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誰にでも使える、シンプルで基本的な生産性ハック10選
MakeUseOf:よくできた生産性ハックのすばらしいところは、始めるのが簡単なことです。ただし、継続するのは簡単ではありません。来る日も来る日も、絶え間なく動く機械の歯車のようにやり続けることが大事です。
このイメージとはまた別ですが、生産性はお金だとも考えられます。有意義な仕事をするのにかけた時間と、無駄にした時間を記録して、単純に計算するだけです。SignNowのインフォグラフィックに、2年前の少しショッキングな数字が載っています。
社内で失くなったものを探す時間と、パソコンの中の見当たらないファイルを探す時間を合わせると、年間1770億ドル(約20兆5000億円)以上もの経費をかけたことになります。
どのようにして計算したのかはわかりませんが、注意散漫・回り道・中断は、時間とお金を喰う三大悪です。無駄をゼロにするのは非現実的かもしれませんが、日々の生活で生産性を向上するものを少しでも使うことはできます。今回は、誰にでも使えるシンプルで基本的な生産性ハックをおさらいしましょう。
時間割のように仕事を割り振る
私たちは必要のないこと、やらなくていいことに時間をかけ過ぎです。時間は再利用できないリソースなので、時間管理にお金をかけてもいいくらいです。
Scott Behsonは、『ハーバード・ビジネス・レビュー』でシンプルな時間管理の練習を教えてくれており、これを利用すれば週168時間の中にすき間時間を見つけられます。今、特に時間管理をしていない人は、このうちのどれかをやってみてください。無料の時間管理ツールは試すだけの価値があります。次の項目を読む前に、まずは時間を節約しましょう。
ある程度まとまった時間で何の仕事をするか厳密に決めて、気が散らないようにします。これはソフトウェアの開発でよく使われる生産性アイデアです。またRob Nightingaleは、集中する時間を決めるというのは、先延ばしに対抗する秘策としても有効だと言っています。
特定の時間の単位を時間割のようにするには、スプレッドシートのような簡単な表のようなものを使いましょう。これにポモドーロ・テクニックを組み合わせれば最強です。1日の終わりに自分にご褒美をあげるのも忘れずに。
【おすすめツール】
時間を測る練習をする
人間は、どうしても「間違った計画(Planning Fallacy)」を立ててしまいがちで、緻密な計画を立てるのが得意ではありません。仕事が終わるまでにかかる時間を、常に短く見積もってしまいます。プロジェクトが大きくなると、それだけ見積もりとの誤差も大きくなります。
有り難いことに、「ゆるい割合/比率(Fudge Ratio)」というシンプルな計算を使えば、失敗するような計画は立てなくなります。仕事をするのに予想した時間と、実際にかかった時間の差を出すのです。この計算を使えば、予測した時間の微調整ができます。そして、慣れてくるとこの差は縮まってきます。
Steve Pavlinaは、この計算を使ったいくつかのテクニックをすすめています。時間記録ツールを使って、仕事を始める前に予測した時間と、実際にかかった時間をスプレッドシートに記録していきましょう。おすすめの時間計測ツールをいくつか紹介します。
【おすすめツール】
日曜から仕事に取り組む
本当はこれを最初にあげたかったのですが、そうしたら最後まで読んでもらえないかもしれないのでやめました。誰だって日曜から働き始めたくないですよね。
ですが、1週間試してみてください。昔の上司が、月曜に憂鬱にならないようにする、次の2つのアドバイスをくれました。
- 日曜にその週の計画を立てる
- 月曜に1時間早く出社する
このおかげで、週の頭から生産性がぐんと上がったのを覚えています。このアイデアは、月曜に頭が休みボケを引きずらないようにしてくれます。私はパレートの法則(80:20の法則)を使って、週末に大きな目標を立てるようにしました。20%の仕事で80%の成果を出すのを目標にすることで、週の最初に、大きな仕事に取り組むようになりました。
1時間早く出社すると、静かな誰にも邪魔されない時間も活用できます。
【おすすめツール】
仕事用のプレイリストをつくる
「モーツァルト効果」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。この言葉は聞いたことがなくても、仕事中にクラシック音楽を聴いているかもしれません。ある特定の音楽を聴くと仕事の生産性が上がるというのは、研究分野でも人気のあるテーマです。
カナダのウィンザー大学の研究では、クリエイティブな仕事やソフトウェアデザインなどの仕事では、特に高い効果が得られたことがわかっています。
「職場で音楽を流すようにした方がいいのでしょうか?」という、よく聞かれる質問に対する研究者の答えは「基本的に音楽を聴くかどうかは働いている人が選ぶものであり、"聴きたいから聴いている"状態のときには、仕事の質や労働時間に良い影響が見られます」というものです。
仕事用のプレイリストをつくるのは、かなり楽しい生産性ハックです。仕事中に聴く音楽を見つけるツールをいくつか紹介しましょう。
【おすすめツール】
- 『Focus@Will』
- 『GetWorkDoneMusic.com』
- 『8Tracks' "Productive" Category』
- 『Reddit LifePRO Tips』
- 『Spotify』
かわいい写真を見る
「はぁ?」という声が聞こえてきそうですが、2012年の広島大学の研究によると、かわいい写真を見たあとは、より集中して仕事ができるとわかっています。一言で言えば、集中力が上がるのです。この研究では、集中する時間が44%上がったのは、動物の赤ちゃんの写真を見たときだけで、大人の動物やおいしそうな食べ物の写真ではこれほど上がりませんでした。
インターネットでやたらと猫の写真や動画が増えている理由は、こういうことなのかもしれません。スクリーンセーバーやデスクトップの背景や待受画像にしているのも見かけます。楽しい職場は生産性が高いのは間違いありません。
【おすすめツール】
先延ばしリストにあるものをやる
先延ばしが好きな人ばかり集まる場所があります。会社のオフィス内では見つからないかもしれませんが、給湯室やコーヒーマシンのあるところにいけば、しょっちゅう顔を出している先延ばし好きに会えます。
まず、先延ばしにしているもののリストをつくりましょう。働く気がしないときでもできる、労力を使わない大したことない作業です。理想としては、リストをやる気と労力レベルで分類したいところです。また、時間のあまりかからない、一般的な仕事のリストもつくりましょう。1日のうちで、大きな仕事をやる気がしない時に、この2つのリストを使います。
Fast CompanyのAllison Grahamは、あまりエネルギーの要らない仕事リストは、先延ばしをやめるのに効果的だと言います。
業界誌を読む、パソコン内のファイル整理、キャビネットの書類の整理、SNSの友だちリストや連絡先の見直し。労力のかからない作業をToDoリストに入れるとキリがありません。
これを「意義ある先延ばし」とJohn Perryは呼んでいます。ちなみに、この先延ばしに対する新しい考え方によって、Perryは2011年にイグ・ノーベル賞を受賞しています。
【おすすめツール】
- ポストイット
- 『Google Keep』や『SimpleNote』のような、メモが取れるクロスプラットフォームなアプリ
ショートカットキーをマスターする
まず、マウスを置いてください。
次に、1日に最低でも10回は繰り返す作業の、キーボードのショートカットを覚えましょう。
教育関係の会社「Brainscape」では、キーボードのショートカットを学習すれば、年間で8日分の時間を節約できると言っています。つまり、指をキーボードから離してマウスに移動させるのに、毎分2秒は使っているという計算です。
キーボードのショートカットを覚えるためのフラッシュカードのツールがありますが、ほかにもいろいろなツールがあります。
【おすすめツール】
自分宛てのファンレターを書く
燃え尽きたり、キャリアがひどく停滞したりすると、ストレスとなり生産性をどんどん悪くします。休暇を取って旅行に行くなど、仕事ができないほど危険な状態にならないようにする方法はたくさんありますが、自分を抑制するものがわかれば、仕事のやる気を取り戻すためにできる小さなことがほかにもあります。
Seth Godinの考え方も、やる気が出てくるのではないでしょうか。
自分の著書が称賛されたら、それを書き留めておきましょう。自分の話で誰かが感動して変わったら、それを教えてもらうようにしましょう。新しい商品が地元のスーパーの棚に並んだら、それを写真に撮りましょう。
前もって自分宛にファンレターを書き、やろうとしていることがあれば前もって人に言いましょう。これは、実際に行動を起こすよう自分の背中を押す効果的な方法です。
【おすすめツール】
- メールアプリ
- 『FutureMe.org』
- 『Mail to Self』(iOS)
マインドフルネスは最高、ぼーっとするのも良し
脳の機能の中でも直線的でない複雑なシステムである、クリエイティブな潜在能力を呼び起こすには、誰にも邪魔されない何もしない時間がある程度必要だというのは、最近の心理学の研究と同じように、作家やアーティストの事例でも証明されている。
ーAndrew Smart(著書『Autopilot: The Art & Science of Doing Nothing』より)
マインドフルネスは今や生活に欠かせないものとなっており、マインドフルネスなインターネットサーフィンも推奨されてきました。人間が白昼夢を見る(日中にぼんやりとする)のは動物的にも自然なことです。うれしいことに、これには科学的な裏付けもあります。
【おすすめツール】
- 良い上司
- 一瞬でも日常や現実と切り離すことができるテクノロジー
散歩をする
散歩がエンドルフィンをつくる最高の方法ではありませんが、現代社会の座りっぱなしの生活に対する唯一の対処法です。スタンフォード大学の研究によると、散歩が大事なのは創造性を高めるからでもあります。
屋内でランニングマシンを使って歩いている人や、屋外の新鮮な空気の中で歩いている人のほうが、座っている人の何倍もクリエイティブな反応があることがわかりました。環境ではなく「歩く」という行為が主な要因です。つまり、座っている人よりも、歩いている人のほうが、全体的に常にクリエイティブのレベルが驚くほど高かったのです。
研究によると、歩いた直後であれば、座っていてもクリエイティブなエネルギーが流れ続けていることがわかりました。どのようなスタイルでも、歩くことでクリエイティブな思考が60%近く向上していました。次回行き詰まったときは、スマホやFacebookで無駄な時間をすごしたりせず、ちょっと歩いてみましょう。
毎日少しでも歩くという習慣を取り入れてみてください。非生産的なスランプ状態に陥りやすい午後には、良い休憩にもなるはずです。
【おすすめツール】
- 『Workrave』(Windows and Linux)
- 『Stand Up!The Work Break Timer』(iOS)
- 『Twenty:Stand up every 20 mins』(Android)
どの生産性ハックが合っているか?
生産性というのは極めて個人的なものです。誰にでも効果がある魔法の杖はありません。あなたは紙とペンを使ったほうが生産性が上がるかもしれないし、隣の同僚はコーヒーを飲んだほうがいいかもしれません。筆者が、個人的に生産性向上を追求したところ、気が散るものをコントロールすることが一番効果がありました。それでもまだ、追求は終わっていません。誰でも同じはずです。仕事の生産性を上げるTIPSはいくらでも試してみることができますが、とにかくシンプルにして、自分だけのハックを見つけてください。
10 Clever Productivity Hacks Anyone Can Use|MakeUseOf
Saikat Basu(訳:的野裕子)
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