新華網など中国メディアは、日本の野田佳彦首相が19日の日韓首脳会談時に朝鮮半島の古典書籍5冊をイ・ミョンバク(李明博)大統領に返還することを伝えた。

 記事は、返還する書籍が朝鮮王朝時代に行われた祭礼などの活動に関する文章や絵画が収録された『朝鮮王室儀軌』3冊、朝鮮王朝の歴代君主が書いたとされる詩文集『正廟御製』の2冊の計5冊であると説明。1910年の日韓併合条約を取りあげ、「これらの書籍は日本による朝鮮半島植民統治期に、日本側の手に渡ったもの」とした。

 また、2010年8月に菅直人首相(当時)が日韓併合条約100周年に際し「日本による植民統治に反省と謝罪の意を示す」と発言するとともに、日本政府が保管する朝鮮半島由来の古典書籍の返還準備を進めているとコメントしたことを紹介した。

 中国では近年、19世紀以降国外に流出した古典書籍や宝物の回収を目指す動きが広がっている。(編集担当:柳川俊之)