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ライフハッカー編集部ライフハッカー編集部  - ,  10:00 PM

『Oculus Rift』『HTC Vive』『PlayStation VR』:仮想現実で遊ぶならどれにする?

『Oculus Rift』『HTC Vive』『PlayStation VR』:仮想現実で遊ぶならどれにする?

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MakeUseOf仮想現実(VR)の世界が、とうとう手の届くところにやってきました。お手ごろ価格の高品質VRマシンが販売されるまでにはまだ数カ月かかるようですが、バスを待つ気分でその時が来るのをしばらく待っていれば、3つの製品がいっぺんに目の前に現れるのです。

業界大手3社が送り出すVR製品について、現在わかっていることを整理してみたので、どの製品が自分にぴったりなのかを判断する参考にしてみてください。

※各日本円換算額は2016年2月24日時点のものです。


『Oculus Rift』



  • 価格:599ドル(83800円)
  • 操作方法:『Xbox One』コントローラーおよび『Oculus Remote』。いずれもパッケージに含まれています。今後『Oculus Touch』コントローラーも発売される予定です。
  • 発売開始時期:2016年3月末。ただし現時点で予約を入れた場合の出荷時期は、すでに2016年7月へと先送りされています。
  • 特徴・他社製品との違い:内蔵式ヘッドフォン。

Oculus Riftには1080×1200ピクセルのOLEDが2個搭載されており、2つ合わせた解像度は90Hzで2160×1200ピクセルになります。組み合わせた数字でいえば、フルHD(1920×1080ピクセル)よりも若干高解像度ですが、それほど大きな違いではないですし、左右それぞれの目で見る画像はフルHDよりも低い解像度になります。

Riftは、人それぞれの瞳孔間距離にあわせて調節できる機能を備えているため、さまざまな目の大きさに対応できます。そのため、誰の目にもフィットするでしょうが、バカでかいサングラスといった感じは否めません。ただし、ピント位置が無限遠に設定されているレンズのおかげで、遠視の人でもメガネなしで鮮明に映像を見ることができます(最初に登場するすべてのVRヘッドセットも同様です)。

ヘッドセットは、USB接続式の単一カメラと内蔵式遠隔計測機能が備わっており、ポジショントラッキングが可能です。ヘッドセット前部にずらりと取り付けられた赤外線LEDにより、3次元空間の現在位置をカメラが認識できます。

『Windows 10』に完璧に対応できるようMicrosoftと提携を結んだOculusは、敢えてVR用コントローラーが装備されていないヘッドセットを最初に発売し、Xbox Oneコントローラーを買わせるという思い切った戦略をとりました。そのおかげで開発者は、すべてのユーザーが持っている1種類のコントローラーだけに絞って開発を進められるようになりました。このコントローラーは、最初のOculus開発キットが2012年にリリースされて以来扱ってきた、開発者にとってもっともなじみのあるものでもあります。


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さらに、シンプルなポインティングデバイスのOculus Remoteも付属しています。これは『Apple Remote』並みにシンプルで、『Oculus Home』のメニューシステムを簡単に操作できすることができます。また、バッテリーの寿命は4000時間と記載されています。

Oculus Touchは1対のハンドヘルド・コントローラーで、ポジショントラッキング機能や、親指を立てたり指差したりといったシンプルなジェスチャーの認識機能を備え、わずかな触覚フィードバックを伝えてくれます。Oculus Touchは、Riftの基本セットには含まれておらず、基本セットの発売後、年内に別途発売されるまでは購入できません。

Oculus Touchコントローラーのパッケージには、追加のトラッキングカメラが付属すると予想されています。これを使えば、大規模なVR体験が実現し、USBケーブルの長さ以外の制約がなくなるはずです。ただし、Oculusはこれまで多くの場で、同社がおもに目指しているのは室内を動きまわる規模のVR世界ではなく、「座った状態で体験」するものだと説明しています。

Oculusは現在、Facebookの完全子会社です。創業者のLuckey Palmer氏は、Facebookとの合併により「原価」(もしくは限りなくそれに近い価格)での販売が可能になると述べてきました。もしそれが本当だとすると、価格650ドルのRiftは、もっとも安い選択肢の1つになるかもしれません。他社のヘッドセットが同じ価格だとすれば、少なくとも技術的に優れた選択肢と言えそうです。

Oculus Riftはすでに予約注文の受付を始めています。ただし、最初の製品の出荷は3月末ですが、これから予約した場合の出荷時期は、すでに7月以降になっています。Riftを予約注文すると、Oculus Touchコントローラーの予約注文ができるようになります。価格はまだ公表されていませんが、おそらく200ドルを超えることはないでしょう。

米国以外の国では、付加価値税や関税が加わるだけでなく、送料も高くなることが予想されます。特に、オーストラリアからの購入では、ヘッドセット単体だけで1000ドル近くの金額になることを念頭に入れておくべきでしょう。

Riftを使うには、非常に性能の高いパソコンが必要になることにも注意しなければなりません。事前にお手持ちのパソコンが要件を満たしているかどうかを確かめておきましょう。NVIDIAによれば、違和感のないVR体験を得るために必要なレンダリング品質を実現するには、一般的なゲーム用パソコンのおよそ7倍の処理能力が必要だそうです。現時点での最小推奨要件は以下のとおりです。

  • メモリ:8GB
  • CPU:Core i5
  • グラフィックカード:GTX 970

パソコンを買い替えてでもRiftを購入する覚悟があるなら、Dell製のOculus対応パソコンがバンドルされたパッケージがお勧めです。このパッケージでは、十分な処理能力のパソコンとヘッドセット本体を1500ドルで購入できます。別個に購入するよりも200ドルほど安く済み、ヘッドセット単体での予約注文よりも先に商品を手にすることができます。


Oculus Rift対応タイトル


Rift開発キットはすでに数年前から入手可能な状態だったので、他社製品に比べて、より多くの開発者がこのシステムに親しんでいます。Riftには最初から、2つのソフトが同梱されています。家族全員で楽しめる『Lucky's Tale』と、Oculus Rift専用ではないですが、宇宙空間でドッグファイトを繰り広げるシューティング・シミュレーションゲーム『EVE: Valkyrie』です。

Oculusは、2016年末までに『Minecraft』を含む100タイトルの対応ゲームをそろえると明言しており、Rift専用タイトルの開発も進めているそうです。Harmonixから販売される『Rockband VR』も、Rift専用として発表されたタイトルの1つです。


『HTC Vive(Valve SteamVR)』



  • 価格:後日発表。リーク情報によると799ドル(約8万9000円)。
  • 操作方法:パッケージに同梱されるカスタム・ハンドヘルド・コントローラー。
  • 発売開始時期:2016年前半。予約注文は2月29日に受付開始
  • 特徴・他社製品との違い:室内を動き回るためのポジショントラッキング機能およびヘッドセット前面の固定カメラ。

Viveは、ハードウェアメーカーのHTCとゲームプラットフォームValveのコラボで実現しました。HTCはさらに、スマートフォン事業から撤退してVR事業に専念する可能性さえ示唆しています。ただし、Valveは当初、HTCを皮切りとして、これから数多くのパートナーと提携していくとの考えを示していました。

Valveは、Facebookに買収される前のOculusの初期開発に大きく関わってきた経緯があります。そのため、このヘッドセットは、スクリーンのスペックという点ではOculus Riftとまったく同じです。解像度は90Hzで2160×1200ピクセルで、視野もRiftと同様です。ただし、テスターらの報告によれば、Riftのほうが若干優れたレンズを使っているようです。



Viveのポジショントラッキング機能は、プレイする室内の角に置かれる2つのレーザー照射ベースステーションを利用します。ベースステーションが発する符号化されたシグナルをヘッドセットとコントローラーのセンサーが受信し、位置情報を把握します。このシステムによって、室内規模のVR体験を買ったその日から楽しめます

2つのベースステーションは、対角線上で最大16フィート(約4.88m)まで離して置けますが、プレイする室内空間は必ずしも正確な正方形でなくても構いません。たとえば、13フィート(3.96m)x10フィート(3.05m)でも大丈夫です。ベースステーションは壁や天井に掛けたり、三脚に載せたりすることができます。単に棚の上に置くだけでも構いません(これは開発キットの情報に基づいた内容です。正式なプレイ可能な空間サイズは、最終バージョンで変更される可能性があります)。

HTCは国際家電見本市「CES2016」において、自社ハードウェア製品ラインに画期的なフロントカメラが加わったと発表しました。このカメラにより、AR(拡張現実)の可能性が拓かれました。この可能性についてはまだ実証されていませんが、既存の「Chaperone」システムと連動して動作することは実証されています。

Chaperoneシステムは、ユーザーが物理的なプレイ空間の境界に近づくのを感知し、それに応じてフロントカメラが現実世界のごく一部を仮想環境に流し込みます。そのため、ユーザーが何かに衝突しそうになったとき、それが何なのかが正確にわかります。

元々は2015年末のホリデーシーズンに合わせてリリースされる予定でしたが、その後2016年4月に延期されました。現在デモが行われているプレバージョンは、正式発売前の最終バージョンになるとされていましたが、これ以上の変更を取り止めてこのプレバージョンを正式バージョンとして発売する可能性も噂されています。

Valveは正確な最小必要要件を発表していませんが、Riftの要件とほぼ同様ではないかと見られています。


HTC Vive対応タイトル

スペック的な面から想像するに、SteamのVRゲームシステム「SteamVR」用にリリースされたものは、おそらくOculus Riftとも互換性がありそうです。Valveにとっては最初かつ最重要のゲーム用プラットフォームですから、とにかく可能な限りたくさんのタイトルを売りたいところでしょう。でも、同じことが相手についても言えるとは限りません。Rift向けのいくつかのコンテンツは、Oculusプラットフォーム専用になるかもしれません。

とはいえ、仮想体験という部分では違いを出せるかもしれません。たとえば『Job Simulator』のクリエイターらは、Viveではゲーム内で360度の視界を得られる一方、Riftや『PlayStation VR』のようなフロントカメラを使う設定では視界が180度に制限されるだろうと説明しています。

The Gallery: Call of the Starseed』は『Myst』に似たアドベンチャーゲームですが、室内規模のVRとゲームの統合という点で見事なお手本といえます。このゲームの開発者らの開発した「Blink」モーションシステムは、プレイヤーがChaperone領域を歩き回ったり、離れた場所に瞬間移動したりすることを可能にするものです。このシステムのおかげで、様々なプレイ空間サイズに対応できるのです。



Hover Junkers』も、固定されたプレイ空間という制約はあるものの、室内規模の体験がどのように機能するのかを示す良い例です。これは、複数のプレイヤーによるファーストパーソンシューティング(FPS)ゲームです。プレイヤーは停止している船内に閉じ込められたり、荒地をさまよってほかの放浪者を攻撃したり、略奪したりするという設定です。


『PlayStation VR(Morpheus)』


  • 価格:後日発表。400ないし500ドル(約4万4000円ないし5万5000円)前後になるとの噂。
  • 操作方法:標準仕様の『DUALSHOCK』コントローラーまたは『PS Move』モーションコントローラー
  • 発売開始時期:2016年前半。
  • 特徴・他社製品との違い:低価格。テレビへのデュアル出力環境によりマルチプレイヤーオプションが実現。

ソニーはPlayStation VRのコストについて、おそらく「新しいコンソールとほぼ同じ」になるだろうと述べています。低価格設定になるとの噂は、この発言が根拠になっています。PlayStationのコストを含めても、PlayStation VRの基本構成の価格は、パソコンをベースにした商品構成に比べて驚くほど安くなるでしょう。

そのためPlayStation VRは、市場への浸透がもっとも進み、それゆえに専用の対応タイトルももっとも多くなると予想されます。




PlayStation VRのディスプレイは1920×1080ピクセルで、視野は100度です。これはRiftとViveのどちらと比べても品質で若干劣りますが、VR体験をそれほどひどく損なうものではありません。むしろ、リフレッシュレートは最大120Hzで、こちらのほうが優れています。

PlayStation VRのヘッドセットも、『Wii』より少しサイズの小さい外部処理装置を必要とします。また、テレビに接続して出力することができるため、複数のコントローラーを使えば、ヘッドセットの外部にいる人がVR体験に参加することも可能です。



元々の正式販売時期は2016年第2四半期とされていましたが、その可能性は徐々に低くなっているようです。原文筆者の個人的な予想では、たぶん2016年後半になり、ホリデーシーズンまでずれ込む可能性もありそうです。ただし、6月に開催される「エレクトロニック・エンターテイメント・エキスポ(E3)」までには、もう少し確実な情報が入るはずです。


PlayStation VR対応タイトル


製品版でのVR体験は、十分に刺激的なものとなるはずです。個々のゲームタイトルについては、公式プレイリストを参照してください。特に、古くから人気の高いロボット戦闘分野のファンは、『Rigs』で得られる没入感に興奮することは間違いないでしょう。

PlayStation VR専用タイトルにもかかわらず公式プロモーションが行われていないゲームの中では、『Summer Lesson』が特に目を引く存在です。これは、先の読めない「コミュニケーション体験」を楽しむゲームですが、単にデートシミュレーションを曖昧に表現しているだけかもしれません。このゲームが世界各国で発売されるのか、それとも日本だけで発売されるのかは、まだはっきりわかっていませんが、原文筆者は日本だけになると考えています。

それ以外のPlayStation VR専用タイトルとしては、軽快な音楽体験を求めている人には見逃せない、伝説的な音楽シューティングゲーム『Rez』の復活版などがあります。


買うならどのVR製品か

まず、内部スペックにあまりとらわれないことが大切です。ひとたびヘッドセットを装着して、遠く離れた土地に移動してしまえば、スペックのことなどまったく気にならなくなるでしょう。この世界の本当の勝者を決めるのは、ほかならぬゲームタイトルです。そして、実にさまざまな分野のゲームが登場する予定になっています。あなたにとっての「キラーアプリ」も、そのなかにきっとあるはずです。

潜在的な導入基盤という点ではソニーがもっとも有力ですが、ゲーマーたちにとっては、VRも単に一時的な流行りものに見えるかもしれません。Oculusは、Microsoftの後ろ盾を得て、どこよりもうまくWindowsに対応しています。また、『Minecraft VR』がOculus専用となれば、おそらくそれがキラータイトルになるでしょう。HTC Viveは、スタートレックでおなじみの「ホロデッキ」のような素晴らしい体験を提供できる可能性を秘めています。それは多くの人が夢見ていたことですが、どれだけのコストがかかるのは見当もつきません。

原文筆者としては、どれを買うべきかは決められません。原文筆者は初期資金調達時に資金提供をしていたので、Oculus Riftは無料で手に入りますが、室内規模の体験を提供するという約束には心を奪われてしまいますし、PlayStation VR専用タイトルの魅力も諦めたくありません。たとえ、そのために手持ちのXboxとPlayStationを交換しなければならないとしても、です。

2016年は、かなりの出費を覚悟しなければならないでしょう。


Oculus Rift vs. HTC Vive vs. Playstation VR: Which Should You Buy? | MakeUseOf

James Bruce(訳:風見隆/ガリレオ)
Photo by betto rodrigues/Shutterstock and Oculus Press Kit.

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