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【関西の議論】「給料最低」「外資の経験生かせぬ」3カ月で辞めた38歳・公募民間校長がぶちまけた“不満の中身”…謝罪なし、児童たちは泣き出した

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【関西の議論】
「給料最低」「外資の経験生かせぬ」3カ月で辞めた38歳・公募民間校長がぶちまけた“不満の中身”…謝罪なし、児童たちは泣き出した

 千葉氏によると、このころから市教委への違和感を抱いていたという。「面接は雇用する側、される側がお互いを判断する場。具体的な質問を用意していたが、私から質問できず、不思議な面接だと思った」。

 民間人校長たちと給与を見せ合ったとき、30代の千葉氏が一番給料が安かったことにも「年齢だけで有無を言わさずに最低。研修成果は評価されない年功序列の組織」と納得できなかった。そしてくすぶっていた不満は小学校着任後、退職を決意するほどに強まった。

 「市教委に対して市立学校の英語教育の強化を訴えてきたが、配属された学校では基礎学力の習得という優先課題があり、自分の力を活用できない」

 辞意を市教委に伝えたのは5月中旬、着任から1カ月半の即決だった。「市教委が校長を公募して大阪の教育をどう進めるのかビジョンが見えず、(自らの退職は)市教委への問題提起になる」。会見でときおり笑みを浮かべ、饒舌に語る千葉氏の姿は関係者の間に不快感を広げた。

 市教委によると、保護者や市民から苦情の電話やメールが相次いでおり、「報道で千葉氏の言動を知り、『なんだあいつは』などと批判する声が多い」(人事担当者)という。

 同じ民間人校長で梅香小(此花区)に配属された玉川実二氏(53)も「非常に遺憾。自分のことよりも、子供に何をしてあげればいいかを考えなければいけない」と批判した。

マッチングは「困難」

 「今回の件で公募制度が失敗とは思わない。外からの意見が教育現場に入ってくる方向性を目指す」

 昨年7月に市立学校活性化条例を成立させ、校長ポストに公募の門戸を開いた橋下市長は千葉氏を「無責任」と批判する一方で、公募制度の意義を強調する。

中途採用、しっかり判断していない組織

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