(前田利家 : 独立大名時代)
画像 : 太閤立志伝5 から
後半になると、この人も登場するかも知れません。
晩年は、温和な調整型の武将として知られた利家ですが、
若い頃はかぶき者であり、血気盛んであったといいます。
今日は、そんな彼のエピソードで感動したものがあったのでご紹介します。
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利家は織田信長の小姓として、少年時代から仕えていた。
信長とは性格が似ていたらしく、とても重用されたという。
だが、ある時。
利家はとんでもない事件を起こしてしまった。
織田家の茶坊主の中で、政治向きに口を出すものがおり、
その者と些細なことから口論になって、城の中で斬り捨ててしまったのだ。
このことは当然、信長の耳にも入った。
苛烈な性質で知られる彼のことだから、利家への措置は厳しいものだと思われた。
折りしも、従兄妹で最愛の妻・まつと結婚したばかりであり、
利家の友人たちは、様々な噂をしていた。
彼らの利家に対する態度は、おおよそ3つに分かれた。
①利家が信長の信頼を失っていい気味だと笑う者
②利家が信長に謀反を起こすのではないかと探る者
③利家のことを心から心配する者
このうち、利家のことを親身になって心配する者は、
わずか2~3人だった。
結局、利家は切腹は免れたものの、織田家をいったん離れることになり、
信長の勘気が解けたのは、事件から2年余り経った頃だったという。
のちに利家は、しみじみと述懐している。
「人間とは、不遇な環境に置かれた時に、
はじめて、友情が何であるかを知るものだ」と-。
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※筆者のひとこと
うちの旦那は信長のように気性が激しく、
物事が自分の思い通りにならないと、人に当たる癖があります。
まさに昨日はそんな嵐の日で、
あまりの怒りっぷりに、一時はどうなることかと思いました。
でも、このブログで夫婦喧嘩の顛末を書いたら、
みなさんから心温まるコメントやスターをいただき、
人とのつながりは有難いと感じたのです。
ネット上ですので、直接お会いしたことはないのですが、
誰かがピンチの時に励ますことができるのは、素晴らしいですよね。
雨降って地固まるという諺がありますが、
利家も自分が窮地のときに助けてくれた人のことを、生涯の友と思ったことでしょう。
戦国時代は現代と違い、毎日のように殺戮がありましたが、
名将たちには、このような人間味あふれるエピソードがあります。
今後も折に触れて、紹介して行きたいと思います。
(ご注意)
名将言行録等の逸話に基づいた物語ですので、
内容は史実と異なる場合があります。