからだ。市は「国の施策に協力してきた経緯や地元の意思をないがしろにするものであり、到底認められない」と強く移転に反対している。
国民生活センターが立地するのは、1974年に全面返還された米軍基地キャンプ淵野辺(約66ヘクタール)の跡地。
返還に当たり、市は無償による地元優先利用を求めたが、国は10ヘクタール以上の返還地を原則として地元自治体、国・政府機関、処分留保で3等分する「有償3分割」を適用するとした。
地元利用は3分の1のみで、しかも有償となることに市は「基地があることで長い間影響を受けてきた地元への配慮がなされていない」と反発し、撤回を要求した。
厳しい交渉を進める中、77年に同センターから市へ施設建設の要望があった。市や市議会、自治会連合会などでつくる米軍基地返還促進市民協議会で議論を重ねた結果、消費者問題の緊急性・重要性を考慮し、78年に3分割問題とは切り離して了承するとした。
こうした経緯がある同センターに今回の移転問題が降ってきた。自治会連合会は今年1月下旬、市に対して移転反対の要望書を提出。田所昌訓会長は「移転の対象となること自体おかしい。国に不信感を覚える」と憤る。
市議会は臨時会議を開き、移転反対の意見書案を全会一致で可決。これを受け、加山俊夫市長は2月9日に内閣府を訪れ、「市全体の総意」として移転対象から除外するよう政府に要望した。
長年にわたり基地の負担を強いられてきた市には、現在も三つの米軍基地が所在する。まちづくりへの大きな障害と感じている市や市民にとって、苦渋の決断で返還地に同センターを受け入れた経緯を無視するような動きは看過できない。
当時、市渉外課長としてキャンプ淵野辺返還に携わった柚木敬さん(85)は「市や市民のためにもなる施設ということで、受け入れた意味合いがあったと思う」と振り返り、「今も有効利用されているので移転してほしくない」と強調した。
国民生活センターが立地するのは、1974年に全面返還された米軍基地キャンプ淵野辺(約66ヘクタール)の跡地。
返還に当たり、市は無償による地元優先利用を求めたが、国は10ヘクタール以上の返還地を原則として地元自治体、国・政府機関、処分留保で3等分する「有償3分割」を適用するとした。
地元利用は3分の1のみで、しかも有償となることに市は「基地があることで長い間影響を受けてきた地元への配慮がなされていない」と反発し、撤回を要求した。
厳しい交渉を進める中、77年に同センターから市へ施設建設の要望があった。市や市議会、自治会連合会などでつくる米軍基地返還促進市民協議会で議論を重ねた結果、消費者問題の緊急性・重要性を考慮し、78年に3分割問題とは切り離して了承するとした。
こうした経緯がある同センターに今回の移転問題が降ってきた。自治会連合会は今年1月下旬、市に対して移転反対の要望書を提出。田所昌訓会長は「移転の対象となること自体おかしい。国に不信感を覚える」と憤る。
市議会は臨時会議を開き、移転反対の意見書案を全会一致で可決。これを受け、加山俊夫市長は2月9日に内閣府を訪れ、「市全体の総意」として移転対象から除外するよう政府に要望した。
長年にわたり基地の負担を強いられてきた市には、現在も三つの米軍基地が所在する。まちづくりへの大きな障害と感じている市や市民にとって、苦渋の決断で返還地に同センターを受け入れた経緯を無視するような動きは看過できない。
当時、市渉外課長としてキャンプ淵野辺返還に携わった柚木敬さん(85)は「市や市民のためにもなる施設ということで、受け入れた意味合いがあったと思う」と振り返り、「今も有効利用されているので移転してほしくない」と強調した。
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