DATA DISCS はこれまでに5作品をカタログ化しているものの、現在のところすべて古代祐三氏が音楽担当したセガのゲーム音楽です。
1990年代に入ると、スーパーファミコンソフト『アクトレイザー』でのオーケストラ調BGMなどが高く評価され、程なくしてセガ・メガドライブ用格闘ゲーム『ベア・ナックル』に関わります。当時はカプコンの『ファイナルファイト』をはじめコナミ『クライムファイターズ』など、横スクロール格闘ゲーム全盛期。それらのゲームの多くがBGMにハードめの音色や大砲のように響くサンプリングのスネアを使っていたのに対し、ベア・ナックルは当時流行していたハウスミュージックを取り入れ、音楽としてのノリの良さを重視。なかには時代を先取りしたドラムンベース調の楽曲もあり、それらがゲームとの意外なマッチングを響かせていました。 DATA DISCS が今回アナログレコード化するのは、その古代祐三氏が BGM を担当し1993年にセガがリリースした『ベア・ナックル2』。英題は『Streets of Rage 2』。音源の一部には古代氏が所有するPC-88 用マスターファイルを使用し、そのサウンドを録音しています。レコード盤を通常の黒盤、透明スモーク盤、血しぶきプリント盤から選択できるとのこと。さらに特典として、セガの原画アートワークから起こしたリトグラフ2種を封入します。発売は2月27日で、価格は25ポンド。日本円にして約3900円。
DATA DISCS はゲームミュージック専門のアナログレコードレーベルを謳いつつ、出す作品はセガの古代作品ばかりという、企画担当者の趣味丸出し(?)のレーベル。これまでにアナログレコード化してきたタイトルは『ベア・ナックル』『シェンムー』『ザ・スーパー忍II』そして『スーパーハングオン』。英国レーベルながら、帯には日本語でもタタキを入れているのが親切なところ。一部は日本のアマゾンからも購入可能です。
『ベア・ナックル 2』のアナログ盤は、メガドライブ純正コントローラーに苦しめられつつもブラウン管の中でヴァイオレンスな日々を過ごした紳士たちに贈る一品と言えそうです。