数時間前…

れいむは自室にて歌を歌っていた
れ「ゆ~っくりのひ~、ま~ったりのひ~」

しかし何か物足りない様子

れ「おうたさんはゆっくりできるね!でもおそとさんにでてみたいよ…」
「ゆゆっ?まどのかぎさんがあいてるよ?でもおにーさんはおそとにはわるいにんげんさんがいるから
  だめだっていってたけど…」
 「すぐもどってきたらいいよね!きをつけてたらいいよね!」


れいむは窓を開け外に行き初めての外の世界を堪能していた。

れ「むしさん、ちょうちょさんこんにちはー!」
 「おそとさんはゆっくりできるね!ゆんやー!」

しばらくして…

れ「もうそろそろいえににかえらないとね!ゆっくりいそぐよ!」

れいむは比較的人が少なそうな道を選び、急いで跳ねながら住宅街の路地を駆けて家路を目指した。

しかし不運にも近所の青年に見つかってしまった。

青年「? なんじゃこりゃ…」

れ 「ゆ…にんげんさんだよ…お…おにいさんはゆっくりできるひと…?」

青年「(なん…だと…!? まさか…ゆっくりが現実の世界に…!? こいつぁいい…(ニタァ))」

れ 「な…なんだか、ゆっくりできないきがするよぉ…」

青年「いいや!僕はゆっくりできる人間さんさっ!あまあまさんもあるよ!
   さぁ、おいで!ハハッ!!(裏声)」

れ 「あ、あまあましゃん!?で…でも…なんだかゆっくしできない声だよ…?(著作権的に)」

青年「さぁ!おいで!…来いっつってんだろボケェェェ!!」ガッ!!

青年は怯えるれいむを捕まえ、家へ連れて入った…

れ 「ゆんやぁぁぁぁ!!お、おにーさん!おにーさんたすけてぇ!」

in青年の家

青年「お前、飼い主がいるのか?」

れ 「そーだよ!れいむをつくってくれたやさしいおにーさんだよ!ゆっくちおにーさんのもとにかえらせてね!」

青年「…こいつはぁすげぇや…ネット通りの饅頭だしこれを作ったやつがいるだって!?こいつぁ…2ちゃんねるとチュイッターで拡散だ!!」

青年「その後にゆっくり虐待してやるから待ってろ…」

青年は不気味な笑みでれいむを見ながら言った

れいむには虐待の意味は理解できなかったがこれだけは分かった。この鬼威山にひどいことをされる…と…

カチャカチャ…
鬼威山「ゆっくり捕獲!釣りじゃねぇ!マジだ!」
NEET A「駄目だこいつ…何とかしないと…」
NEET B「はいはい、ワロスワロス」
鬼威山「マジだって!今目の前にいるんだって!」
NEET B「証拠うp早よ」
鬼威山「おう!ほれ!{画像添付}{動画添付}」 
NEET C「CGだろ?」
NEET D「おい…調べてみたがCGじゃないっぽいぞこれ…」
NEET A,B,C「な、なんだってー!?」
鬼威山「拡散よろ!」
NEET`s 「了解した!」

青年「ふぅ…これで自然とこのゆっくりの製作者探しが始まって製作者が晒し上げられ、
   ゆっくりが一般商品化されて夢の虐待LIFE待ったなしだな!ぐへへへへへへへ!!」

れ 「ゆ…はやくれいむをおにーさんのところにかえしてね!」

青年「さて…」

バキィ!!

鈍い音が部屋に響きれいむが叩き飛ばされる

れ 「!? ゆ…ぴぃぃぃぃぃ!!い…いたいよぉ…いたいいたいはゆっくりできないよぉ?
   ゆっくりやめてね!」

鬼威山「うっひょぉぉ!快☆感!!」

れ 「やめてね!ゆっくりやめてね!」

鬼威ry)「は?やめるわけないだろ?じっくり楽しませてもらうぜ…死なない程度になぁ…」

れ 「ゆ…ゆんやー!?ゆ、ゆっくりにげるよ!」

鬼ry)「どこへ行こうというのだね」

鬼「逃げるんじゃねぇ…よっ!!」

ドコォ!! 鬼威山と化した青年は逃げようとするれいむを思いっきり蹴り上げた。

れ「ゆげはぁぁ!えれえれえれ…」

鬼「げ!きたねぇ、餡子吐きやがった… こんなに早く死なれちゃぁ困るなぁ、甘いもん甘いもん…」

れ「いたいよぉ…ゆっくじできないよぉ…おにーさん…」

鬼「お、生きてたようだな オレンジジュースはあるし…遠慮なくやりますかっ!ま、元から遠慮なんてねーけどw」

そして鬼威山は殴る蹴るを再び始めた。

ドコォ!バキィ!メキィ!ビターン!

鬼「うぅ~~~ん…きっんもちぃ~~~!!」

れ「ど…どぼじてこんなことするのぉ!?ぼうりょくはゆっくじできないよぉ!?ぼうりょくはあらそいをうむだけだよぉ!?」

鬼「それはね…暴力は鬼威山にとってはとっっってもゆっくりできるんだ…だから…
  ゆっくり殴られていってね!」

れ「ゆ…ゆんやぁぁぁぁぁぁぁ!!」バキッ!

________それから1時間後_______

鬼「ふへへへ…快☆感!」

れ「ゆっ…ゆっ…」

鬼「おっと…死なれちゃぁ困る」

鬼威山はボロボロになったれいむを見下ろす。

鬼「まだまだ虐待させてもらうからな…オラァ!…(インターホンの音)…チッ誰か来たようだな…
  おい饅頭!ちょっとでも声をだしたらぶち殺すからなっ!」

鬼威山は口調を強めてれいむに言い、玄関へ向かった。
しかし身も心もボロボロになり倒れていたれいむには声を出す気力もなかった…


____お兄さん(俺)サイド[数時間前]____

俺「くそっ!そう遠くへは言っては無いと思うが…」

草むらや木の上、溝の中、人の家の庭まで探していた。

俺「誰かに捕まっていたら見つけれる可能性が無くなるぞ…
  ん?この声は…」

どこかかられいむの様な声が聞こえてくる。
その声の方へ俺は走り出した。

声が聞こえてくるのはこの家の中からの様だ。
中から聞こえるのは確かにれいむの声だ。
しかしそれは打撃音とれいむの苦しむ悲鳴だった。

れ「ゆぎひっ!ゆ、ゆっくりやめて…ゆぐはっ!」

俺はとてつもない怒りを覚えた。虐待をしている人間に対して、その原因を作った自分に対して。

俺は煮え滾る憎悪を抑え家のインターフォンを鳴らす。

出てきたのは妙にイラついた青年だった。
その青年からは独特の餡子の甘い香りが。

俺「(こいつだ。間違いない)」

青年「なんすか?今忙s…」

バキィィィィ!!!

青年が言い終わる前に俺は青年の顔面に拳を叩きこんだ。
住宅街に鈍い音が響く。

青年が玄関に倒れ失神した。その間に俺は土足で上り込みれいむを探した。

俺「れいむ!れいむ!どこにいる!?」

れ「ゆっ…」

微かに…微かにれいむの蚊の鳴く様な小さなの声が聞こえる。

俺「れいむっ!!」

そこにはボロボロになったれいむの姿が。

れ「ゆ…。お、おにーさん?」

俺「今すぐ…今すぐ連れて帰ってやるからな!」

俺はれいむを上着で優しく包み、急いで家に帰った。

そして俺は家で三日三晩尽きっきりでれいむの看病をした。

不幸中の幸いと言うべきか皮肉なことに定期的にオレンジジュースを掛けていたから
命を落とすまでの致命傷にならなかったので多少は安心した。

しかしあれから三日経って急に不安が押し寄せてきた。
あの青年をほっておいて大丈夫だっただろうか…
大丈夫な訳がない。外国へでも逃げようか…しかしれいむを持って外国へ行くなんて不可能だ…。
不安を抱えたまま夜が明けた。

夜が明けるとれいむが目を覚ました。

俺「れいむ!やっと気が付いたか!痛いところは?」

れ「お、おにーさん…?おにぃぃぃざぁぁぁん!!」

れいむは泣きながら俺に色々話してくれた。
窓の鍵が開いていたこと、勝手に出てしまったこと、鬼威山に捕まってしまったこと、そこで受けた仕打ちなど…

俺は叱る気などとっくに無かった。れいむが命を落とさずに帰ってきたんだ…それだけでいい…
今はれいむを感じよう…近いうちに辛い別れがくる可能性があろうとも…

それからしばらく俺は家を出ることを控えた。

___7日後___

不安は的中した。
ゆっくりが現実の世界に具現化したという噂が予想以上に広まった。
テレビにまで噂が流れ始めている。

俺「これはまずいことになったな…」

れ「おにーさん?だいじょうぶ?」

れいむはすっかり傷も治っていた。さすがは饅頭。

俺「まだ半信半疑も多いが何故こんなに広まったんだ…
  とりあえず何処か田舎にでも避難しようか…」

そして俺は身支度を始めた

れ「おにーさん?なにしてるの?」

俺「身支度だ。旅行を兼ねて田舎にでもほとぼりが冷めるまで行こうかと。
  もちろんれいむも連れて行ってやる。俺公認のお外だ。」

れ「お、おそとさん?いたいのはいやだよ…?」

やはりトラウマになってしまったようだ。

俺「今回は大丈夫だ。俺がついてる。

れ「ゆ…わかったよ。おにーさんとならいくよ!」

不安を抱えながらも同意してくれたれいむ。
一応これで行くことはいつでもできる訳だが…

テレビを見ていると噂に対して動きがあった。



動画が公表されたのだ。



それはれいむを痛めつけている動画だ。あの青年が隠し持っていたらしい。
CGではないこともばれている様だ…

動画の公表、ガセネタではないことによりネットは盛り上がり、各研究所などがゆっくりの捜索に身を乗り出した。

俺「(研究機関が探し出したのは計算外だった… いずれここもばれるだろう。今日発つ!)」

スーツケースを持ち、れいむを大きめのカバンにいれ、レンタカーを借りに行くことにした。

公共の乗り物だと流石にやばいだろうから。

家をでるとそこには虐待袋を被った裸の3人組が。

虐袋A「おやおや?どこに行くのかね?」
虐袋B「君がゆっくりを作ったという例のやつかい?」
虐袋C「大人しくゆっくりを渡してもらおうかっ!」

俺「も…もうすでにばれていたか…」

虐袋A「NEETの力、舐めてもらっては困る!」
虐袋B「ゆっくりを渡さぬのならもぎ取るまでよ!」
虐袋C「我らゆ虐三連星の実力思い知るがいい!」

虐袋`s「喰らえ!ジェットストリームアターック!!!」

ビシッ!

虐袋A「そげぶっ!」

何か長いセリフを言っている間に俺は虐袋の一人を思いっきり殴った。
虐袋Aが他の二人に倒れかかっている間に俺は逃げ出した。

虐袋A「お…俺のことはいい…捨てていけ…」

虐袋B,C「あ、兄者!捨てれるわけないだろ!」

虐袋A「いや…良いんだ…俺はもう……バタッ…」

虐袋B,C「あ…兄者…?兄者ーーーー!!!」


俺「なんだこれ…」

変な茶番をやっている間に遠くの裏路地に逃げ込んだ。
逃げ切れた様だ。
それにしても通信制で習ったボクシングがこんなところで役に立つとは…。

しかしあんな奴らに身元がばれているんだこれでは動きようもない。

れ「お…おにーさん…こわいよー」

れいむがカバンから不安そうな顔を出して言う。

俺「大丈夫だ…必ず俺が守る…」

守りきれる自信などなかった…
所詮、俺個人の力など世界にとってはちっぽけでしかない。

路地を抜けると駅前に出た。

その瞬間、周りを大男に囲まれ拘束された。

俺「!? 離せっ!」

???「それは無理ですねぇ…」

人ごみの中から長身の男が出てきた。

???「ゆっくり研究所の者です。」

???「あなたがお持ちになっているゆっくりを…いただきに参りました。」



__________第三話に続く…__________

 
========あとがき============
ご精読ありがとうございます。
第二話です。 ちょびちょび投稿していくので
細かくアドバイスしていただければ幸いです。