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 白昼の繁華街に悲鳴が響いた。25日に大阪・梅田で複数の人が巻き込まれた事故。「車が歩道に突然乗り上げてきた」「次々と歩行者がはねられた」。現場が騒然とするなか、救急隊による救助活動が続いた。

 「ウー、ウー」。25日午後0時半ごろ、大阪市北区芝田1丁目の国道交差点で多数の救急車がサイレンを鳴らしながら駆けつけた。現場はJR大阪駅や阪急梅田駅などがあり、近くには「大阪新阪急ホテル」や家電量販店「ヨドバシカメラマルチメディア梅田店」も立ち並ぶ。当時も、多数の買い物客や観光客らが行き交っていた。現場に記者が駆けつけると、数人が歩道に倒れ、毛布がかけられた状態だった。

 「ボコッ」。現場の交差点にある飲食店のマネジャーの女性(22)は大きな音で事故に気づいたという。女性によると、近くのホテル前の消火栓の柱がひどく揺れ、事故を起こしたとみられる黒い車が止まっていた。付近の歩道には数人が横向きになって倒れ、周りの人が声をかけていた。女性は「一番手前に見えた女の人は手足もまったく動かず、心臓マッサージを受けていた」と振り返った。

 「少なくとも、5、6人がはね飛ばされた。うち1人は、ボンネットの上に乗ったままだった」とこわばった表情で話したのは、現場を目撃したという建設会社員の男性(41)。男性によると、黒い車が信号待ちの人たちの中に突っ込んでいった。車はその後も止まらず、数十メートルほど先にある花壇に衝突して止まったという。男性は「私もはねられた人と数メートルしか離れていなかった。わずかの差でまきこまれていたかもしれない」と語った。