(cache) 「破滅へのカウントダウン」～“半笑い”のやさぐれ博打日記

2008年12月24日15:54

メリ★クリ

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皆さん、メリークリスマス。
素敵なイヴをお過ごしでしょうか。

え？私ですか？
23日～27日までは誰とも会わずに過ごす予定ですが何か？
今日はナイキアディライトのラストランを見に行こうかなとは思ってますが・・・あ、大井じゃなくて浦和ですか。遠いので却下で。

それにしても・・・
こうして引き籠ってても、競馬予想の材料は幾らでも手に入るし、楽しいサイトやブログはあちこちにあるし、テレビも特番シーズンに入ってきたし、仕事にも息抜きにも事欠かないからいい世の中だよねえ。
問題は2日で1食ペースになってて食文化が疎かになってることぐらい。もう、この体たらくだと食欲も湧かんよ。ま、「馬券師倶楽部2」のカメラ映りにガッカリして、得意の暴飲暴食を控えようとしてる節もちょっとあるんだけどね。

さて、有馬記念と東京大賞典という、芝砂のドリームレースに向けて予想の準備を始めているところですが、ちょっとだけ「息抜き」方面の話をさせてください。例によって、「競馬ブログ」期待の方は何卒スルーで。
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2008年10月27日04:44

馬券下手の逆襲

カテゴリ: 競馬レース回顧・馬券反省会

どうも。最近「上田桃子」がヤバい半笑いです。

強気一辺倒のスタンスで、キャラや風貌も勝気な感じだけど、決して非礼ではなく、しっかりした考え方やそれを伝える言葉も持っている。そして何より結果を出している―このスタイルがもう堪らん。
「プロならば、自分の努力を根拠にしたビッグマウスは大歓迎、でも礼を失しちゃダメ」だと激しく思ってるんで（蛇足だけど亀田某は前半は満点、後半が零点のスタンスだね）、もう理想的な「プロ」。
これがこの若さで完成されているのが、もう畏怖すら感じるよ。去年だっけ？ドキュメンタリー番組で他スポーツ批判とも取れる発言を切り取られて批難を浴びたこともあったが、察するに純粋に自身の競技にあたるモチベーションを説明した表現だった…みたいな話はもういいか。既に万人が認める一流の競技者だろう。

なんやかんや言って女子ゴルフって、プロスポーツで日本人が世界と一番戦えてる種目じゃない？そのフィールドで昨年21歳にして日本の頂点に立ち、今年は米ツアーにも参戦…どんだけ高いステージにいんのよ。いや、もう自分が21歳の頃なんて、アレのこととかナニのこととかしか考えてなかったからね？

ま、いろいろ書いたけど、基本的に「メンタルの比重が大きいフィールドで敢えて強気発言で自分を追い込む女のコ」萌えの属性なんだろうね、わたくし。周りはみんな「綾波」派なのに断然「惣流」派だし。でも実際にはこんなタイプのコを受け止めるほど器が大きくないから、結局衝突して追い詰める側に加担しちゃって・・・えーと、何の話だっけ？

ああそうそう、「プロ」の話。

http://hanwarai.net/【PC】
http://hanwarai.net/mob/【携帯】
プロの予想家を志してこちらのサイトから予想配信を始め、最初の大きな壁にぶつかっていたここ数週間。
土曜京都メイン・室町Sで◎(15)ダイワエンパイアから(2)(4)(5)本線の馬単&3連単がビシッと決まり、ようやく片眼が開いた！と安心したら、なんとダントツ人気の(15)がハナ差交わされての(2)→(15)→(4)。あれが逆ならば馬単30倍、3連単は305倍…！ってか、3連複76倍でよくね？

そんな悔しい裏目を引いた翌日、ようやく実際片眼が開いたのが「雑感」として配信した東京10R・神無月S。

1着▲(1)トロピカルライト(4番人気)
2着◎(2)スリーセブンスピン(8番人気)
3着○(7)クイーンオブキネマ(3番人気)
4着×(15)ビクトリーテツニー(1番人気)
5着△(8)ミスターモナルコス(2番人気)

◎本命が8番人気。「△×は届かない想定で押さえまで・上位3頭が抜けている」という見解で、まず申し分のない印(自画自賛)。
どの券種でも突き抜けられた筈で、さぞかし本人も儲けたことでしょう。

よしよし、馬単が73倍、3連複78倍も本線で…大本線で…んんん？！
なんじゃあ、こりゃあぁぁぁあああ！！
3連複(1)(2)(7)だけ買い忘れとるーーーー！

実際リアルタイムでは、直線(1)(2)(7)が完全に抜け出して「よーしそのまま、他は何も来るな！(2)がアタマが一番いいぞ！」とか言ってる時に、ふと悪寒がして気付きました。
・・・！何か1頭だけ3着に飛んで来い！！！

・・・・・・。

そんな自分の粗忽さに心底嫌気が差して、東西メインで軽く張り流した後、京都最終で「置いたまま」プッシュ炸裂。さっきの払い戻しの大半を張り付けてやった。

京都12R・観月橋S
1着◎(13)ﾄｰｾﾝｱｰﾁｬｰ(3人気)
2着○(8)ﾄﾞﾘｰﾐｰﾍﾟｶﾞｻｽ(1人気)
3着注(9)ﾀｶﾞﾉﾏｰｼｬﾙ(2人気)
4着△(4)ｽﾄﾗﾃﾞｨｳﾞｧﾘｵ(6人気)
5着▲(10)ﾋﾟｻﾉﾃﾞｲﾗﾆ(4人気)

・・・・・・ふぅ。
ちょっと今回はいつにも増して力技過ぎの馬券でスミマセン。

まあ、最後頑張って「2着は豊様がいい！！」って応援した甲斐があったよ。あ、でも岩田さんをもっと応援すれば配当がもっと跳ねたな＜？

という訳で、人気所の馬券ではあるが、馬連8倍・3連単は78倍。
人気拮抗のなか、3番人気を絶対的な軸に据えた点、もう1頭人気の一角だったパレスショットガンをバッサリ消せた点が良かった。そうそう、「競馬王」7月号に「パレスショットガンは京都で1000万を勝ち上がったが中弛みだった。次走東京で中弛みの準OPも連勝したが、京都やローカルで中盤速いOPなどでは人気しても苦労する」旨をハッキリ書いており、OP級のメンバーが揃った京都準OPのここで証明されたのも良かった^^

そんな訳で、ようやく上向きを実感。
土日通じて、今年励んできたダートの解析が実になってきている手応えを感じる結果なのも心強く・・・って、その裏で◎ダイシンプラン本命の菊花賞(○スマートギア・注オウケンブルースリ・△ナムラクレセントの2・4・5番手評価で決まったかと思いきや、無印のフローテーションに突っ込まれてカスりもせず)を含め、芝を外し続けてるんでまだまだですが。。。(-_-)

とにかくもう大丈夫！！…のハズです。上田桃子ばりに、「プロ」として強気だけど礼を失することなく、結果を出して行きます！！
・・・最後無理矢理つなげたな。

2008年09月29日15:31

神が描いた青写真

カテゴリ: だらだらコラム

土曜競馬で福永祐一騎手が通算983勝を達成。不世出の天才と謳われた、父・福永洋一元騎手の勝ち鞍に並んだということで、わざわざ平場なのにお立ち台で勝利騎手インタビューが行われていた。

例えば武豊騎手が父・武邦彦元騎手の勝ち鞍に並んだ際にこんな場が設けられたかどうかは知らないし、郷原洋司騎手が父・郷原洋行元騎手を超える可能性が僅かでもあるかどうかも知らないが、この異例のインタビューは見ている者に爽やかな感動といろんな感慨をもたらす、素敵なものだったと思う。

30歳の若さで落馬事故から騎手生命を断たれた福永洋一騎手を、私は残念ながらリアルタイムでは知らないが、先人たちから聞く「ゆっくり上ってゆっくり下るのがセオリーの淀の坂で仕掛けてペースを上げて逃げ切った」「人気薄の差し馬を逃げて勝たせた」などの話を通じて、段々とその騎乗に興味を持ち、魅せられて行った。
「マジック」「トリッキー」といった文脈で語られることが多い彼の騎乗スタイルだが、私はそれらの話を違う視点で聞いていた。

そこには必ず理がある筈。
即ち、馬の資質とコース形態、そして相手関係を全て勘案してシミュレーションすれば、「自身の上がりを1秒落としても、ライバルの上がりを1.2秒削ぐ仕掛け」という答えが導き出される場合もある筈なのだ。

「ライバルの上がりを1秒伸ばしても、自身の上がりを1.2秒伸ばす仕掛け」ばかりが持て囃され、時として「自身の上がりは0.8秒しか伸びないのに、ライバルの上がりを1秒伸ばしてしまう仕掛け」までも止むなしとされがちな、「上がり偏重」の空気が蔓延している(ように感じる)現代競馬界。
この趨勢に対し、最近でこそ外国人騎手が・地方出身騎手が新しい波を起こして久しいが、これを三十年前から先取りし、或いはそれより更に先を走っていたのが福永洋一騎手だったと、私は信じて疑わない。エリモジョージをはじめ、自分でペースを支配する逃げ馬でのレースぶりが多く語られるのも決して偶然ではないだろう。余談だが、この辺の考察が現在の私のラップ理論にも大きく刺激を与えてくれたものである。

騎手が前に行って勝負をかけるのは、単純に技術の面だけでなく、精神的にもタフさが要求されるのは想像に難くない。「後方から流れ込めば着を拾って下の方の賞金が稼げる馬でも、逃げて失速すれば入着はない」文脈から、そういう「勝負」は馬主や調教師に敬遠されるかもしれないし、ファンやマスコミに「レースを壊す」的な表現で叩かれることもある。
福永洋一騎手がその「精神的なタフさ」を持っていたのは間違いないが、息子・福永祐一騎手にそれを垣間見たレースが、04年オークスだった。

その年の牝馬クラシック、福永祐一騎手はデビューからダイワエルシエーロに騎乗。
前年末の新馬戦を勝ち、OP紅梅S2着。そして東京マイルのクイーンCで、4角13番手から目の醒めるような末脚で差し切り圧勝。これを受けて、桜花賞は5番人気の評価を受けるが、切れ負けして4角6番手から伸びずに7着。
この時点で、大方のファンやマスコミの評は、「東京で行われるオークスで、クイーンCのように溜めて乗り、末脚を再現すればチャンスがあるかも」というものだったと記憶している。半信半疑の6番人気。

しかしここで、福永祐一騎手は乾坤一擲の逃げに出る。
このレースの圧倒的１番人気は桜花賞馬・ダンスインザムード(単勝1.4倍)。スピード溢れる強い先行馬で、この馬より前にいる馬は全部潰されると思われていただけに、これは相当勇気のいる所業だっただろう。
ましてや、舞台は東京2400。98年日本ダービー、デビュー3年目の若さで2番人気・キングヘイローを駆り、ハナを切って14着に沈み、逃げと目された皐月賞馬・セイウンスカイのペースを乱したことも相俟って各所から酷く叩かれた・・・そのコースである。

勿論、これが単なる人気薄の蛮勇ではなく、勝算あってのことだったのは、ラップからも明らか。
即ちクイーンCは「34.1-23.8-36.3」の前傾を利した追い込みで、決して脚を溜めての切れ勝ちでなかったこと、桜花賞はレース上がり「34.6」に対応できずに負けたことから、自身の上がり限界を35秒前後に想定。溜めても切れに限界がある代り、前に行っても極端にバテない底力タイプであることを把握。
これを総合すれば、この上がりで勝つにはハナを切るしか答えはなかったのだろう。「天才の子は天才」…それを印象付けた素晴らしい騎乗、素晴らしい勝利だった。

ちなみに、このエントリ名は97年？に放送された福永一家を17年間追った秀作ドキュメンタリー番組のタイトル。洋一元騎手の事故からリハビリを経て、祐一騎手の華々しいデビュー2連勝までを描いた番組で、私は見ながらずっと泣きっぱなしだった記憶がある。

近年、福永祐一騎手が公の場で父親の話をするのを目にしたことがなかったが、土曜のインタビューでそれをできた彼は本当に嬉しそうに見えた。インタビューの最後に「この場を設けてくださったJRAの関係者の方に感謝します」って言ってたしね。本当におめでとうございます！

最強のDNAの上に確かな経験を積み上げる福永祐一から、今後も目が離せない。

2008年09月21日16:05

力ワザ

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頑張りましたo(^-^)o

2008年09月15日15:40

普通に。

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雑な馬券ですが…ごっつぁんです(^0^)/

2005年01月01日00:00

半笑い＠競馬予想「note」に関するおことわり

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※「note」からのリンクを定常的に確保するために、便宜的にブログ内の記事を使っていますが、ブログと直接関係のない内容をブログのトップに表示する必要はないので日付は古いものにしています。日付自体に他意も意味もありません。あしからずご了承ください。

「note」にて提供しているのは、あくまでも各レースの展望と各競走馬の能力・適性の分析です。競馬観戦を楽しみ、競馬予想する際の一助となるコラム・論文の類だとお知り置きください。

その結果各馬のパフォーマンスを予見して序列(◎○▲などの印)を提供しますし、レースによっては馬券の買い目の提案もしていますが、あくまでも補助的なものであり、しかも決して的中やプラス収支を保証するものではありません。

つまりこちらで販売・提供しているのは、特殊な情報やシステムによって得た「かならず儲けるための情報」などではなく、私・半笑いがこれまでの蓄積をもとに、各レースと各競走馬についてのレポート・論説を著作物として認(したた)めたものです。

もちろんそのレースごとに自信のあるなしの幅はあり、それを表明することもありますが、自信があることが必ずしも的中するという結果に繋がる保証はありませんので、誤解なきよう、何卒ご了承ください。もちろん自信のあるなしに関わらず、これまでのキャリアの蓄積、そこから導かれたノウハウを余すことなく注力した予想であり、全力を尽くしているのは当然ですが、それでも不的中が続くことがあるのが競馬ですので、あしからずご了承願います。

上記の点をご理解頂けない方は、決してご覧になったり購入になったりしないよう、お願い申し上げます。

1999年12月31日23:59

半笑いプロフィール

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半笑い

【生い立ち】
ベビーブーム世代♂
横浜生まれ、西宮&長崎育ち
十代の殆どは長崎で過ごす

【学歴&職歴】
一橋大学社会学部卒
日本テレビ入社
2008年退社してフリーに
現在、競馬予想家・ライター

【時間の使い方について】
中学・高校・大学時代は「勉強してる時間より、麻雀してる時間の方が長い」のが自慢の痛いコだった。
社会人になって真面目に働いていたが、ふと「競馬予想する時間より、仕事の時間の方が長い」のが不自由に感じたので退社してみた。ちなみに制作現場時代の最大残業時間は299h/月とか。まあ大変。
現在、自分で時間の使い方を決める生活に大満足。自由って素晴らしい、自己責任と背中合わせですが。

【著書】
「半笑いの馬券術」(白夜書房)

「当たり前なのにまだバレていない
競馬で勝つためのルール」(東邦出版)

【ギャンブラーとして自慢のエピソード】
①山一證券の内定をもらい、内定式にまで出たが、気が変わって直前回避。翌年倒産。
②十代で日本プロ麻雀連盟のプロテストを受け、トップ合格。故・安藤満プロに「筆記2位・実技3位でトータルトップだよ！君は若くて見た目もいいから、プロとして売れるよ！」とお墨付きを頂く。
③あんなことやこんなことがあったのに、今も元気に楽しく生きている。

【受験戦士的、嫌味な自慢エピソード】
①最難関世代のセンター試験で800点中750点超え。
②高校時代に○○模試みたいなので全国シングルやら何やら。特に国語は偏差値80超えがデフォルト、全国単独1位もあり。
③社会人になって、なんとなく受けた法科大学院の統一適性試験(センター試験みたいなの)で3万人中100位以内。

【なかなか経験できないことだから話したいけど、あまり人に話せないエピソード】
①○○と××して、結果的に大変なことに。
②△△に■■してしまい、そりゃもう大変なことに。
③2ちゃんねるの心ない書き込みを侮辱罪で訴えてみたら、意外にも受理されて警察が動き、東京地検から連絡が。

【好きな女性の仕草】
①ピーをピーしてるところ。
②ナニをナニでナニしてるところ。
③っていうか、君がそこにいるだけでいいんだよ。

…なんか思い付いたら随時更新します。たぶん。

1999年10月14日16:36

京都大賞典予想ログ

カテゴリ: 告知; 競馬予想・事前分析

■京都大賞典予想

京都11R・京都大賞典(G2・芝2400)

自信度：★★★★(ロングスパート想定で資質はきっちり精査できたが、仕上げや先を見据えた陣営の思惑がレースを左右するリスクがある)

04：35.8-38.1-37.0-34.3=2’25”2
(1着ナリタセンチュリー8-8-7-8、2着ゼンノロブロイ3-3-4-3、3着レニングラード4-4-3-3)
05：37.1-37.5-36.6-34.2=2’25”4
(1着リンカーン5-5-5-5、2着コイントス2-2-2-2、3着9-8-6-6)
06：36.6-41.2-40.4-33.3=2’31”5
(1着スイープトウショウ5-5-7-7、2着ファストタテヤマ10-11-8-7、3着トウショウナイト3-3-3-5)
07：36.3-37.2-37.0-34.0=2’24”8
(1着インティライミ6-7-6-6、2着ポップロック4-4-4-4、3着アルナスライン5-5-5-4)
08：35.3-39.6-37.5-34.5=2'26"9
(1着トーホウアラン7-6-6-7、2着アドマイヤモナーク10-10-8-8、3着アイポッパー5-5-3-3)

平均ラップを取るのが憚られるほど、流れはバラバラ。しかし「第3ブロック」は37秒以上掛かり、「第4ブロック」＝上がりは34秒台以内、という上がり勝負がデフォルト。前が恵まれてもおかしくないデザインだが、京都外回りで折り合って末が伸ばせる瞬発力タイプが俄然優勢で、結果的に勝ち馬は基本的に差し馬。底力もある先行馬は3着が指定席で、この後、天皇賞・JC・有馬と秋G１を完全制覇するゼンノロブロイでさえ先行して2着まで。過去5年では唯一「第3ブロック」が36秒台に突入したロングスパート合戦の05年に、逆に先行馬が台頭したのは興味深い。
今回、コスモプラチナ・クィーンスプマンテ・テイエムプリキュアと徹底先行が牝馬ばかり3騎揃ったが、果たして京都外回りでどこまでペースを上げられるか。特に(4)コスモプラチナ・(12)テイエムプリキュアの重賞勝ち馬2頭は、共に上がりが速いと途端にパフォーマンスが落ちるだけに、チキンランさながらにペースを上げるべきなのだが・・・しかし「テンで速いラップを見せておいて、中盤はある程度緩めたい(4)コスモ」と「テンはゆっくり入って、中盤ペースを上げて流れ込みたい(12)テイエム」との利害は微妙に対立する。これに加えて、とにかくハナを切りたい(5)クィーンスプマンテが前にいるとなると、流れの想定は極めて難しい。

一応、それぞれの特質を考えると「(5)クィーンが逃げ、(4)コスモが突付き、ようやく向こう正面で流れが落ち着いたところで(12)テイエムが早めに交わしてロングスパート」という筋書きになるが・・・騎手の思惑一つで展開は大きく変わるので、並びは流動的。しかし例年には珍しいロングスパート合戦になる可能性が低くないことはハッキリと言えそうだ。
即ち、純粋な上がり勝負対応の瞬発力だけでなく、底力も併せて評価するべきだろう。

昨秋からの中長距離戦をざっと評価しておこう。
菊花賞(G1・京都15F)：58.8-66.7-60.2=3’05”7※「5F×3」で表記
1着オウケンブルースリ12-12-10-2、4着スマートギア14-14-13-7、12着メイショウクオリア10-10-10-16
中盤5F(1000～2000ｍ)は過去5年連続63秒台のところ、このレースは「66.7」という超中弛み。大捲りで1着馬のオウケンの持続力は評価できるし、4角好位組が1・3・5着のなか、後手を踏みながら4着まで差し込んだスマートの切れ味も立派だが、何れにしても流れが特殊過ぎるし、ここで早めにペースが上がればその対応へは全く敷衍できない。
ジャパンC(G1・東京12F)：36.6-38.0-36.5-34.4=2'25"5※「3F×4」で表記
5着オウケンブルースリ8-7-6-6、10着トーホウアラン8-9-13-12、15着トーセンキャプテン15-13-13-17
「第2ブロック」は例年35～36秒台なのに、過去例のない緩さ。0.3差5着のオウケンは、ロングスパート合戦に対応する能力をある程度示したとは言えるが、底力は全く問われていないだけに「国際G1で掲示板」相当の格は得られていない見立て。
日経賞(G2・中山芝12.5F)：41.5-37.4-37.0-35.3=2'31"2※「3.5-3-3-3F」で表記
2着マイネルキッツ11-10-8-6、3着モンテクリスエス11-12-12-10
「第2ブロック」が有馬記念より0.7も速く、この為「第3ブロック」で緩んだものの、時計が有馬より速くなった消耗戦。先行馬は総じて潰れ、ここの1・2着馬がそのまま天皇賞・春でもワンツーを決めたように、底力は確実に測られたレース。
天皇賞春(G1・京都芝16F)：48.6-48.4-50.6-46.8=3'14"4※「4F×4」で表記
1着マイネルキッツ10-10-4-4、5着ジャガーメイル17-17-17-13、12着モンテクリスエス16-15-14-11、18着テイエムプリキュア3-2-4-18
「第1＆2ブロック」が共に48秒台というのは、かなり速い「前傾」ラップ。ここで控え、緩んだ「第3ブロック」で進出するのがベストの挙動で、これをやってのけた勝ち馬・マイネルキッツは、勿論展開を味方にはつけたが、その分ずっと脚を使って最後まで伸びたには違いなく、特に京都外回りのロングスパート合戦での加速＆持続に関しては確実に上位の筈。
宝塚記念(G1・阪神芝11F)：34.7-37.0-24.4-35.2=2'11"3
7着マイネルキッツ9-7-7-6、8着スマートギア13-12-13-13、9着モンテクリスエス11-12-12-11
「第1ブロック」が速く、「第2ブロック」が緩み、上がりは近年で最速の流れ。ラップ的にはやや前有利ということになるが、しかし「第1ブロック」の速さと外差し馬場の影響が大きく、結局差し馬決着となっている。No２タイの上がりで0.9差まで差し込んだ8着スマートギアはなかなか立派だが、しかし外差し馬場を利して大勢が決まった後で追い込んだレースを過大評価はできない。No1上がりの勝ち馬には上がりだけで0.5秒劣っており、やはり格が違う内容。
7着に沈んだ天皇賞馬・マイネルキッツは、最内枠から内を突かざるを得なかった枠順もかなり不利だったし、上がりが速すぎたレースも分が悪かったということだろう。

一通り見渡して資質の比較ができたところで、各馬に言及して行こう。
先に言っておくと、前述の通り、ここは早めにペースが上がるロングスパートの想定。これはこの距離では底力不足でスロー上がり勝負でしか実績のない、昨年の勝ち馬・トーホウアランを大幅に狙い下げることにも繋がる。
昨年はスローなのに出遅れたアルナスラインが、道中進出しようとしたら行くところ行くところ邪魔される展開で、他の人気馬・アドマイヤジュピタやポップロックも本調子になく、無抵抗に沈んでいくというレース。前走・朝日CCでもスローを流れ込んだ(2着)だけのトーホウアランが相対的に浮上する、切れ味だけの勝利だった。今年も、更に超中弛みの朝日CCで3着し、臨戦過程は下なのに斤量は増えての参戦。急流ならば確実にパフォーマンスが下がる馬だけに、まずはこれを大幅に狙い下げて、妙味を追う戦略で攻めて行きたい。

…(1)トーセンキャプテン
昨夏は前傾の函館記念で、内を上手く捌いてフィールドベアーを差し切って見せたが、その後はずっとチグハグな競馬。毎日王冠は内先行馬場で外枠だったので8着失速はやむなし、天皇賞・秋は同厩ウオッカのラビット役のような慣れない先行策で潰れて16着。JCは超スローで後手を踏んで後方まま15着、新潟大賞典は前に厳しい流れで先行して普通にズブズブ14着。
ようやく今季復活の兆しを見せているが、札幌記念は道中上手く内に潜り込んでのロスのない競馬が嵌った形で5着までだったし、オールカマーは超スローを番手で運んで7着ならばむしろかなりだらしない内容。結局この距離で買える要素はなく、早めにペースが上がる想定ならば尚更。内を捌けるタイプだけにこの枠は好都合だが、肝心の資質が足りていない。

▽(2)オウケンブルースリ
スローの菊花賞は、半ば強引な捲りで完勝しただけに、受け方次第ではロングスパート合戦には対応できる筈。JC5着は一応この片鱗を見せた内容だが、やはり古馬相手に底力勝負になった場合の優位を示すフラグが薄過ぎる。何よりも「ここで賞金を上積みしないと秋G1に出られない」という陣営の希望的観測が、オッズを押し上げているのは妙味もなく、外回すしか勝ちパターンがないのではせっかくの「開幕週の内枠」も有効に活かせるかどうか微妙。ここは大幅に狙い下げ、できれば消せる券種で。

△(3)スマートギア
昨夏は菊花賞出走の為の条件戦強行ローテで馬体を減らしていたが、ようやく間に合わせた印象の菊花賞で4着はなかなかのスケール。結局上がり特化の競馬で準OPすらなかなか届かない競馬が続いていたが、晩春Sで東京9F「35.0-35.4-36.5」という激流を後方から突き抜けて圧勝して資質を再確認できた。
距離伸びてテンさえゆっくり行ければ、むしろロングスパートで持久力を測られた方が好都合の筈で、その意味では例年前傾になる金鯱賞への出走は面白かったのだが、何故か今年はスローになり届かず5着。宝塚記念では力差を感じる8着完敗だったが、その後の準OP連続2着は溜め過ぎで底力を問われない内容で仕方なし。この条件でのハイレベル戦で前進が望めるタイプで、マークしておきたい存在。
但しこれも外ぶん回しが勝ちパターンなだけに開幕週も内枠も微妙で、しかもG1級が相手では裏付けが条件戦だけでは心許ない。中心視には至らず、ヒモ評価まで。

…(4)コスモプラチナ
ベストパフォーマンスのマーメイドSも、絶妙なペース配分で「上がりを速くしなかった」のがポイントという、切れ味不足のタイプ。マイペースで行った上で上がりの掛かる流れを演出するにこしたことはなく、逃げ馬多数での急流必至の組み合わせは両刃の剣だろう。
仮に控えてロングスパートで進出しても、ある程度速い上がりが要求される京都外回りは鬼門。グダグダの消耗戦で好位差しにシフト、などというミラクルが実現しても、今度は牡馬を凌駕する底力が欠如。やはり静観が妥当。

…(5)クィーンスプマンテ
1000万下勝ちは上がり34秒台、前走のOP勝ちは上がり37秒台と、変幻自在の逃げ馬ではあるが、いずれにせよ時計が遅く特筆すべき点はなし。特に前走はハンデ49キロで離した逃げが嵌っただけで、準OPですら勝てる条件は思いつかない。
スピードも切れ味も微妙なだけに、この距離の消耗戦はこの馬なりにベスト条件かもしれないが、やはり重賞では。京都外回りでは08堀川特別で絶好馬場＋急流で好位差し2着という新機軸も見せたことがあり、意外と奥は深そうだが、普通に逃げる想定ならば展開もかなり厳しい。

…(6)キングトップガン
ダートで勝ち鞍を重ねたが久々の芝戻りでも健闘、昨春の準OP・難波Sでは中弛み9Fで「上がり33.7」で快勝。ホクトスルタンが急流で逃げた08目黒記念で0.7差6着ならばOPでもやれる素地を示したと言えそうだが、休養を挟んで今年は全く勝負に絡めず。当時からの前進があれば僅かに可能性はあるが、近況を見るとまずそれは望めないだろう。

△(7)モンテクリスエス
出入りが激しく、かなりの消耗戦でレコードになったダイヤモンドSを完勝。ハイレベル急流の日経賞でも3着したように、消耗戦での底力勝負ならば上位だが、天皇賞で後方ままの12着に沈んだように、京都で上手く加速して進出する挙動は期待し辛い馬。日経賞・天皇賞で続けて後塵を拝したマイネルキッツとの差を縮める要素は見当たらない。
但し天皇賞は、馬の資質ではなく武豊騎手得意の溜め殺しだった可能性もあり、消耗戦で前から離され過ぎずに運べば、嵌る可能性は依然としてある。連下には押さえたい。

○(8)ジャガーメイル
ハイペースの好タイム決戦で出世レースとなったアルゼンチン共和国杯2着馬。ちなみにこのレース、その後1・3着馬はG1連対、4・5・6・13・15着馬が重賞勝ちを果たしている。
どうしても後方からになるので開幕週馬場は鬼門ではあるが、「今年初出走が天皇賞・春」という、極めてハードルの高い状況(この臨戦過程で勝った馬は皆無、前年完勝のサクラローレルでさえ2着)で、あわやの5着という結果は、相当格が高く、京都外回りならばまず崩れないと見ていいだろう。前傾を早めに追っ掛けた目黒記念でも不良馬場に苦労しながら2着ならば、ロングスパート合戦を中団で受ければ嵌る可能性は高いし、万が一緩んで上がり勝負になれば更に勝機が膨らみそう。勝ち負け。

…(9)ハギノジョイフル
OP実績は不良馬場で1秒以上負けた目黒記念の3着のみ。そもそも「時計掛かる馬場のハンデ戦で突っ込む」
という一転突破で準OPを勝ってしまったが、時計勝負では1000万でも微妙だった馬。成長は認めつつも、ここで上位とは差が大きすぎるし、開幕週では更に歯が立たない筈。

○(10)マイネルキッツ
中山金杯・AJCCと、中山10～11Fでは相対的に速い上がりを使うが届かなかった(4着)が、日経賞ではきっちり連対。そして前述の通り、天皇賞を完璧な挙動で快勝。
内を捌けるこの馬ならばもっと内枠が良かったが、馬群がバラければ上手く潜り込んでくれるだろう。宝塚記念は前述の通り、得意の内捌きがアダになる馬場だったので度外視、それでも7着ならば悲観する必要はない。というか、唯一の京都外回り古馬G1の勝ち馬が5番人気とは何事か。万が一スローで速い上がりが問われると微妙な部分はあるが、急流に張る材料は十分なのだから、この人気ならば俄然買いだろう。

…(11)メイショウクオリア
京都外回りでは京都新聞杯勝ちがあるが、スロー凡戦で重賞とは名ばかり。重賞では全く要らない馬だと認識していたが、そこそこ厳しい流れの日経新春杯6着・前傾急流の中京記念5着と、なんとなく重賞を使われている内に力をつけてきた。それがダート戻りで開花し、低レベルOPとはいえ連続2着。
現状の充実で、再度の芝は実は面白く、得意の京都で上手く急流を中団で受けて嵌れば、ぎりっぎり一発があっても不思議はない・・・・と思ったのだが、陣営はダートと同じく先行を明言しているのが微妙。それならばむしろ急流に加担してくれて、きっちり消せれば一石二鳥と判断すべきだろう。

…(12)テイエムプリキュア
この舞台は日経新春杯で見事な逃げ切り、昨年の同レースでも3着がある。逃げなくても番手からあわやの4着した08アルゼンチン共和国杯があり、逃げ馬過多でも実は資質的には狙える馬。
しかも「上記の好走3回は、斤量50・49・49だったが今回は56キロ」だし、それより大問題なのは「上記3回は中1週・2週・3週だったのに、今回は5ヶ月ぶり」ということ。無警戒だからこそ一発狙える馬ではあるが、これまでの「一発」は実は条件が揃っていたのに対し、今回はあまりに厳しい。

▽(13)アルコセニョーラ
「テンは緩く、一見前有利なのに上がりの持続力勝負で大幅な差が出る」条件のレースで好走。08新潟記念1着・09福島牝馬S2着・七夕賞2着は、何れも上がりが速い流れだからこそ突っ込めた内容。即ち、ここも例年並のスローならば適性的にはドンピシャの筈で、チャンスだったのだが・・・同じくエリ女を目指す牝馬勢がペースを上げることにより、その目はだいぶ減らされてしまった。
それでもこれだけ人気がなければ、「ややスローに振れた時の為の押さえ」として、一応印を打ってフォローしてみたい。調子込みで考えれば(2)オウケンあたりとは好勝負してもいい。

▽(14)トーホウアラン
冒頭で触れたように、この距離ではスロー上がり勝負にしか実績なし。それで斤量増、しかも大外枠ならば、ここは狙い下げて妙味を追いたい。ちなみに急流では中日新聞杯を勝っているが、エプソムCではサンライズマックスに完敗の7着だったし、ロングスパートで長くいい脚を使う適性は感じない馬。
一応印は回すが、勝負目からは消して勝負。

■京都大賞典買い目

◎(10)マイネルキッツ
○(8)ジャガーメイル
▲(7)モンテクリスエス
△(3)スマートギア
×(2)(13)(14)

59キロでも◎(10)マイネルキッツの適性・能力は確か。目標は先でも乗り込み十分で、きっちり結果は残してくれるだろう。

買い目パターン1(推奨)
馬連(8)＝(10)　5,000円
馬連(7)＝(10)　1,500円
馬連(3)＝(10)　2,000円
馬単(10)流し→(2)(13)(14)　各500円×3

買い目パターン2
単勝(10)　5,000円
ワイド(8)＝(10)　5,000円

1999年10月14日16:34

毎日王冠予想ログ

カテゴリ: 告知; 競馬予想・事前分析

■毎日王冠予想

東京11R・毎日王冠(G2・芝1800)
自信度：★★★★☆(底力よりも格と持続力問われる展開を想定して絞る)

04：35.1-36.5-34.4=1’46”0稍【C】
(1着テレグノシス9-11-11、2着ローエングリン1-1-1、3着ブルーイレヴン8-7-7)
05：36.9-36.0-33.6=1’46”5稍【B】
(1着サンライズペガサス5-3-2、2着テレグノシス12-13-13、3着ケイアイガード3-5-6)
06：34.7-36.2-34.6=1’45”5【C】
(1着ダイワメジャー2-2-2、2着ダンスインザムード6-4-3、3着7-7-5)
07：34.4-35.0-34.8=1’44”2【A】
(1着チョウサン10-9-8、2着アグネスアーク8-9-11、3着ダイワメジャー2-3-2)
08：35.8-35.0-33.8=1'44"6【B】
(1着スーパーホーネット5-5-5、2着ウオッカ1-1-1、3着アドマイヤフジ2-3-3)

意外と流れにバラつきのある、東京競馬開幕重賞。基本的な分類としては以下の3種類になる。

【A】前傾急流・一貫ラップ
基本的には急流対応得意な差し馬が嵌る流れ、07年はダイワメジャーが伏兵2頭に差された。98年まで遡ると、この程度の流れでもサイレンススズカ→エルコンドルパサーはものともせずに「前残り」という驚異的なレースもあった。
ちなみにこれの亜流として「【A】’中盤のみが更に速いラップ」もあるが、この場合は99グラスワンダー・01エイシンプレストン・03バランスオブゲームと、中距離G1・G2及び東京マイルG1に十分な実績を持つタイプが制している。近年は絶えて久しい流れだが、01・03年はマグナーテン・ファインモーションといった1番人気が飛ばしすぎた逃げで圏外に沈んでおり、スピードに偏った人気馬が自信過剰に(或いは折り合いを欠いて)引っ張ると、このような事態も起こり得るということだろう。

【B】スロー上がり勝負・加速ラップ
基本的には中距離馬の先行・捲りと、マイラーの追い込み・捲りが決まる流れ。前が残ってもおかしくないが、呑気な流れの中、中盤から徐々に加速して直線で早めにトップスピードに乗せてラストまで伸び切る、持続力のある馬が優勢。
展開の有利不利というよりも、位置取り自在で展開問わない東京巧者が堅実に走るイメージ。東京G1の覇者・ウオッカやテレグノシスは言うまでもなく、大阪杯2勝と阪神巧者の印象もある05サンライズペガサスには前年の天皇賞秋で3着があったし、京都巧者の08スーパーホーネットにも京王杯SC勝ちがあった。

【C】中弛みラップ
実は03年以前はほとんど存在しなかった（これが「府中1800展開いらず」の理由だろう）のだが、ここ5年では2回も発生している。
04年のような「逃げ(or番手)＋追い込み」決着が最も分かりやすい展開的な帰結だが、06年のようにG1マイラーが、スピードと底力を活かして好位から押し切ってしまうことも。この流れの場合、安田記念1・2着があるアサクサデンエンが06年1番人気で飛び、安田記念3・5・17・18着のローエングリンが04・06年と2回馬券になっているように、底力が問われる東京マイル巧者よりも、スピードがものを言う他場マイルで動ける馬が相対的に浮上することも。まあ、04年勝ち馬は「東京の鬼」テレグノシスなので、東京巧者を否定する必要もないのだが。

これを踏まえて今年の流れを想定すると・・・逃げるのは恐らく(2)アドマイヤフジ、次いで(4)カンパニーだろう。
昨年逃げた(6)ウオッカに関しては、「ジャパンCを最終の大目標と考えた場合、昨年は状態がやや落ち気味？で僅かに掛かっていたことからも、ここでスピード全開のレースはしたくない」という陣営の戦略面からも、「昨年逃げて差された、同じことはしたくない」という騎手の性格面からも、今回は普通に好位～中団で溜めてくると見たい。
(2)アドマイヤフジと(4)カンパニーが、今年先行した重賞のラップをそれぞれ見ておこう。
中山金杯(G3・中山10F)：36.2-46.5-35.8=1’58”5(アドマイヤフジ2-2-2-2→1着)
中山記念(G2・中山9F)：37.7-36.4-35.1=1’49”2稍(カンパニー2-2-2-2→1着、アドマイヤフジ3-3-3-2→3着)
大阪杯(G2・阪神10F)：36.0-48.9-34.8=1'59"7(アドマイヤフジ2-2-2-2→4着)
宝塚記念(G1・阪神11F)：34.7-37.0-24.4-35.2=2'11"3(カンパニー3-3-4-2→4着、アドマイヤフジ3-3-5-6→10着)

中盤が異様に速かったアドフジの中山金杯は出色の急流だが、2頭揃った中山記念は超スロー、大阪杯も史上稀に見る中弛み。再度2頭揃った宝塚記念は、レースラップは例年並もカンパニ＆アドフジは前から離れて脚を溜める競馬だった。
つまり2頭ともここ半年以上、急流での先行は見せていないことになる。今年唯一急流だった中山金杯とてテンはかなり緩かったし、恐らく前はすんなり折り合って淡々と進むのではないか。よって基本的には【B】スロー上がり勝負・加速ラップを想定することになる。川田騎手が腹決めて、中山金杯のような底力で淘汰されるような緩めないラップを踏む可能性がなくはないが、この時も速い中盤を引っ張ったのはミヤビランベリの方。秋緒戦の「前哨戦」ではあくまでも「マイペース逃げ」を志向するだろう。

という訳で、東京で持続力を発揮する資質がそのまま問われる展開が有力なので、直近の東京G1＝安田記念を見ておこう。

安田記念(G1・芝1600)
33.4-24.0-36.1=1'33"5
1着ウオッカ7-5(35.7)
4着カンパニー14-14(35.5/0.3)
9着スマイルジャック16-14(36.4/1.2)

いまだに、何故こんなに時計が掛かったのかよく分からないレース。土曜朝までは雨が降っていたが、日曜の馬場水準は例年と同程度だっただけに、過去3年全て「テン34秒台-中盤23秒台前半-上がり34秒台」で1分32秒台決着が続いているこのレースで、テンこそ1秒速かったが、中盤で半秒・上がりで1秒半も遅く「1’33”5」になってしまったのは、ちょっと想定外。これだけ強い差し馬が揃っていれば、テンの速さからむしろ時計は縮まりそうなものだったが、この結果は上がりが止まり過ぎとしか言いようがない。
直線ごちゃついたことや、「トータルの馬場水準こそ例年並だったが、雨の影響でラストの直線のみ伸び辛かった」などの裏事情を深読みすることは可能だが、同日9RのホンコンJCT(牝馬1000万下)が1’34”7。その勝ち馬は上がり「33.8」、安田9着のスマイルジャックと同等の時計で走破したとなれば、やはりどう考えても物足りないという結論になる。

この安田記念の勝ち馬・ウオッカに関して、自身が東京マイルで踏んだラップを示すと以下のようになる。
08ヴィクトリアM：36.6-24.0-33.2=1’33”8
08安田記念：35.1-23.6-34.0=1’32”7
09ヴィクトリアM：35.4-23.6-33.4=1’32”4
09安田記念：34.3-23.5-35.7=1’33”5
昨年はVM→安田で追走のペースが上がった分、きっちり時計は詰めたが、今年は更にペースが上がると一気に時計を落としてしまった。2歳時からペースが上がるほど強い「底力の鬼」だった同馬も、「切れ味の競馬」へのシフトが生んだ副産物か、或いは年齢的な衰えか・・・この数字だけを見ると、なんだか微妙に「底力」に関しては陰りが見られている、と言えなくもない結果だ。
但し今年の安田記念は、残り200までずっと前が壁で、その後も残り100まで左右に馬がいてクリアーには追えない状態。結局綺麗に前に追えたのは100m程度で、これで4分の3馬身抜けたのならば、やはりまともならば1秒単位で時計は詰まっていた、と判断することも可能。まあ「タラレバ」なので断言はできないが、逆に前述の「底力低下」に関しても断言はできないだろう。ましてや今回、あまり底力が問われない流れを想定しているのだから、とりあえず昨年並みのポテンシャルは発揮できる状態での出走と考えたい。

という訳で、やや苦手な休養明けでも(6)ウオッカを信頼せざるを得ない状況だが・・・ここで提示しておくべきは「大回りコース開幕週で【B】加速ラップだと、明らかに内枠有利になる」ということだろう。ライバルとなる馬が複数(6)ウオッカより内に入ったのは、波乱に関して一縷の望みを抱かせると言えなくもないか。
但し土曜のレースを見る限りは、それなりに外差しも決まっており、昨年ほどの内先行過信は微妙で、やはり(6)ウオッカを消すのは暴挙だろう。堅い決着を予感しつつ、以下各馬ごとに精査していこう。

…(1)マッハヴェロシティ
東京9Fでは共同通信杯4着があるが、これは厳しい流れで外を回して早仕掛けの強気な競馬が災いしたもので、むしろ強い内容。ゆったり構えられる条件では上が狙えるパフォーマンスで、この時点で青葉賞・菊花賞では重い印を打つことを半ば決めたほどだった。すみれSではあまりのスローで前を残してしまったが、青葉賞は7番人気2着と期待に応えてくれた。ダービーでは前傾ハイラップで不良馬場に脚を取られつつも好位から8着ならば十分評価できる内容で、前走・セントライト記念は休養明け＆圧倒的不利な大外枠で立ち遅れながらの6着とこれも及第点。さあ菊花賞・・・と思ったら、何を思ったか東京9Fに戻ってきてしまった。
勿論この条件でも対応できるのは証明済ではあるのだが、3歳春なりの「忙しい挙動」でも完敗しているのだから、このレベルでの勝ち負けには、かなりのものを積み上げないと届かない筈。成長込みで可能性はあるが、ぎりぎり絞り込む為に消しておく。

△(2)アドマイヤフジ
中山記念・大阪杯と、加速ラップの毎日王冠に通じる「前哨戦的G2」ではスロー先行で流れ込み損ないの3・4着。もっと中盤から加速して、切れ味タイプを淘汰した方が際どい勝負ができるのは中山金杯で証明済だが、そうなるとウオッカの脅威は増すだけに、どのようなレースを志向するかがポイント。
とはいえ、昨年は加速ラップでラチ沿い・ウオッカのすぐ後ろから3着に粘り込んでおり、もっと楽にラチ沿いを逃げられる想定のここは、勝負がかりのハイラップを刻まなくとも同様の流れ込みは可能な筈。普通にヒモとしてはマークしておくべきだろう。

…(3)ハイアーゲーム
07鳴尾記念は阪神9F「35.9-37.4-34.2」の上がり勝負でエイシンデピュティ・アドマイヤフジ・アドマイヤオーラ・オースミグラスワンを下しており、この時のデキならば加速ラップでは必ず買うべき馬。しかし昨年の毎日王冠は、伸びる内目を捌いて7着まで、伸びない外を回したカンパニー・オースミグラスワンが5・6着ならば、これはやはり衰えと判断したい。

○(4)カンパニー
昨年毎日王冠が、完全な内先行馬場で唯一外を回して掲示板確保(5着)。このパフォーマンスから本命に推した天皇賞秋は、流石に位置取りが後ろ過ぎて届かずの4着だったが、持続力は十分示した。
今年の安田記念は前述の通り、この水準での加点評価ができない内容だが、それでもスローの中山記念・マイラーズCでの1・2着に続き、前傾のG1でも一応4着と対応したのは、底力が衰えていないことを最低限示したと判断したい。「東京巧者」の文脈でも天皇賞・秋は07年にも3着しているのは心強いし、何よりも今回、外差しに回った昨年とは違って楽に内から先行できそうな枠順が好都合。馬券圏内はまず堅そう。

△(5)ヤマニンキングリー
アンドロメダS・中日新聞杯の連勝あたりでは、緩いペースで弱い相手に勝っているだけの二流馬扱いだったが、
中盤極めて速い中山金杯の2着で評価が一変。差しての展開的な恵まれではあったが、急流でしっかり差せたのは大きな収穫だった。その後も急流のローカル重賞にきっちり対応して連続2着し、確実な資質の拡がりを示した。札幌記念は馬場水準を考えれば上がりが止まり過ぎる謎のレースだったが、休養明けで完勝ならば勝ち馬に関しては評価を下げる必要はないだろう。
もう本番でウオッカの首を狙う存在と目してもいいところだが、9F戦ではやや忙しい可能性があるのもまた事実。中盤速い10Fの中山金杯でも、一貫ラップ9Fの小倉大賞典でも前を残したし、前傾10Fを早めに追っ掛けた中京記念はきっちり差された。少しでも「忙しい」要素があるとG3クラスでも惜敗しており、ここはスロー想定なのでさほど心配はないかもしれないが、腐ってもG2戦。勝負どころでの反応で遅れを取る可能性はあるし、そこで対応してもラストの坂で僅かに鈍る可能性は否定できない。休養明けの実績馬に対し、順調度で逆転も可能な存在だが、アタマの可能性は低いと見て馬券を構築したい。

○(6)ウオッカ
前述の通り安田記念が何の不利もなくあの時計ならば、思い切って狙い下げてもよかったのだが、時計が伸びなかった原因指摘できる現状では、それはやはり無理筋。やや掛かりながらの12Fでも3着確保の昨年JCの内容からも、ハナ切らないでスローに巻き込まれてもここではまず勝ち負けに絡んでくる筈。

…(7)スマイルジャック
極限まで末脚を溜めて、瞬発力に特化する形で再度その資質が開花した印象。実際超スローのマイラーズC(3着)では好位から流れ込んだが、前傾の東京新聞杯(3着)でも、そして超中弛みの関屋記念(1着)でも後方待機で末脚を伸ばして好走した。
スローの加速ラップならば最後方ということはなさそうだが、前に行っても競り負けがデフォルトの馬だけに、ウオッカを前方に見ながらの差しというのが有力。三浦騎手の現状での最大の武器は、この「マーク根性」だと踏んでいるので、この枠順は魅力的ではあるが・・・しかし中弛みの新潟マイルで追い込んで古馬になっての初重賞を制したように、勝負所でついて行かずに仕掛けを遅らせるのが真骨頂。即ち開幕週はかなりマイナスの設定で、そこから巻き返して差せる相手ではない。消せる券種で勝負したい。

…(8)メテオバースト
スピードと底力が武器で、基本的には急坂得意のマイラー。08AJCC4着さえも、マイラーの競馬になったので台頭できたという意味で同じ文脈だろう。
中距離でも、中盤速い07オパールS(京都10F)でサクラメガワンダーの3着があるが、恐らくこの水準が限界。力が足りていない上に、近況持ち直して来ているとはいえ、まだここで馬券圏内云々が言える状態ではない。

…(9)ダイシンプラン
昨年は東京開幕週に10F「36.5-46.4-36.5」と極めて中盤速い流れを差し切って見せたが、その後は超スローの阪神9F・超ハイラップの小倉9Fと、9Fで準OPを2勝。距離適性とコース適性の合わせ技、スピードと底力の合わせ技で、ちょっと狙ってみたい面白い存在で、まさに07年のチョウサンに匹敵する資質の持ち主だろう。
しかし今回、上がり馬の勢いが活きる急流の想定ではないし、差しが嵌る流れにならなさそう。そして何よりもチョウサンも前走準OPを勝って参戦したように、上がり馬に不可欠な近況の調子があまり上がっていないのは大問題。着差は共に僅かとはいえ、急流で差し恵まれた小倉記念9着・緩流で楽に先行できた新潟記念15着では厳しい。

▽(10)サンライズマックス
上がりに限界があるので、ある程度上がりの掛かる急流で結果を出していたが、天皇賞・春はこれを距離延長で補う新機軸の4着。この時は中盤緩んだ所で進出する訳でもなく直線だけで突っ込んだが、逆に急流の小倉大賞典では小回りらしい流れを先行して押し切っているだけに、開幕週ならばある程度の位置につけることも可能だろう。
この舞台でヒカルオオゾラを下して重賞を勝っているだけに期待はかかるが、最終週のエプソムCの結果を開幕週に敷衍する為にはやはり「好位置確保」が必要だろう。これは先の文脈からは可能な筈だが、そうなるとこの外枠がかなりマイナス。消極的なヒモまでが妥当か。

…(11)ナムラクレセント
前走・西宮Sの時計は出色で、阪神「33.6-35.8-35.4」を差し切ったのは見事。菊花賞3着馬が連勝でようやく軌道に乗った。
しかしテンで急かされるとダメで、この時も自身刻んだラップは「35.0-35.4-34.4」。絶好馬場に下駄を履かされたことを考えれば、これ一発で重賞級とは言えないか。菊花賞は超中弛みで先行できたが、前傾の阪神大賞典は差しに回っており、この距離ではどう転んでも先行はできないだろう。大外枠から恐らく(10)サンライズマックスより後ろの位置取りになる筈で、先行馬を差し切ることはおろか、サンライズを交わすことすらハードルは高い筈。これも消せる券種で。

■毎日王冠買い目

◎(4)カンパニー
○(6)ウオッカ
▲(5)ヤマニンキングリー
△(2)アドマイヤフジ
×(10)サンライズマックス

昨年の天皇賞秋1着＆4着馬の組み合わせが本線。今回は枠順から、位置取りに差が出る筈で、その分敢えて◎(4)カンパニーを本命とした。相手はやはり○(6)ウオッカ、ここは無理矢理捻るよりも信頼して絞りたい。

買い目パターン1(推奨)
馬連(4)＝(6)　9,000円
馬単(4)→(5)　1,000円

買い目パターン2
3連複(4)(5)(6)　6,000円
3連複(2)(4)(6)　2,000円
3連複(4)(6)(10)　1,500円
3連複(2)(4)(5)　500円

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