【バルセロナ=黄田和宏】南アフリカ財務省は24日、2016年度予算を発表し、16年の国内総生産(GDP)成長率の予測を前年比0.9%増と、昨年10月時点の1.7%から大幅に下方修正した。マイナス成長となった09年以来の低成長にとどまる見通しだ。新興国での資源需要の頭打ちで主要な輸出産品であるプラチナなどの資源価格が低迷していることが足を引っ張る。
通貨ランドの下落を受けて、インフレ圧力も高まる見通し。消費者物価指数の上昇率は16年に前年比6.8%と、中央銀行の目標上限の6%を大きく上回ると予想した。一方、16年度の財政赤字はGDP比で3.2%と、従来の予測より小幅に縮小する見通しを示した。課税の強化などで税収増を見込んでいるが、景気の減速感が強まれば、赤字削減が遅れる可能性もある。