厚生労働省は2016年1月29日、2016年度の公的年金支給額を前年度と同額に据え置くと発表しました。
据え置きは13年度以来、3年ぶりで、これは年金受給層への3万円のバラマキと同じで、参議院選挙対策でしょう。
これにより、年金支給額を抑制する「マクロ経済スライド」も発動しないことになっています。
ところが、今朝の東京新聞の朝刊に、再来年2018年から高齢者への年金支給額の抑制を強化する法案が今国会に提出されるとなっています。
前提として、高齢者への年金給付は物価や賃金の変動に合わせて毎年度改定され(マクロ経済スライド)、ただ物価が下がるデフレ時には、給付が低くなり過ぎないように、この仕組みを適用しないことになっています。
これに対して、改革案では、デフレ時に見送った「抑制分」を翌年度以降に繰り越し、景気回復で物価や賃金が上昇局面に転じたら、まとめて適用して年金を下げる仕組みにするというのです。
アベノミクスが失敗して、またデフレ経済に逆戻りすることを見越しての法案なのでしょう。
年金の運用を株式に当てる率を倍にして、株価下落で年金運用で大損を出している中、どの面下げて年金の支給額を抑制する案を出してくるのでしょうか。
年金支給年齢もどんどん上げられていて、私がもらえるはずのころには75歳になりそう。こっちの寿命が先に尽きてしまいます。
年金を当てにできずに、老後の生活設計をしなきゃいけないんですが、無理ですな。あきらめるしかない。
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政府が今国会に提出する年金制度改革関連法案の全容が二十五日、分かった。将来世代が受け取る年金水準を確保するため、高齢者への給付を抑える「マクロ経済スライド」という仕組みを二〇一八年度から強化。パート従業員らの厚生年金加入を拡大し、一六年十月から、労使の合意があれば従業員五百人以下の企業でも可能にする。
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)への合議制導入など、組織改革は一七年秋に実施。自民、公明両党の党内手続きを経て、三月上旬にも閣議決定する。
高齢者への年金給付は物価や賃金の変動に合わせて毎年度改定される。マクロ経済スライドは、物価などの伸びよりも給付を低く抑える仕組みで、少子高齢化対策で〇四年に導入された。ただ物価が下がるデフレ時には、給付が低くなり過ぎないように、この仕組みを適用しないルールだ。これまでは一五年度しか実施されていない。
改革案では、デフレ時に見送った「抑制分」を翌年度以降に繰り越し、景気回復で物価や賃金が上昇局面に転じたら、まとめて適用する仕組みにする。
パートなど短時間労働者は一六年十月から、従業員五百一人以上の企業で厚生年金への加入が決まっているが、従業員五百人以下の企業でも労使の合意で加入できるようにする。自営業者や非正規労働者が加入する国民年金では、一九年度から女性の出産前後計四カ月間の保険料納付を免除。財源として全体の保険料を月百円程度値上げする。
年金積立金を株式や債券で運用するGPIFの組織改革は一七年十月に実施。理事長に権限や責任が集中する体制を改め、新設の「経営委員会」が資産構成割合などの重要事項を決める合議制とする。焦点だった株式の直接売買解禁は見送った。
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