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ドローン使った宅配サービス 国が初の実証実験
2月25日 4時33分

ドローン使った宅配サービス 国が初の実証実験
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過疎地域の高齢者などを対象にした、小型の無人機「ドローン」を使った宅配サービスの国による初めての実証実験が徳島県那賀町で行われ、およそ500メートル先の目的地まで生活物資を届けました。
この実験は、国土交通省が東京の民間企業と共同で初めて行ったもので、ドローンを使った町おこしを目指す徳島県那賀町が会場に選ばれました。
実験は、ドローンにパンや牛乳を入れた箱を取り付け、航空法に従って30メートル以内に人が立ち入らないようにして行われました。そして、およそ500メートル先の目的地まで4分ほどで飛行し、無事、物資を届けました。実験ではゆで卵も運ばれましたが、殻にひびが入ることは無かったということです。
地元の80代の男性は「思ったより安定して飛んでいました。荷物が家の庭先まで届けばうれしい」と話していました。
国土交通省などは、各地の過疎地域の住民にドローンへの抵抗感や、ドローンを使った宅配サービスの望ましい価格帯などに関するアンケートを行い、再来年までの実用化を目指すことにしています。
民間企業の鯉渕美穂社長は「天候不良への対応なども検討し実用化を目指したい」と話していました。
また、国土交通省物流政策課の鈴木延明課長補佐は「物流業界でも労働力不足が懸念される中、人を介さない輸送事業には意義がある。今後は安全性と利便性の両立が課題だ」と話していました。

安全性と利便性の両立課題

ドローンを使った宅配サービスを巡っては、安全性の確保が課題になります。去年12月に施行された改正航空法では、重さ200グラム以上の無人機を、国の承認を得ないまま、肉眼で見えないところを飛行させることや、人や建物から30メートル未満に接近して飛行させることは禁止されています。
今回の実験は法律の範囲内で行われ、離着陸を、周辺に住宅のない農地で行ったほか、飛行するドローンを車で追跡して様子を確認しました。ただ、高齢者からは「家の庭先まで来てくれないと不便だ」という声も上がっていて、安全性と利便性をどのように両立させていくか、今後、検討が進められることになっています。
また、ドローンは悪天候の場合は飛行できないことがあり、今回の実験でも、雨のためおよそ2時間開始が遅れていて、安定した運用も課題の一つになります。

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