「長崎の証言の会」代表委員を務め、1月に85歳で亡くなった被爆者の広瀬方人さんをしのぶ会が21日、長崎市であった。孫で東京外語大2年のないるさん(20)が祖父との思い出を語り、遺志を引き継ぐ決意を語った。

 ないるさんは2013年、核廃絶を求める署名を国連に届ける高校生平和大使になった。広瀬さんと一緒にテレビを見ていて大使の活動を知り、「やってみたら」と言われたのがきっかけだった。それまでは「ただのおじいちゃん」だったが、活動がきっかけで被爆体験なども聞くようになったという。

 広瀬さんは被爆前の1945年、予科練に志願し合格したが、心労で体調を崩した。広瀬さんは当時のことをないるさんに「怖かった。体が拒否反応した」と話し、「恥ずかしい」と語ったという。ないるさんは「話した当時も恥ずかしい気持ちを持っていた。リアルに感じた」と振り返る。

 大使の活動の後、平和の実現には「壁ばかりだ」と思った。安全保障関連法などの動きを見ていると、日本が危ない方向に向かっているとも感じ、自分たちの世代が行動を起こしていかなければ、と思っているという。この日、遺影に献花し、心の中で誓った。「安心して任せてね」(岡田将平)