小川直樹
2016年2月22日17時42分
ピュリツァー賞カメラマン、故沢田教一さん(1936~70)の妻サタさんが90歳にして初めての個展を青森市内で開催している。ベトナム戦争(60~75年)後にまちに戻った笑顔を写したものが多く、サタさんは「(戦争のない)平和は貴重なものと感じてほしい」と話す。無料で28日まで。
「30代の沢田と90歳の私のツーショットです」。サタさんは会場に展示された教一さんの肖像写真を前にそう言ってはにかんだ。
教一さんは、ベトナム戦争取材で66年に米報道界の栄誉である同賞を受賞。70年に取材中のカンボジアで殉職した。今回の展示写真約25点は、戦争終結後の80年代にテレビ取材で数度訪れたベトナムで主に撮影したもの。子どもたちや籠を売る人らの笑顔、牛車が道行く様子などをホーチミン(旧サイゴン)などで収めている。
戦争時は、サイゴンで教一さんと暮らしたサタさん。「戦時中はみんなおびえた顔をしていたが、戦後は変わったと感じた」と振り返る。サタさん自身も写真が好きで、教一さんと結婚する前の三沢市での20代の頃、写真集団に名を連ねていたこともあるという。「でも、ベトナムにいた時は危ないからか沢田にカメラは持つなと言われていた」と明かす。
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