【特集】なぜ今、Xbox Oneで新作STGをリリースするのか…『雷電V』開発者が語るSTGの過去と未来と変化について
多くのシューティングファンの期待を背負った『雷電V』がついにリリースされた。発売前の体験会も好評のうちに終了し、その情報を見たシューティングファンからの反響も高く、伝説のシリーズである『雷電』を、そして新作2Dシューティングの登場を渇望していたことも改めて感じさせてくれた。
また、現状の据え置きハードでは衰退状況にあるシューティングというジャンル、そこに“シューティングブームよ再び!”という気持ちも『雷電V』からは感じるものがあるのも事実だ。そうしたことも踏まえてシューティングの過去も振り返りつつ、なぜ今Xbox Oneでシューティングなのか、その核心に迫る『雷電V』のインタビューをお届けしよう。
──『雷電V』の発売、おめでとうございます! まずは『雷電V』での担当から教えてください。
駒澤:ありがとうございます。MOSSの代表、そして『雷電V』ではプロデューサーを担当している駒澤です。
星野:星野です。『雷電V』ではディレクターを担当しています。
──無事リリースを迎えた『雷電V』ですが、開発期間を振り返ってみていかがですか?
駒澤:本当は『雷電』25周年の昨年にリリースしたかったのですが、色々と新しいシステムや遊び方を採用したことで思っていた以上に開発期間がかかってしまいました。それでも2016年の早い時期に発売することができたのは良かったな、と思っています。
星野:まずは無事完成して良かった、というところですね。新しいことを詰め込み過ぎたので、現場ではスケジュールとやりたいことの両輪でやっていかないといけなかったのでそこは大変でした。特にハードが新しくなるとその分できることも増えるので、あれもこれもやりたいっていうやりがいと、実際にできることの狭間でも苦労しました。
──今回『雷電V』の対応ハードがXbox Oneに決まったこともファンからしても意外な点だったと思います。ハードをXbox Oneにした決め手はなんだったのでしょう。
駒澤:当然Xbox One以外のハードの存在も知った上で決めているのですが、Xbox Oneの持つクラウド機能等のハードが持つ特出した性能と、今回『雷電V』でやりたかった事の親和性が高かったことが決め手ですね。また、Microsoftさんからもこうしたタイトルを強く要望されていたということもありました。
──それは『雷電』というシリーズタイトルに対してなのか、2Dシューティングというジャンルに対してなのか、どちらにでしょうか。
駒澤:そこは両方だと思います。MOSSではXbox 360で『雷電IV』をリリースしましたし、Microsoftさんからもシューティングを好きなお客さんに訴えかけたい、という気持ちを強く感じていたので。
──開発期間について聞きたいのですが、実際にはどのくらいかかった感じでしょうか。
駒澤:『雷電V』の企画が立ち上がって公式に発表をしたのがちょうど2年前なので、約2年という感じですね。アーケード版『雷電IV』から9年、Xbox 360版『雷電IV』から7年経過していて、純粋な『雷電』シリーズの新作は10年近く振りになるんですが、やっと出せることになったな、という感じです。
──改めて前作から9年も空いていることに驚きますが、『雷電V』自体はずっと作りたいと思っていたタイトルなんでしょうか。
星野:駒澤のほうは常に作りたいとは言っていたんですよ。でも新しい要素がなくてグラフィックが綺麗になっただけの新作『雷電』を作っても仕方ない、ということも同時に言っていたんです。シューティングはシンプルなので、そのシンプルさが売りの『雷電』で「アイテムが増えました」だけの新作を作ってもあまり面白くないし、作るのであれば新しい『雷電』であり、新しいシューティングの形を見せたい、というのが9年も空いた理由だと思います。
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