Vimでエディットするにあたり、""で囲まれた部分を''にしたいとか、囲まれた部分の内側を置換したいとか、いい加減テキストオブジェクトを使いこなしたいなと思ったので調べつつ憶えてみる。
Vimのコマンドは何らかの単語の頭文字であるケースが殆どなので、コマンドの意味も纏めてみた。
テキストオブジェクトとは
- オブジェクト単位で選択 object-select text-objects v_a v_i
次のものはビジュアルモードかオペレータコマンドの後でのみ使うことができる一連の コマンドを示しています。 "a" で始まるコマンドは "a" (1つの) まとまりをホワイトスペースを含めて選択します。 "i" で始まるコマンドはまとまりの "inner" (内部) をホワイトスペースを含まずに選択するか、もしくはホワイトスペースのみを選択します。 ですので、"inner" コマンドは常に "a" コマンドより少なくテキストを選択する ことになります。
:help text-objects
より。
端的に言うと、 従来単語の先頭にカーソルをあわせてから cw
としてた所を、
先頭にカーソルをあわせずとも caw
で「単語全体を編集」や、 ci'
で「'で囲われた内部を編集」と出来るナイスなオブジェクトのことである。
オペレータコマンドのおさらい
一応オペレータコマンドのおさらい。
コマンド | 意味 | 操作 |
---|---|---|
c | c hange |
変更 |
d | d elete |
削除 |
y | y ank |
ヤンク |
~ | 大文字/小文字入れ替え | |
g~ | 大文字/小文字入れ替え | |
gu | 小文字にする | |
gU | go Uppercase | 大文字にする |
他にもzf
で折り畳みを作成するなどがあるけどテキストオブジェクトと組み合わせそうにはなさそうなので割愛。
詳細は :help operator
を参照で。
テキストオブジェクトのaとiコマンド
コマンド | 意味 | 対象 |
---|---|---|
a | a n object |
まとまり(記号を含む) |
i | i nner |
まとまりの内側(記号を含まない) |
a + <移動コマンド>
のように指定する。aw
なら "a word", iw
なら "inner word"となる。
移動コマンドの修飾語のような扱いになる。
aとiコマンドの後に利用可能な移動コマンド
コマンド | 意味 | 対象 |
---|---|---|
w | w ord |
カーソル前後の単語 |
W | W ORD |
カーソル前後の単語(ホワイトスペース含む) |
s | s entence |
カーソル前後の文 |
p | p aragraph |
カーソル前後の段落 |
[, ] | カーソル前後の[]block | |
(, ), b | b lock |
カーソル前後の()block |
<, > | カーソル前後の<>block | |
t | t ag |
カーソル前後のtag block. ここでいうタグとはhtmlの<div>...</div> など |
{, }, B | B lock |
カーソル前後の{}block |
", ', ` | カーソル前後の", ', ` quote block |
移動コマンド単体では使い方が良く分からないと思うので次へどうぞ。
テキストオブジェクトの使い方
以下に実際の使い方の一例。
コマンド | 意味 | 対象 |
---|---|---|
daw | delete a word | カーソル前後の単語を削除する |
da( | delete a block | カーソル前後()に囲まれた部分を()も含めて削除する |
di( | delete inner block | カーソル前後の()に囲まれた部分を削除する |
ca( | change a block | カーソル前後()に囲まれた部分を()も含めて変更する |
ci( | change inner block | カーソル前後の()に囲まれた部分を変更する |
das | delete a sentence | カーソル前後の文を削除する |
dat | delete a tag block | カーソル前後のタグを削除する |
最もよく使うのは c
との組み合わせだろう。
ci'
: ''で囲われた部分の変更で既に良く利用している。
s
のsentenceはノーマルモードでは(, )
で移動する単位のもの。
利用するのであれば日頃からVimの文の単位を理解しておきたいところ。
t
がめっちゃ使えそう。と思ったけど、終端タグ </something>
があるタグじゃないとダメなので ci<
などと使い分けが求められる。
Surround.vim
括弧やクォートやタグなどの、文字列を囲むものを簡単に操作するVim Plugin。
テキストオブジェクトとセットで語られることが多いのでこちらも纏めて取り上げる。
Surround.vim の使い方
<オペレータコマンド> + s + <対象の括弧/クォート/テキストオブジェクト> + (<置換, 挿入する括弧/クォート>)
という形で利用する。
英語のSVO型とSVOO型のような形を意識して README.markdown を試すと分かりやすい。
まずはじめに"で括られたテキストを用意する
"Hello world!"
cs"'
とtypeすると、"を'に置換する
'Hello world!'
cs'<span>
とtypeすると、'をspanタグに置換する
<span>Hello world!</span>
cst"
とtypeすると、spanタグを"に置換する
"Hello world!"
ds"
とtypeすると、"を削除する
Hello world!
ysiw]"
とtypeすると、inner wordを[]で囲う
[Hello] world!
cs]{
とtypeすると、[]を{}に置換する *1
{ Hello } world!
yssb
もしくは yss)
とtypeすると、文を()で囲う
({ Hello } world!)
ds{ds{
とtypeすると、括弧を削除する
Hello world!
ysiw<em>
とtypeすると、inner wordをemタグで囲う
<em>Hello</em> world!
V
で行選択後、S<span class='info'>
とtypeすると、行をspan.infoタグで囲う
<span class='info'> <em>Hello</em> world! </span>
あ、これ慣れると最高なやつだ。
c
はcs + <変更対象の括弧> + <変更後の括弧>
で括弧の変更d
はds + <削除対象の括弧>
で括弧の削除y
はys + <括弧で囲う対象のテキストオブジェクト> + 括弧
でテキストオブジェクトを括弧で囲う- ビジュアルモードでの呼び出しは
S
- 他のオペレータコマンド
~
とかは使えない*2
を憶えれば基本はOK.
Surround.vim のカスタマイズ
let g:surround_<ASCII code> = "<% \r %">
と.vimrcに書くと yss<ASCII code>
などで置換できるようになる。*3
もっと詳しくカスタマイズしたければ :help surround
を読めばOK.
まとめ
テキストオブジェクトで括弧内の文字列操作。Surroud.vimで括弧の操作が楽に操作できるんや!!
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