株式投資をスタートする際に、まずは書籍などから学んでみようと書店などで書籍を手にすることがあると思います。しかし、投資関連の書籍は値段も高く、似たような内容のものも多いです。
また、いろいろな投資手法なども存在するため、書籍を選ぶにしても何を読んでいいか迷ってしまう人も多いでしょう。
この記事では、これから投資を始める人のための入門的な知識から、すでに始めていてさらにステップアップをしていきたいと考えている人のためのハイレベルな知識までを得ることが出来るよう、入門編から順に本をご紹介しています。
自分のレベルや投資スタイルに合わせて本を読みすすめていくことで、株式投資で勝てるようになるための知識を得られるように選んであります。
・ベース「いちばんカンタン!株の超入門書 改訂版」
基礎:
・経済「知らないと損する 池上彰のお金の学校」
・ローソク足「相場に勝つローソク足チャートの読み方」
・リスク管理「伝説のトレーダー集団 タートル流投資の魔術」
実践:
◆短期投資
・テクニカル分析「実戦相場で勝つ! 株価チャート攻略ガイド」
・テクニカル分析「株価チャート練習帳」
◆長期投資
・ファンダメンタルズ分析「ファンダメンタル投資の教科書」
・ファンダメンタルズ分析「株式投資 長期投資で成功するための完全ガイド」
ハイレベル:
・短期投資「欲望と幻想の市場」
・長期投資「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」
・メンタル「ゾーン — 相場心理学入門」
◆◆入門編◆◆
▼投資の基本中の基本
「いちばんカンタン!株の超入門書 改訂版」
(安恒理著、高橋書店、定価1,300円+税)
まさに、初心者向けの株式投資本です。
初心者が学ぶべき基本的な知識をオールカラーページで図を多く使って丁寧に解説してくれているため、非常に分かりやすく読みやすい内容となっています。
具体的には、「投資ってなんなの?」というところから始まり、株の基本用語や、株式口座の作り方、注文方法、チャートの見方、銘柄選定や一般的な売り買いのタイミングまで、儲けのポイントをしっかり押さえて解説されています。
この本を読めば、株の基本知識が身につけるだけでなく、基本作業(注文方法やチャートの見方)の手引書にもなっているので、多くの株式投資初心者が感じる不明点や不安は解消されます。
株式投資の入門書の中でも、群を向いてわかりやすい内容のため、おすすめです。
◆◆基礎編◆◆
▼経済についての知識を得る
「知らないと損する 池上彰のお金の学校」
(池上彰著 、朝日新書、定価821円税込)
お金を中心とした経済に関する一冊です。経済の動きが株式市場に与える影響力はとても大きいため、株式投資をするならば、経済について一定の知識を身に着けていることは、勝率をあげるためにかなり重要となります。
本書では、初心者向けに株、債券、FX、金利、インフレ・デフレなど、投資に関するニュースや新聞などで見かけるお金についての用語の解説からはじまり、その他にもかなり広くお金についての仕組みをわかりやすく簡潔に説明してあり、この本を読めば経済についての基礎力を身に付けることが出来るでしょう。
ただ、日頃から経済やお金のことに関心があり、一定以上の知識のある人からすると、内容が物足りなく感じてしまうと思われるので、今までそういったことには全く無関心であったという人にぴったりの基礎の基礎が詰まった内容です。
同時に、著者の経済学入門書である『池上彰のやさしい経済学 1,2』も読むと良いかもしれません。経済について「難しそう」と抵抗がある向けの本です。
▼株式投資をするなら絶対必須のローソク足
「相場に勝つローソク足チャートの読み方」
(小沢實著、日本実業出版社、定価1,400円+税)
株式投資をするなら、まずは「チャートを読める」ということが必須です。そのチャートを読むためには、ローソク足を知っていることが前提となります。このローソク足についての基礎を学ぶことが株式投資の勝率を上げるための近道となります。
本書では、ローソク足の基本的な読み方から、ローソク足を読むことで、相場が何を表しているのかということ、さらにはその場面での投資家の心理状態はどのようなものかなどを、初心者向けにかなり分かりやすく解説しています。
また、ローソク足の型についても、相場の色々な場面に応じて56種類ものパターンを使って体系的に解説しているため、チャートを目の前にしたとき、他の投資家が何を考え、これからどう動くかを理解することができ、「自分の行動をどうすれば勝てるか」といったところ分かるようになる一冊です。
ローソク足のみにテーマを絞った書籍はかなりめずらしいため、ローソク足について詳しく学びたい人には特におすすめです。
▼まずは勝つより負けないことを学ぶリスク管理
「伝説のトレーダー集団 タートル流投資の魔術」
(カーティス・フェイス著、徳間書店、定価1,700円+税)
投資をする上で「非常に大切なことはリスク管理」ということがしっかりと実感できる一冊です。
投資を初めて、まず一番に学ばなくていないことは「勝つこと」ではなく、「大きく負けない」ことです。負ける時は小さく、勝つ時はとことん大きく、つまり「損小利大」を目指したリスク管理を徹底する必要があります。
本書では、継続的に利益を上げることが出来る投資家になるための、リスク管理について「最大でどれだけの枚数をリスクにさらしてよいか」という指標での説明などや計算式を用いて、分かりやすく解説されています。
このタートル流の手法は大きく利益を上げている投資家のほとんどが何らかの形でトレードに用いていると言えるくらい有名で使える手法です。
また、「トレードをする上でのルールを守る」ことについても書いてあるので、初心者はもちろん、中級者にも日常のトレードの気づきになるおすすめの一冊です。
◆◆実践編◆◆
▼短期投資・テクニカル分析
「実戦相場で勝つ! 株価チャート攻略ガイド」
(藤本壱著、自由国民社、定価1,650円+税)
投資では必要不可欠のチャート分析について、主要のテクニカル指標40種の見方や使い方、さらには売買サインまでもが分かる一冊。
本書は、チャート分析を使うにあたって「このテクニカル指標が相場に対してどういうことを表しているのか」や「どういう時にどのテクニカル指標を使えば有効に活用できるのか」を詳しくわかりやすく解説しています。
チャートを見ていて浮かんだちょっとした疑問の解決など、実際にチャートを見ているときの調べ物として使うことが出来る、「チャートの取扱説明書」のような大変便利な本です。
これから株式投資に挑戦しようと思っている初心者の人はもちろんのこと、すでに株式投資を始めていてもっと利益を得たいと思っている人も知識を得ることが出来る解説になっており、株価チャートの基本がしっかりと学べるので、株価チャートが根拠をもって読めるようになる練習にももってこいです。
主に日足を使っての解説になっているため、デイトレードやスイングトレードなど、頻繁にチャートを利用する売買スタイルの人や、これからそのようなスタイルで売買する予定の人には特におすすめです。
▼短期投資・テクニカル分析
「株価チャート練習帳」
(秋津学・チャート研究会著、東洋経済新報社、定価1,600円+税)
本書は、各章ごとに「ローソク足」「移動平均線」「出来高分析」に焦点を当て、基本的な知識から活用方法の解説と、実際のチャートを使った練習問題(52問収録)で構成されています。
本書の一番の利点は、知識や技術しっかり吸収できたかどうかを確認できる練習問題がついていることです。練習問題の解説の中で、チャートが騙しになる例と、その対処法についてもきちんと解説してあるため、かなり実用的な問題集となっています。
ここに掲載されている問題を明確に解答できれば、ある程度のチャート分析力が見に付いていると思っていいでしょう。また、本書はメンタル面についての解説も非常に充実しており、どのようなことがおきてもいかに冷静でいられるかを教えてくれているため、実践をするにあたっての心構えも学ぶことが出来ます。
ただ、こちらの本は、株式投資を始めて少し経ったくらいの初級者を対象にしているので、まだ全く勉強をしていないこれから株を始める超初心者の人には、解説などが少しわかりにくい内容かもしれません。また、解説部分は基本的なことが多いので、中上級者には物足りないかもしれませんが、練習問題が充実しているため知識を構築するためには十分参考になる一冊となっています。
▼長期投資・ファンダメンタルズ分析
「ファンダメンタル投資の教科書」
(足立武志著、ダイヤモンド社、定価1,700円+税)
公認会計士兼個人投資家の著者が書いたファンダメンタル投資の解説書です。自分で銘柄を選んで中長期(数カ月から2~3年程度)投資したい人におすすめの一冊です。
決算書の見方や四季報の活用方法について、実際の企業の例が多く出されていて、図表等でも解説されていたり、銘柄の選び方から売るタイミングまで分かりやすく丁寧に書かれているため、初心者でもきっちり理解が出来て、その知識を実際の銘柄選択や売買で使いこなせるよう記載されている非常に実践的な株式投資の教科書です。
銘柄選びから、買って売るまでのすべてをサポートしてくれる非常に優秀な一冊です。
▼長期投資・
「株式投資 長期投資で成功するための完全ガイド」
(ジェレミー・シーゲル、石川由美子著、日経BP社、定価2,400円+税)
アメリカの大学で金融論を研究する著書が、200年という長期のデータを用いて、米国を中心に日本を含めた先進国のデータを引きながら、株式の長期投資について様々な考察をした一冊です。
本書で言う長期とは2年3年ではなく、10年、20年の期間を指しています。日々の短期的な売買に役立つような小手先のテクニックではなく、長く株式投資を続けていくための軸となる手法を具体的に解説しています。
自分の力では一生かかっても集められない価値ある情報が詰まっているため、長期投資を考えている人や、すでにしている人には一度は読んでもらいたい一冊です。
◆◆ハイレベル編◆◆
▼短期投資「欲望と幻想の市場」
(エドウィン・ルフェーブル著、東洋経済新報社、定価2,200円+税)
伝説の投機家、ジェシー・リバモアの自伝を小説形式にした一冊で、相場関連の書籍は毎年多数出版されますが、本書は100年近くたってもまだ買われ続けている名作です。
初心者に向けた情報に飛びついてしまうこと怖さや、中上級者に向けた相場をする者の心の持ち方、失敗からの学び方、知識を知恵に、技術を技能に変えるヒントが本書のいたるところで描かれています。
自分のレベルに合わせて役立つ部分は違って来ますが、上級者までもが相場に必要なエッセンスをこれ一冊で、ほぼ感じることができます
▼長期投資「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」
(メアリー・バフェット著、日本経済新聞出版社、定価1,700円+税込)
「株価」ではなく、「企業」を買いたいと思っている投資家には、必ず読んでもらいたい一冊です。
例として取り上げている企業は20年近く前のものではありますが、本質的な部分で言えば普遍的な内容なので、全く問題ありません。株式指標についてもEPS,PERなどよく使われるものばかりしか用いられていなく、また、13項目からなる企業分析とそのケーススタディが解説されていて、最後までわかりやすい構成になっています。
また、投資銘柄を決定するまでのプロセスが練習問題となっていて、理解も十分にしながら読み進めていくことが出来ます。
デイトレードやスイングトレードといった短期投資スタイルの人も企業への投資という観点から読んでおいて損はない内容となっています。また、企業のファンダメンタルズへの投資・長期保有をしたい人は必ず読んだ方が良い本です。
▼メンタル「ゾーン — 相場心理学入門」
(マーク・ダグラス著、パンローリング、定価2,800円+税)
本書の目的は、「一貫性のある勝つトレーダーになる」ことです。トレードにおけるメンタル面の重要性を力説した一冊で、具体的なテクニックについての言及はありません。
チャートや図表なども一切なく、翻訳もかなり読みにくいので、最後まで読むこと自体が試練な内容ですが、勝つための近道を求めずに、安定して勝てるように自己改善を取り組んでいきたいなら、是非とも読んでみるべき一冊だと思います。
もし、あなたがトレーダーとして生きていくのなら一生手元においておくべき、トレーダーの聖書です。
◆◆まとめ◆◆
この記事ではレベルや投資スタイル別に書籍をご紹介しましたが、当然ですが、これのどれか一冊を読めばいいというわけではありません。また、他の書籍を何十冊も読めばいいというわけでもありません。まずは、自分のレベルやスタイルに合わせた書籍を選び、これらの投資の道でのステップアップのための基礎固めをするという姿勢で読んでください。
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