ども、おっさんです。はじめてブログで本のレビューをします。
個人的にこれまで読んだいくつかのマーケティング入門書は、用語の説明が学術的で全体の流れが分断されている事が多かった。または成功事例をつらつらと語っているものが多く、正直汎用性に欠ける事が多かった。一方で本書は流れがある上での用語やフレームワークが説明されているため読みやすく、また汎用的にまとまっていると思った。
本書はポーターなどの古典からブランディングの概要、デジタルマーケティングまで押さえており、マーケティング・プロセスの全体の流れをつかむための入門書としては非常に分かりやすかった。
本書は4つの章で構成されている。
- 1時間目 マーケティング・プランを立てる
- 2時間目 マーケティング・リサーチの基本と実務
- 3時間目 ブランド・マネジメントの基本と実務
- 4時間目 新しい時代のCRMとデジタル・マーケティング
「1時間目 マーケティング・プランを立てる」では市場導入のプロセスをはじめ、
各ステップでどのようなフレームワークを使えばいいかわかりやすく説明されている。
また説明では日本企業の事例かつ会話形式での説明がありイメージしやすい。
「2時間目 マーケティング・リサーチの基本と実務」では基本的なリサーチ手法から、詳細なプランニング方法まで語られている。
「3時間目 ブランド・マネジメントの基本と実務」ではブランディングの概要から実践まで語られているが、「ブランドは漢方薬のようなもの」という言い回しが印象に残った。
「4時間目 新しい時代のCRMとデジタル・マーケティング」は多少すっ飛ばし感があるため、超概要として抑える程度で良いと思う。デジタルマーケティングに関してはオムニチャネル、マーケティングオートメーションなどそれぞれ専門書を読むのをおすすめする。
著者の武井涼子氏は本書が初めての執筆とのことだが、マーケティングの現場での経験も非常に豊富であるため学者の人が書いてる書籍に比べリアリティを感じた。
武井涼子(たけい りょうこ)
東京大学文学部社会学科卒業後、(株)電通に入社、主に自動車会社のコミュニケーション戦略の立案を行う。その後、オグルヴィ&メイザー等の広告代理店においてブランド戦略、インタラクティブ戦略等を経験。またFIFAマーケティングと大手ベンチャー企業で、スポーツ&マーケティングと経営企画に携わったのち、コロンビア大学でMBAを取得。帰国後は、マッキンゼーを経てウォルト・ディズニー・ジャパンに転職。マーケティングと事業開発を行う。2014年4月グロービスに入社。現在、グロービス経営大学院大学、英語MBAプログラム、インターナショナル・マーケティング・チームのマネージャーとして働きつつ、准教授としてマーケティング関連の授業の教壇に立つ。
個人的にマーケティング入門書としてだけでなく、実践書としてもオススメしたい一冊です。