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脳死判定の女の子 両親が臓器提供承諾の思いつづる
2月25日 15時56分

脳死判定の女の子 両親が臓器提供承諾の思いつづる
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インフルエンザの症状が悪化し、23日に東海地方の病院で脳死と判定された6歳未満の女の子の両親が、臓器の提供を承諾した際の思いをつづった手紙を公表しました。
手紙を公表したのは、インフルエンザのため東海地方の病院で治療を受けていた6歳未満の女の子の両親で、女の子はインフルエンザ脳症の症状が出て、23日に脳死と判定され、肺や肝臓などの臓器を提供しました。
公表された手紙は、臓器の提供を承諾するにあたって娘への思いをつづったもので、女の子の父親は「体調を崩してからお父さんとお母さん辛くてね。毎日毎日神様にお願いしました。でもね、どうしてもお父さんと入れ替えることはできないんだって。もう目を覚ますことはできないんだって」などと、突然、病気に娘を奪われた悲しみをつづっています。
そのうえで、「先生からの説明で今のお父さんやお母さんみたいに涙に暮れて生きる希望を失っている人の、臓器提供を受けなければ生きていけない人の希望になれることを知りました。もしその人たちの役に立てるなら、それは素晴らしいことだと思ったんだよ」などと娘に語りかけています。
インフルエンザ脳症は、発熱などインフルエンザの症状が出始めてから数時間から1日ほどの短い間に、けいれんや意識障害などの神経症状が表れるのが特徴です。6歳未満の子どもに多く、国内では毎年100人から300人がインフルエンザ脳症になり、死亡率は10%を超えるとされます。
日本臓器移植ネットワークによりますと、女の子から提供された臓器は、25日、肺が、岡山大学病院で10歳未満の男の子に、肝臓が、国立成育医療研究センターで10歳未満の女の子に、腎臓が、静岡県立総合病院で40代の男性に、それぞれ移植されました。

両親の手紙 全文

Aちゃんが体調を崩してからお父さんとお母さん辛くてね。毎日毎日神様にお願いしました。目に見える物全てに、お山に行ってお願いして、川が見えればお願いして、海に向かっても…いろいろ神社なんかも夜中に行ってお願いしました。最後には落ちている石ころさんたちにもお願いしたんだよ。でもね、どうしてもAちゃんとお父さんを入れ替えることはできないんだって。もう目を覚ますことはできないんだって。もう長くは一緒にいられないんだって。お父さんとお母さんは辛くて辛くて、寂しくて寂しくて泣いてばかりいたけれど、そんな時に先生からの説明でAちゃんが今のお父さんやお母さんみたいに涙にくれて生きる希望を失っている人の、臓器提供を受けなければ生きていけない人の希望になれることを知りました。
どうだろう?Aちゃんはどう思う?いやかな?お父さんやお母さんは悩んだ末、Aちゃんの臓器を困っている人に提供することを決めました。
もしいやだったらゴメンね。お父さんもお母さんも臓器を必要としている人がたくさんいて、その人を見守る人たちがどんなにか辛く苦しい思いをしているか知っています。もしその人たちにAちゃんが役に立てるなら、それは素晴らしいことだと思ったんだよ。
一人でも人の命を救う。心を救う。ってすごく難しいことでお父さんもできるかわからない。だけど、とても素晴らしく、尊いことなんだよ。もしAちゃんが人を救うことができたり、その周りの皆さんの希望になれるとしたら、そんなにも素晴らしいことはないと思ったの。こんなにも誇らしいことはないと思ったの。Aちゃんが生きた証じゃないかって思ったの。今のお父さん、お母さんみたいに苦しんでいる人が一人でも笑顔になってくれればどんなに素晴らしいだろうと思ったの。そして、その笑顔はお父さんやお母さんの生きる勇気にもなるんだよ。
いつも周りのみんなを笑顔にしてくれたAちゃんだから、きっとまた世界の笑顔を増やしてくれるよね?命は繋ぐもの。お父さんとお母さんがAちゃんに繋いだようにAちゃんも困っている人に命をつないでくれるかな?願わくば、お父さんとお母さんがAちゃんにそうしたように、AちゃんもAちゃんが繋いだその命にありったけの愛を天国から注いでくれると嬉しいな。
お父さんより

お母さんを
もう一度
抱きしめて
そして笑顔を見せて
お母さんより

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