コーヒーメーカーの底に穴が開いている気がする。
コーヒー中毒なワタクシは、毎日、3~4杯くらい淹れておくのだが、気がついたら量が減っている。
故障して温度が高くなって蒸発しているのではないか?
ワタクシは、1日1回コーヒーメーカーで満タンにコーヒーを淹れておく。それを1日で飲むのだが、淹れたコーヒーが常にカップ1杯分くらい減っている。
どう考えてもおかしいので、我が家で奇妙なことが起こればほぼ間違いなく犯人である容疑者の行動確認をすることにした。すでにお分かりかと思うが、嫁が犯人であるのだが。
嫁は、自分でコーヒーを淹れることはない。理由はカンタンで、食器を洗うという行為自体をしないので、デキャンタを洗う必要のあるこの作業はしないのだ。
だが、コーヒーや紅茶は飲むので、どうしても飲みたくなればインスタントコーヒーを淹れたり、ティーバッグで紅茶を淹れたりする。
ワタクシはある日、コーヒーメーカーに豆や水をセットして、落とし始めたのを見計らって、ウンコをするフリをしてトイレで張り込みを開始した。
容疑者は、コーヒーがすべて落ちると、おもむろにカップを取り出し、ためらうことなくワタクシが淹れたコーヒーを注ぎ始めた。
そして、牛乳と砂糖をたっぷり入れていかにもインスタントで淹れました風の偽装を行っていた。彼女は、悪意を持ってワタクシの淹れたコーヒーを盗んでいたのだ。
ちなみに、嫁から「コーヒーをもらうね~」と一言声を掛けられたことなど一度もない。
ワタクシは怒りに震えながら、D・カーネギー先生の名著「人を動かす」をトイレで手に取った。
幸福な家庭を作る七原則⑥
礼儀を守る
無作法は愛情を破壊する癌だ。それくらいのことは、だれでも知っているはずだが、とかく、家のものに対しては、知らない人に対する場合よりも無作法にふるまう。
「人を動かす」337ページより引用
嫁は、喫茶店で知らない人からコーヒーを盗むだろうか?いやそんなことは決してしないだろう。しかし、ワタクシのコーヒーは密かに盗み続けている。
このことを追及したところで、以前のようにワタクシにツバを吐きかけることになるだろう。最も礼儀を尽くさなければならない相手に、無礼を働き続けているのだ。
ワタクシは無礼者にわからせるために、家の中で四六時中すかしっぺをすることでお返しすることにした。
以来、我が家では定期的に異臭騒ぎが起こることになった。ワタクシは犯人だと疑われても平然とシラを切る。嫁がそうしているように。
コーヒー程度で何を小さいことをと侮るなかれ。無作法は癌なのだから、転移してどんどん愛情を蝕んでいくのだ。
愛情が蒸発してしまうその前に、家族に礼儀正しく接しよう。D・カーネギー先生が本に書く数百年以上前から日本には有名なことわざがある。
「親しき仲にも礼儀あり」