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 厚生労働省と川崎市は25日、ブラジルに滞在歴のある市内の10代の男性がジカウイルス感染症(ジカ熱)と診断されたと発表した。国内で感染が確認されたのは、世界保健機関(WHO)が2月1日に緊急事態を宣言して以降では初めて。男性はブラジルで感染したとみられるという。

 厚労省によると、男性は今月9日から20日までブラジルに滞在。20日に発熱し、22日に発疹の症状が出た。24日に神奈川県内の医療機関を受診した後、国立感染症研究所による検査で感染が確定した。現在は自宅で療養している。すでに熱は下がり、状態は安定しているという。

 男性と一緒に旅行した人や家族については、厚労省は必要があれば今後、健康状態などを聞き取る。念のため検査も実施し、感染の有無を確認する。

 ジカ熱が国内で確認されたのはこれで4例目。これまでの3例はいずれも海外で感染していた。

 ジカ熱は主に、蚊が感染者からウイルスを含んだ血液を吸い、別の人を刺すことで感染が広がる。8割は症状が出ないとされる。ただ、妊婦が感染すると、小頭症の子どもが生まれる可能性が指摘されている。海外では性行為で感染したと疑われる報告もある。

 厚労省は今月、ジカ熱を感染症法の「4類感染症」に指定、患者を診察した場合はすべて保健所に報告することを医師に義務付けた。