「ふぅ…」
とある日曜の昼下がり、俺はパソコンを一人いじりながら溜息をついた。
「こんな生物…いたらいいのになぁ…」
そう呟きPCの中にいる丸い生物を眺めていた。

これは謎の生物であり饅頭である「ゆっくり」 何とも奇妙な生物だ。

俺はゆっくりを虐待したり愛でたりするサイトにハマっていた。
もちろん俺は愛で派だ。虐待派の怖い鬼威山なんかじゃないつもりだ。
(ゲスゆに対してはピキり始めたのですでに末期なのだろうけど…)

所詮、2次元の生き物。 普通は諦めるのだが今日の俺は何かが違った。

「そうだ。ゆっくり創ろう」

そんなアホみたいな決心により俺のゆっくり創造記は始まった…

決心した俺は大学に通いながら独学で生物学から遺伝学、分子生物から精神学医学、果てには哲学の類まで調べ始めた。

しかし新たなる生物、しかも人間の幼稚園児並みの知能をもつ生物なんて並大抵のことではない。

___その後___

なんやかんやあってなんとゆっくりの元である中枢餡を作り出すことができた!

一番の難関である中枢餡を作り出すことに成功し、上機嫌の俺は饅頭の体を歌いながら作り始めた。


「腐りにくい餡子、破れにくい皮、潰れにくい白玉~…髪の毛はトウモロコシのひげでいいかな?」
饅頭の体を組み立てていく…
「ゆっくりの体が完成したぜひゃっほい!後は中枢餡と体を定着させるのみだ…」

そして緊張の瞬間…中枢餡を体の中に入れ、穴を完璧に閉じしばらく待つ…

しばらくするとゆっくりの体がごく僅かにだが震えだした。

緊張しながら見守る俺…

そしてついにゆっくりが言葉を発し出した!
「ゆ…ゆっ…ゆっ……」

俺は興奮を覚え喜んだ!しかしその喜びもつかの間だった…

急にゆっくりの様子がおかしくなりだした。
「ゆっ…ゆっ…ゆぴ…ゆぴぴぴ…ゆぴーーーー!!」
そう叫んだ後白目を向きそのまま動かなくなってしまった…

「足りないゆ化して上手く体に定着しなかったか…」

第一号であり期待もした分ショックも大きかった。

それは失敗したショックより一瞬だけでも生を受けた生物を殺してしまったことに対してだ。
失敗作であれ自分が作りたいものを殺してしまったのだから…

「…これ以上感傷に浸ってても仕方がない…次…いくぞ」

そして中枢餡と体との定着作業に戻った

しかしその作業は難航を極めた…

足りないゆになりすぐ息絶えるものが大半で稀に破裂したり動くことすらなかったものもいる…

机を強く叩いて叫んだ。
「くそっ!!!どうして成功しないんだっ!!!」
あるのは山積みになったゆっくりできなかった饅頭の死体のみ

そして俺はさまざまな方法を試した。
オレンジジュースに浸しながら定着させたり、中枢餡を水飴でコーティングしてみたり、
錬成陣を書いてみたり、ゆっくりの舞(適当)を踊ってみたり…

そんなことをしていると新しく定着作業をしていたゆっくりに変化が!

「ゆっ…ゆっ…ゆっくぢ…」
他の失敗ゆとは明らかに違う声をだしている

_次の瞬間!_

「ゆっくぢ…ゆっくりちていっちぇにぇ!!」
何とも甘く可愛らしい声でゆっくりは叫んだ

俺は喜びのあまり発狂し服を脱ぎ捨て罪袋を被り踊りだした

しばらくして我に返った俺は服を着ながらゆっくりに視線を向けた
ゆっくりは怪訝な顔をしていた。そりゃあそうだろう。初めて見た人が袋を被って踊っていたらそうなるだろう

そして俺は微笑んで言った。
「ゆっくりしていってね!」

そしてゆっくりも微笑み言った。
「ゆっきゅりしちぇいってにぇ!」

「うーん。可愛い」

そして俺はゆっくりを育て始めた。 
初めてゆっくりを育てて分かったことがいくつかあった。
このゆっくりはれいむ種であり幸運にもゲスではなく良性格のいわゆる善ゆだった。
しかも金バッチ並みの知性を兼ね備えておりそこのところも計画通りだ。
食べるものや排せつ機能は基本ネットでのゆっくりと変わらないので大成功とも言えよう。

記録を書いているとれいむが小さな声で言ってきた
れ「お、おにーさん。れいむはお飾りさんがないとゆっくりできないよぉ」
すっかり忘れていた。成功に夢中ですっかりお飾りのことを忘れていた。
俺「うーむ…どうしようか…そうだ、俺が手縫いで作ってやろう」
れ「ゆんやー!」

その日の内には無理なのでれいむには明日まで待ってもらうことにした。

俺「かーさんがーよなべをしてーお飾りつくる…イテッ!…あべしっ!…そげぶっ!」
音痴な歌を歌いながら不器用な手を動かし夜中にお飾りを作る俺。なんだかお母さんになった気分だ…。


_翌日_

俺「ほら、お飾りだぞ」

俺「(多少、形が崩れているが…どうだろうか…)」

れ「ゆんやー!凄くゆっくりできるよー!」

俺「(ホッ…喜んでくれたようだ)(それにしても手が傷だらけだ…)」

れ「おにーさん!ありがとー!」

満面の笑みでお礼を言うれいむ。

俺「(守りたい、この笑顔)」

俺「(しかし、れいむの事を世間に公表すべきだろうか…
ネットですら鬼威山がいるんだ…世間に公表した日にゃぁ…)
(今のうちに世間について教えておくべきか…)」

俺「ねぇれいむ」
お飾りをつけて喜んでるれいむに言う

れ「ゆ?」

俺「この世界には人間さんがたくさんいる。でも良い人間さんばかりじゃないんだ。悪い鬼威山や犬さんに
猫さん、車さんにマスコミさん。この世界は危険がいっぱいなんだ。だかられいむは外にでちゃいけないよ?」

れ「ゆっ!ゆっくり理解したよ!」

俺「(いくら知能が比較的高くなっているとしても基本になっている個体は饅頭だから気をつけなくちゃいけないな…)」



___それからというもののれいむと俺はご飯を食べる時も風呂に入るときも寝る時も一緒だった。___

今日はれいむのが誕生してから丁度2ヶ月の記念日だ。
れいむが好きな金平糖を持ってれいむの部屋に入った

俺「れいむー!お前の好きな金平t…」

ガシャーン!

その光景に俺は思わず皿を落としてしまった。れいむの部屋の窓が空いてるではないか。
部屋にはれいむの姿は無い。外に出てしまった様だ…

俺「くそっ!普通より知能の発達が早いからか好奇心の欲求が抑えられなかったか…
もっとちゃんと見ておくべきだった!」
「しかしそんなこと言ってる暇はない。人の目に付く前に探さなければ!」

俺は急いでれいむを探しに家を飛んで出た!!


__________第二話に続く…__________


========あとがき============
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