局アナ時代のいじめを明かした小林麻耶(公式ブログより)

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 視る者には華やかに写るテレビの世界だが、スタジオの裏側では、“番組の邪魔者”や“テレビ弱者”への陰湿で狡猾ないじめが横行している。ひな壇芸人の椅子を争うような若手芸人は恰好な標的だが、彼らと並んで「テレビいじめ」の対象になりやすいといわれるのが女子アナたち。

「女子アナはテレビ局という組織の中の一社員だから命令しやすいうえに、社内で目立つ存在。局内で陽の当たらない仕事をする人たちからの妬みややっかみが生まれがちなんです」(テレビ番組関係者)
 
 元TBSの小林麻耶(36)は退社後、自身のブログでこう明かしていた。

〈無視はつらい。まさか大人になって小学生みたいなことをされるなんて想像もしていなかったので、かなりショックが大きかった〉

 元フジテレビの中野美奈子(36)も退社後にファッション誌で〈地獄の日々だった〉と局アナ時代の苦悩を告白。生放送終了後、毎日のように先輩とVTRチェックがあり、その先輩アナから「お前には本当にニュースを読むセンスがない」と罵倒され続け、鬱状態になり、トイレにひとりでいるときが唯一の楽しい時間だったと明かしている。そうした仕打ちが彼女たちには“いじめ”に感じたのだろう。

 あるキー局の情報番組では女子アナへの何とも「ゲスないじめ」が行なわれているという。

「出演女子アナと折り合いの悪いプロデューサーが、収録中にカメラマンに下半身や胸の谷間を撮り続ける指示を出し、“パンチラ”“ブラチラ”を狙います。それをモニター室で見ながら“おっ、今日は黒だぞ!”とか“今日は白かよ〜”とせせら笑っているんです。が広まるのが早い世界なので撮られた女子アナの耳にもすぐに入るのですが、彼女にしてみれば“上司”ですから何も言えないようです」(テレビ局関係者)

 ニュースの現場ではベテランディレクターによる女子アナいじめがあるという。あるフリー女子アナウンサーが絶対匿名を条件に語る。

「ディレクター陣の中には、“自分たちはジャーナリストだ”という思いが強いからか、女子アナやレポーターを一段下に見ている人もいる。アナウンスが指示よりワンテンポ遅れたりすると、“どこ見てんだよ!”とかイヤホンに怒声が飛ぶ。

 こちらのミスなら謝るしかないのですが、あるディレクターから上手くレポートできた時に“どうせNG出すと思ってたからカメラ回していなかった。もう一回ね〜”と言われたこともある。私たちはストレス発散の道具なのでしょうか」

 身近な同僚が「加害者」になることも。日テレ時代に“避妊具写真”を写真誌に報じられた夏目三久(31)にはこんなことがあったという。

「写真の中で夏目さんが手にしていた避妊具メーカー名がアナウンス室で彼女の渾名になったそうです。同僚からその週刊誌を自分のデスクに置かれるという嫌がらせもあったらしい」(日テレ関係者)

 特に熱愛報道などで騒がれると立場は一気に悪くなる。身から出た錆とはいえ、仕事を干されかねない。

「タレントや野球選手との熱愛報道が出ると、情報番組やニュースから外されることも珍しくない。降板後は深夜のバラエティ番組などに回される。最も屈辱的なのは後輩アナが司会の番組のレポーター役。しかも苛酷な地方ロケや体を張った内容で、しかもオンエアされるのは2〜3分だけだったりする」(テレビ局関係者)

※週刊ポスト2016年3月4日号