私は建築系の仕事に関わらせていただくこともあって、ときにその仕事のすごさを感じるこが多々あります。その1つが『積算』という仕事。設計図面や仕様書をもとに、必要な材料の数量を正確に算出して工事費用などを出す仕事です。計画段階からコストを把握できるだけでなく、無駄の出ない必要数量だけを現場に入れることで、作業をスムーズに進めることができます。
一方で、自分も含めた私のまわりの仕事はどうかというと、決してスムーズではありません。私はデザイン関係の仕事をしているのですが、確かにデザインに必要な資料がどれくらい必要か?作業にどれだけの時間がかかるか?は簡単に算出できるものではないし、そもそも算出できるものかどうかも分かりません。でも、案件を抱えれば抱えるほど、期限どおりに進行するための準備は重要になります。
無計画に進めれば事故が起きます。なんとなく大丈夫だろうで進めても無茶をすれば結果にムラが出ます。デザイン業ではディレクターという全体の指揮をとる役割がありますが、私はこのディレクターに建築で言うところの積算に近い能力が必要ではないかと考えています。どのように準備すればスムーズに進行できるか。それがあるかどうかが結果を大きく左右すると思っているからです。チームを自分の思い通りに動かすことよりも、どう準備すればチームが力を発揮するかを考えることができないと、どんなに個人が優秀でもなかなか良い結果は得られないのではないでしょうか。
あなたの仕事がスムーズに進んだとき、誰かが何かを準備していたりしませんか?
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*イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。