堀込泰三 - こころ,コミュニケーション,モチベーション,仕事術,働き方 11:00 PM
「意欲的な人」から「ウザいやつ」にならないために自問すべき5つの質問
目標を定めて突き進むことは何ら悪くはないのですが、キャリアアップに向けて意欲的な状態と、単に焦っている状態の間には、あいまいな境界線しかありません。では、自分が厚かましくなっていないかを正しく判断するにはどうしたらいいのでしょう。
あなたの身の回りにも、境界線を越えている人が1人はいるでしょう。何度も説明したことなのに、やたらとメールで質問をしてきてあなたの受信箱を乱す人。入社してまだ2カ月なのに、大きな出世を期待している人。自分だったらこうするというコメントをしょっちゅう言ってくる人。そんな輩は、周囲の皆を困らせるだけです。
もちろん、意欲的な状態と不快なほどに厚かましい状態の間に違いがあるのは間違いありません。さらに、過剰に熱心な同僚への対応は、多少の面倒が伴います。でも、あなた自身がそうなっていないか、立ち止まって考えたことはありますか? あなたは、群を抜いてモチベーションが高いのか、はたまた驚くほどウザいのか。
どっちかわからなければ、内省の時間を取ったほうがよさそうです。以下の5つの質問を、自分に問いかけてみましょう。
1. キャリアの土台となる経験を積めているか?
これは、強力な差別化要因の1つと言えるでしょう。意欲的であれば、ミッションを達成するために必要な努力と対策を自ら進んでするはずです。これには時間がかかりますが、長い目で見れば価値あること。しかし、単に焦っている場合、すぐに望み通りの結果が出ることを期待してしまいます。
出世や昇給、あるいは夢の会社への転職を望んでいるなら、時間をかけてでも、欲しいものを本当に手に入れることができているかどうかを自己評価することが大切です。果たして自分は、経営者に昇給を求められるほどの価値を証明できているのか。誰もが夢見る仕事に就けるだけの、経験と資格を持てているのか。それとも、スキルに磨きをかけるために、あと数年の経験を積まなければならないのか。
自分ではどんなに褒められる資格があると思っていても、最初から望むものを手に入れられる人なんてほんの一握りです。だから、自分に正直になって、目標に向けた基礎固めが本当にできているのか、それとも途中のステップをスキップしようとしているだけなのかを考えてください。
2. 自分の努力に対する周囲の反応は?
自分が意欲あるプロか単なるウザいやつか、わからなくても心配はいりません。いずれにしても、同僚があなたに手がかりを与えてくれるはずですから。
同じオフィスの人たちは、あなたに指針や指導、あるいは激励を求めてきますか? それとも、あなたが出した18件のフォローアップメールを、露骨に無視しますか? 同僚との仲は良好ですか? それとも、あなたが休憩室に入ると、また最新情報をしつこく聞かれると思い、急にみんなが解散してしまうような状況ですか? 同僚に3語であなたを説明してもらうとして、どんな単語が使われると思いますか?
自分のことを完全に知ることはできません。だから、あなたの行動に対する周囲の反応に細心の注意を払って、自分の見せ方を上手くする感覚を磨きましょう。それでもわからなければ、親しい同僚に直接、19件目のメールを送るべきかどうかを聞いてみてください。
3. 他人に対して公平で思いやりがあるか?
キャリアのはしごを登るときに、他人を踏み台にしてはいけません。確固たる意欲があるだけでなく、誠実であることも大切な要素です。
「盲目な野心」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。最終目標ばかりに目が行って、周囲が見えなくなっている状態を指します。締め切りまでまだ2日もあるのに、あなたが同僚の1人にレポート提出をしつこく要求していたら、相手はどう思うでしょう。ひょっとすると、彼はほかにもたくさんの重要な、かつ切羽詰まったプロジェクトを抱えているかもしれません。そうだとしたら、あなたの非現実的な要求と期待は、彼のストレスを助長するだけです。
あなただって、そんな周りの見えない人の被害者にはなりたくないでしょう。ですから、あなたの行動に直接影響される人のことを、少しは考えたほうがよさそうです。負の影響を受けそうな人がたくさん思い浮かんだなら、アプローチ方法を考え直すときかもしれません。
4. 今これが必要な理由は?
人間ですから、誰だって焦ることはあります。ですから、今すぐ何かを欲しがっている自分に気づいたら、その理由をはっきりさせることが重要です。そうすれば、自分が現実的な要求をしているのか、単に厚かましいだけなのかがわかります。
たとえば出世。自分が今すぐに出世すべきだと思う理由は何でしょう。「ここにはもう3年もいるので、次なるロジカルなステップとしてこのポジションは最適だ」とか「このようなポジションに就くためにXYZを成功させた」と思えたなら、それは正しい判断でしょう。
一方で、「だってそのポジションが欲しいんだもん」というシンプルで空っぽの説明しか思い浮かばないようであれば、あなたはウザい領域に足を踏み入れているかもしれません。
5. 拒絶にどう対応している?
好き嫌いを問わず、人生には拒絶が付きもの。世界の名だたる成功者たちだって、たくさんの失敗や拒絶を経験しているはずです。
意欲的な人は、自分の道に障害物が置かれていても、歩みを止めることはありません。再び立ち上がり、ほこりを払い、立ち向かうでしょう。一方で、焦っている人は不運な境遇に文句を言い、責任を他人に転嫁し、自己憐憫に浸る傾向があります。
ですから、悲観的に感じるかもしれませんが、目標を達成できなかったときの自分を想像してみてください。めげずに前に進むと思いますか、それとも疎外感を抱くだけですか?
野心のある状態と焦っている状態には、顕著な違いがあります。しかし、それだけ大きな違いがあるのに、その境界線は非常にあいまいです。モチベーションの高い意欲的な人は、一歩間違えると過剰に熱心な厚かましい人になってしまうのです。
ですから、上記5つの質問を自分に問い続け、周囲の人たちからのいら立ったため息や軽蔑の視線を避ける努力が必要です。
How to Know if You're Being Ambitious--or Just Plain Old Impatient|The Muse
Kat Boogaard(原文/訳:堀込泰三)
Image by Sira Anamwong (Shutterstock).
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