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大雪で除排雪の苦情・要望急増、札幌市内9割増の4万件

2013年04月10日 19時08分

 2012年度の除排雪事業で札幌市に寄せられた苦情・要望件数は、前年度を87.8%も上回る4万1877件と7年ぶりに4万を突破した。全市的な大雪で排雪が追い付かず、特に生活道路への苦情・要望が目立った。雪対策室では「作業方法やパートナーシップ排雪の在り方を含め検証していきたい」と話している。

 苦情・要望件数はその年の雪の量に比例して増える傾向にある。札幌管区気象台によると、12年度の降雪量は623cmと前年度を242cmも上回り、観測を始めた1954年以降で5番目に多かった。
 12月の降り始めから積雪量が例年を超え、中央区の電車通では排雪スタートを異例の12月に前倒し。年明け以降も積雪、降雪とも多い状態が続き、気温も低めに推移したことから除雪費が底を尽きかけた。
 このため、市は当初予算で計上していた149億500万円に加え、2月と3月で2回の追加補正を実施。除雪費総額は過去最高の212億500万円まで膨らんだ。
 12年度を項目別に見ると「玄関・車庫前に雪を置いていく」が前年度に比べ7割増の1万3897件で最多。「雪をかき分けるだけで間口処理しない除雪方法が不満(生活道路)」「道路の両側、隣接宅と均等な除雪をしてほしい(同)」「間口処理の仕方を改善してほしい(幹線道路)」など不満が集中した。
 これに次いで「車道のわだち、不陸など」が9割増の9310件、交差点排雪や横断歩道の除雪、融雪水処理など「付帯作業、行政指導への要望」が5割増の2620件、「車道計画路線の拡幅」が2・37倍の2538件、「運搬排雪」が2・2倍の1276件などと続く。
 区別では、北区が7664件と最も多く、東区5588件、西区5441件、豊平区4794件と続く。豊平区と西区は前年同期の2倍を超えている。
 過去の苦情・要望件数の推移を見ると、ピークは95年度の4万3775件。05年度の4万2476件がこれに次ぐが、これ以降は11年度まで暖冬少雪が続いたため1―2万件台で推移していた。
 今冬は生活道路の運搬排雪を、手稲区新発寒や北区あいの里などで例年より早い1月下旬から開始。しかし、雪堆積場や雪処理施設への搬入量が昨年の1・5倍に当たる約2800万m³と過去最大に達する中、作業が追い付かず、3月上旬には完了するはずのパートナーシップ排雪が一部の区で後半にずれ込むなど遅れが出た。
 例年なら比較的降雪量が少ない豊平区のある除雪業者は「長年携わってきたが、今シーズンのように3月下旬までびっちり稼働した年は初めて」と振り返る。
 今冬は排雪場所を確保するため、緊急避難的に公園駐車場などの市有地を活用した。雪対策室は来シーズン以降の大雪に備え、より迅速に確保できる体制づくりを検討する考えだ。

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