日本経済新聞 2016年1月28日朝刊の記事について
本日(1月28日)付けの日本経済新聞朝刊に、当機構主席統括研究員濱口桂一郎のインタビュー記事が掲載されました。インタビューということから、文章を本人が確認しなかったため、本人が述べた趣旨と異なって理解されかねない部分があり、その趣旨をご説明します。
記事の見出しで「同一労働同一賃金、難しい」とされていますが、これは新聞社によるものであり、本人が述べたものではありません。欧米型の職務給を前提とした「同一労働同一賃金」としては、我が国の賃金は職務給ではないこと、裁判例においても日本には同一労働同一賃金原則は一般的な法規範として存在しているとはいえないと判示されていること等の状況を紹介したものです。それに対して、我が国で社会一般に「同一労働同一賃金」という言葉で含意されることもある正規労働者と非正規労働者の格差是正に向けた政策が進められてきていること、近年はさらに限定正社員の推進という政策が講じられてきており、その拡大に向けた方向性を示唆したものですが、同一労働同一賃金の実現に否定的な見解を述べたものではありません。
本人がインタビューで述べた真意は以上のとおりであり、今後とも各研究員の研究成果や知見について的確にお伝えすることができるよう努めてまいります。
2016年1月28日