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美瑛町の名所の木 農家が伐採

02月25日 18時57分

美瑛町の名所の木 農家が伐採

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美しい丘や畑の風景で道内有数の観光地になっている上川の美瑛町で、写真撮影の名所となっていたポプラの木が24日、所有者の農家によって伐採されました。
無断で畑に入り込む観光客が多かったことなどが原因で、所有者は「残念だが仕方なかった」と話しています。
このポプラの木は、美瑛町の観光名所の一つとして知られる「哲学の木」です。
所有者の農家の男性によりますと、24日、重機を使って木を倒し、農地から運び出したということです。
「哲学の木」には、1年を通して、多くの観光客や写真の愛好家が訪れていましたが、畑に無断で入り込み、作物を踏み荒らす人が相次ぎ、3年前には所有者の農家が幹にバツ印を付けるなどしてマナーを守るよう訴えていました。
所有者の男性によると、その後も畑に入る人が後を絶たず、農作業の障害になっていたことや、木が古くなって枝が落ちるなど危険になっていたため、伐採を決断したということです。
所有者の男性は「残念だが農業を続けるうえで、仕方がないと考えた。木が切られるのを見ていると涙が出てきた。観光客はもっとマナーを守ってほしい」と話していました。
兵庫県から来た20代の女性は、「すごく残念です。農家の事情はわかりますが、遠くから見に来る人もいるので、やりすぎのようにも感じます」と話していました。
また札幌市から写真を撮りにきた40代の男性は、「農家の事情を考えると、仕方ないと思いますが、美瑛に来たときはいつも哲学の木を撮っていたので残念です。これまで撮らせてくれて、ありがとうという気持ちです」と話していました。
美瑛町観光協会の冨田敏博事務局長は、「観光客のマナーについてこれまでも巡回活動やチラシの配布など、さまざまな方法で啓発してきただけに残念だ。美瑛町の景色というのは、農家の皆さんの畑で形成されている。農産物の生産の場を踏みにじることがないよう、観光客の皆さんはマナーを守って、美瑛を楽しんでほしい。これを契機にマナー違反者が減ってほしい」と話していました。
美瑛町では外国人観光客の急増もあって年間およそ180万人の観光客が訪れますが、写真撮影のために無断で畑に入り込む人が相次いでいて、町や観光協会などには観光と地元の人たちの暮らしをどう両立させていくのか一層の対策が求められることになります。

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