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【関西の議論】「給料最低」「外資の経験生かせぬ」3カ月で辞めた38歳・公募民間校長がぶちまけた“不満の中身”…謝罪なし、児童たちは泣き出した

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【関西の議論】
「給料最低」「外資の経験生かせぬ」3カ月で辞めた38歳・公募民間校長がぶちまけた“不満の中身”…謝罪なし、児童たちは泣き出した

 生き馬の目を抜く外資系証券会社を渡り歩いた校長の見切りの早さに、児童は泣いた。大阪市教委の公募で採用された市立小学校の38歳の民間人校長が6月、着任から3カ月足らずで退職した。記者会見では謝罪の言葉はなく、「体験を生かせる学校ではなかった」「給料が校長の中で最低」と不満をぶちまけた。時折笑みを浮かべ、饒舌(じょうぜつ)に「不満」を語ってみせた38歳に「なんだアイツは」との批判も起きた。橋下徹市長が旗を振り、市や学校の幹部ポストで公募制度が導入されたが、“途中退場”は区長に続き2人目。専門家からは採用の難しさを指摘する声も上がり、同制度への風当たりは厳しくなっている。

「『さよなら』する」

 25日午後3時すぎ、大阪市住之江区にある市立南港緑小学校の体育館では同日付で退職した前校長の千葉貴樹氏(38)が臨時の全校集会を開き、児童にこう告げた。

 「先生の個人的な事情で、みんなと『さよなら』しないといけなくなりました」。突然の別れに泣き出す児童もいた。

 1学年1クラス、児童数152人の南港緑小に千葉氏が着任したのは4月1日。児童が校長室に入りやすいようにするため、室内を隠す仕切りを取り払ったといい、「児童は校長室に入って話をしたり、校庭で一緒に遊んだりしていて、千葉氏を慕っていた」(学校関係者)という。

 臨時集会の直後に校内で開いた記者会見。千葉氏は記者団から学校を混乱させたことへの謝罪の気持ちを問われ、一笑に付した。

 「不祥事で辞めるわけではないので、謝罪するつもりはない。人それぞれにモノの考え方がある」

「なんだアイツは」不快感広がる

 千葉氏は大学卒業後、15年近くの間に4社の外資系証券会社を渡り歩く一方、家族経営のコンサルティング会社の役員に就任した。昨秋、市教委の校長公募を知り、手を挙げた。外部の応募者が928人に上る中、千葉氏は書類選考、2回の面接を経て今年1月に採用され、研修に入った。

「面接時すでに不満」饒舌・笑み…保護者ら怒り「なんだ、あいつは!」

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