これは確かに面白い本だ。
《目次》
イケダハヤトきっかけ
「確かに」面白いと書いたのは、イケダハヤトさんの記事を読んだのがきっかけで早速手に取ってみたからだ。
正確にはkindleで読んだので、スマホを「ポチ」っとしたのだが。
「小説家」のビジネスモデルを全公開。森博嗣の名著「作家の収支」がセール中! : まだ東京で消耗してるの?
金のことを書くということ
僕自身は、金のことを書くというのは恥ずかしいことでも汚いことでもない、と考えている。しかし、どちらかといえば、格好の良いことではない。黙っている方が文化的にも美しいだろう、と理解している。ただ、誰も書かないのならば、知りたい人のために語るのは、職業作家としての「仕事」だと思った。「使命」と書かないのは、正直だからである。
ん、イケダハヤトのセリフか?
いえいえ、本著の引用だ。日本人には「お金のことを考えるのは汚いヤツだ」と考える国民性がある。
このあたりは、以前書いたとおりファンドマネージャー藤野英人さんもはっきりと断じている。この藤野さんの考え方には大いに共感する。それに感情論としても金に関して「正直」なヤツが好きだ。
【投資家が「お金」よりも大切にしていること】あなたがコンビニで商品を買うときに考えるべき「理由」 - 引用書店
小説家が大事にすべきこと
最も大事なことは、多作であること、そして〆切に遅れないこと。1年に1作とか、そんな悠長な創作をしていては、たとえ1作当っても、すぐに忘れ去られてしまうだろう。
考えてみれば当たり前のことなのだが、「小説家」というのは自分の力ではマーケティングができず、「成り行き」に支配されるビジネスだと森さんは語っている。自分でコントロールできる数少ない大事にすべきことは社会人として当然の「〆切に遅れない」ことと、「多作」なのだ。
これはブログについても同じことがいえるだろう。ブログに〆切はないが、「多作」は読まれるため、ファンをつくり維持するための超重要な要素だということだ。
スルーしてあげよう
noteを利用した記事の有料化で、散々「金の亡者」と言われ叩かれているイケダハヤトさんだが、本著を読むと擁護したくなる。(ん、それが狙い?)
金について語るのは正直者だからだし、作家はアーティストなので文章というアートでファンをつくり維持するのは当然のことだ。
こう書くと「アーティストぶってるところが気に入らない」とアンチの感情を逆なでするのだろうが、考えてみればブログ界でトップクラスの人物でさえ、その稼ぎは彼が公開している程度なのである。
作家には森さんはじめ桁違いに稼いでいる人もいて、収支はピンキリではあるが作家の数というのは本屋を眺めれば一目瞭然だ。稼ぐのが厳しいブログ界。イケダハヤトさんの有料活動ぐらい、彼と関係のない人たちはスルーしてあげたらどうだろう。
ディスっても彼の宣伝になるだけだ。ファンの心は簡単に離れないだろう。彼に騙されるか、うまく彼を利用するかは自己責任だ。
『すべてがFになる』だけで
肝心の金の話だが、これについては本著を実際に読んでもらいたい。デビュー作『すべてがFになる』だけで、ものすごい印税。時給ウン万だ。
さて「ウン」万円とはいくら?
答えは『作家の収支』にある。印税総額と時給を知って、存分にビックリしてほしい。他にもさまざまな作家業の単価が書かれている興味深い一冊だ。