【動画】尖閣専従チームの巡視船「いぜな」、海保に引き渡し=佐々木康之撮影
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 尖閣諸島(沖縄県石垣市)の領海警備にあたる海上保安庁の大型巡視船2隻の引き渡し式が24日、山口、岡山両県の造船所であった。2012年9月の尖閣国有化に伴い建造を始めた「尖閣専従」の10隻が、すべてそろった。赴く先の東シナ海は今も中国公船が領海侵入を続け、昨年からは中国の海洋調査船の往来も活発になっている。現地の緊張は続く。

 山口県下関市の三菱重工業下関造船所。尖閣専従の10番船「いぜな」(1500トン)のマストに、紺地にコンパスを描いた海上保安庁旗が揚がった。

 「尖閣などわが国周辺の国際情勢が緊迫化するなか、海上保安庁に課せられた任務の重要性を認識してほしい」。海保幹部が読み上げた長官訓示に、乗組員は表情を引き締めた。

 「いぜな」は岡山で引き渡された巡視船「あぐに」とともに石垣海上保安部(沖縄県)に配備。3月下旬にも、第11管区海上保安本部(那覇市)の僚船と南の海の警備に就く。

 尖閣国有化で領海侵入を繰り返す中国公船への対応に追われたことが、巡視船10隻の新造へつながった。11管は、新造船を加え、19隻の大型巡視船を配する大所帯となる。