記事詳細
【歴史戦 第15部 日韓合意の波紋(下)】
「日本に外交戦で負けた」 韓国社会にくすぶる不満を晴らすかのような出来事が…
韓国メディア東京特派員は「慰安婦問題が国民情緒の中核から脱落することへの恐れの表明ではないか」とみている。
× × ×
日本糾弾の急先鋒だった挺対協とその傘下にいる元慰安婦について、韓国政府関係者も「大きな世論形成力を持つ圧力団体」と指摘、朴政権もこれまで重視してきた。
朴政権は合意後、外務省高官を元慰安婦への説明に当たらせている。生存する元慰安婦のうち挺対協の影響下にある元慰安婦の一部からは激しい抗議を受けたが、16人については「合意を受け入れる」との意思を確認した。
ただ、ソウル駐在経験がある日本の外務省幹部は「朴政権は北朝鮮対応で頭がいっぱいで、慰安婦問題どころではないというのが本当のところではないか」と指摘、冷ややかな視線を送っている。
(敬称略)
◇
この連載は有元隆志、加藤達也、田北真樹子、田中一世が担当しました。