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 昨年12月に米カリフォルニア州で起きたテロ事件で使われたiPhone(アイフォーン)のロック解除をめぐり、米アップルは25日、同州の連邦地裁に対し、ロック解除を求めた裁判所命令を取り消すよう訴える書面を提出した。プライバシーと捜査を巡り、アップルと政府との対立が深まっている。

 アップルは提出した書面で、「(テロ事件の容疑者が使ったiPhoneのロックを解除する)ソフトを作れば、捜査当局は他の事件でも次々とロック解除を求めかねない。犯罪にも悪用されかねず、外国政府が同じような要求をし始めるのも時間の問題だ」などと米政府の要求を改めて拒否。そして、「個人の安全やプライバシーをいかに守るかという議論を途中で切り上げて、政府のやり方を押しつけることはできない」と、米政府が連邦議会での議論を経ずにロック解除を求めたことを批判した。

 アップルは、専門家らでこの問題を話し合う委員会の設置を求めており、早急にロック解除を求める米政府との対立が深まっている。(サンフランシスコ=宮地ゆう)