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遅読家のための読書術
【第3回】 2016年2月26日
著者・コラム紹介バックナンバー
印南敦史 [書評家・フリーランスライター]

「本を読むのが遅い人」に共通する、たった1つのこと
「100%を写しとる」から「1%にめぐり合う」へ

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「ライフハッカー[日本版]」「NewsWeek日本版」などのニュースサイトに、月60本近くのブックレビュー記事を寄稿し、年間700冊以上の読書量を誇る人気書評家の印南敦史氏。そんな多読生活を送る彼も、数年前までは「1ページ5分」かかるほどの超・遅読家だったという。

遅読にもかかわらず、毎日1本の書評を書くことになった彼がつかんだ、新時代の読書術「フロー・リーディング」とは? 最新刊『遅読家のための読書術』の内容をベースに、「読書スピードの遅さ」や「読書量の減少」に悩む人たちにお届けする。

印南氏によれば、遅読家というのは「本文を目で追う速さ」や「文章を理解する力」がない人のことではないのだという。そこに原因があると考えている限り、読書スピードを上げることは絶対にできない。その理由とは?

これまでの連載

▼連載 第2回▼
いま「本が読めない人」が増えているのはなぜ?

▼連載 第1回▼
「1ページ5分」だった遅読家が
「1年で700冊」読破できた理由

「その1冊」を読んだのは
「その1行」に出会うため

 「本とは、『著者の頭の中身』を忠実に再現したもの」
「読書とは、それを自分の脳に忠実にコピーすること」

このような考えに縛られている限り、どこまでも読書とは「本の内容を覚える行為・忘れない行為」であり続けるでしょう。
その結果、多くの人たちはストレスを感じながら、本の内容を頭の中に詰め込もうとがんばっているわけです。

しかも(非常に残念なことに)熟読して覚えた「つもり」になっていることの多くは、時間の経過とともに(しかもごくごく短時間のうちに)記憶から消え去っていきます。

結局のところ、「すべてを頭に叩き込むことを前提とした読書」ほどムダなものはないのです。

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印南敦史(いんなみ・あつし) [書評家・フリーランスライター]

株式会社アンビエンス代表取締役。
1962年東京生まれ。広告代理店勤務時代に音楽ライターとなり、音楽雑誌の編集長を経て独立。
「1ページ5分」の超・遅読家だったにもかかわらず、ビジネスパーソンに人気のウェブ媒体「ライフハッカー[日本版]」で書評欄を担当することになって以来、大量の本をすばやく読む方法を発見。
その後、ほかのウェブ媒体「NewsWeek日本版」「Suzie」「WANI BOOKOUT」などでも書評欄を担当することになり、年間700冊以上という驚異的な読書量を誇る。
著書に『プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術』(KADOKAWA)のほか、音楽関連の著書が多数。


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